内容紹介
第9回日本SF新人賞受賞作
本の雑誌(10月号)の書評で「新人賞選考会では『ポーの一族』も引き合いに出された、独自の文体と強い作家性を持つ作品である。」と紹介されました。
梶原教授は、ある朝自分が狂人であることに気づいた。自分が狂人であることを知る唯一の人間飯塚を殺害すると、自殺するために大陸へと渡る。教授の目的地は、かつて傷を負った日露戦争の戦場の霧の原野だった。満蒙の枯野をさすらう教授は、やがて黒十字療養所にたどり着く。療養所には、美少女人形のような看護婦や肺を患う日欧ハーフ青年、双子の妹を守るために母親と医師を殺害した東欧の青年が暮らしていた。彼らはいずれも自らを異形や妖怪だと思い込んでいた。さらに療養所の院長は、『処刑されたキリストの復活した肉体は吸血鬼だ』という説に基づく論文を書いていた。療養所の住人にはもう一つ共通点があった。いずれもレネィ、エリーナ、レイナという美女と接点があったのだ。春が近づき、復活祭が祝われた時、療養所をめぐる様々な謎が解き明かされることとなる。
内容(「BOOK」データベースより)
黒十字サナトリウムは患者様の性別、年齢、人種、また資産や社会的地位など一切を問いません。けれども一つだけ共通点がございます。此処にいる方は、どなたも御自分を吸血鬼のたぐい、異形の存在だと思い込んでいらっしゃるのでした…。ある朝、目が覚めて自分が狂っていることに気づいた梶原章吾教授は、知人の医師を殺害し、北へ向かった。結核患者である凪雲龍司は美貌の伯爵夫人に魅せられ、眠りとは違う圧倒的な底へと沈みこんだ。ミシィカとレイナ、双子の兄妹は易出血症と虐待に悩み、母と主治医を殺害。その家はいつしか『吸血鬼屋敷』と呼ばれるようになった。そんな彼らが集う、黒十字サナトリウム。復活祭の日、何かが起こる―。第9回日本SF新人賞を受賞した、流麗かつ壮大な幻想譚。
商品の説明をすべて表示する