出版社/著者からの内容紹介
本書は、ノーマン・マクレオドの『「日本古代史の縮図」のための挿し絵集』(Illustrations to the Epitome of the Ancient History of Japan)を紹介すると共に、いわゆる「日ユ同祖論」(日本・ユダヤ同祖論)の論点の幾つかを解説したものである。
マクレオドは、一九世紀、明治時代初期の日本に約一二年滞在したスコットランド人商人である。彼は「日ユ同祖論」を説いた人物としても有名である。「日ユ同祖論」とは、文字通りには、日本人とユダヤ人(イスラエル人)は同じ先祖から来ているという説である。
だが、これは必ずしもそれだけの意味ではない。日本人が混血民族であるのは明らかである。日本人の中には北方系民族、南方系民族、また朝鮮半島からやって来た民族など、様々な血が混ざっている。しかしそれら様々な民族の中に、古代イスラエル人もいて、彼らもまた日本人を形成する民族の一つとなった、という説がある。
そして彼ら古代イスラエル人は、単に日本に来たというだけでなく、また日本人の血の中に混ざったというだけでなく、じつは日本の文化・伝統の根幹を形成したとも言われている。この考えもまた、「日ユ同祖論」と呼ばれている。本書では、その日ユ同祖論の論点の幾つかを読者に紹介している。
挿し絵には、おもにノーマン・マクレオドの『「日本古代史の縮図」のための挿し絵集』(Illustrations to the Epitome of the Ancient History of Japan)のものを使った。この挿し絵集は、一八七八年に彼が京都の出版社から、英語で出版したものである。
マクレオドはその二年前に、『日本古代史の縮図』という本を出版している。「日ユ同祖論の古典」とも呼ばれる本である。彼は日本の各地をめぐり歩き、日本の伝統と日本人を観察する中で、一つの考えを持つに至った。それは、日本人は基本的に三つの異なった民族からなる、ということだった。それらの民族とは、
1、アイヌ民族北方ユーラシアの原住民
2、小人族南方オーストロネシアの原住民(マレー・ポリネシアン)
3、古代イスラエル人
である。彼はこの考えを『日本古代史の縮図』という本にまとめ、一八七六年に長崎の出版社から英語で出版した[その日本語版は現在、たま出版から『天皇家とイスラエル十支族の真実』(高橋良典編)の名で出版されている]。
この本は、今もユダヤ人をはじめ、「イスラエルの失われた十部族」研究者、日ユ同祖論者などの間でよく知られている。ラビ・M・トケイヤーの本の中でも取り上げられた。一方『ユダヤ大百科事典』の「日本」の項でも、マクレオドの本からの影響が強く見られる。
マクレオドの本の中には、しばしば日本語力不足等から来る誤謬や誤解もみられるが、日本と日本人を観察して、そこに古代イスラエルの影響を見たという彼の主張には、興味深いものがある。
マクレオドのこの『日本古代史の縮図』刊行の二年後に彼が出版した『挿し絵集』には、その本のための数々の挿し絵が収められている。それらは当時の日本人画家が描いたものであり、またマクレオド自身が収集したものである。これらの絵は、外国に日本を紹介するためのものであるが、一二〇年以上前のものであるだけに貴重なものも多い。
本書では、その挿し絵集を基調に、日ユ同祖論的観点から幾つか解説を加えてみた。
第一部では、マクレオドの主張だけでなく、広くその後の日ユ同祖論者たちの研究や、私の研究成果から、幾つかの興味深い事柄を解説した。とくに日本に古くから伝わる「ユニコーン」(一角獣)と古代イスラエルの関わりや、マクレオドが「ユダヤ人タイプの日本人」と呼ぶものなどには、興味深いものがある。
第二部では、マクレオドの『挿し絵集』の中に述べられている、彼自身の解説文を掲載した。その多くは、外国人旅行者のための日本案内ともなっている。
内容(「BOOK」データベースより)
もしかしたら、日本はユダヤ人が作った国。国会図書館に埋もれていた貴重絵図300点余による歴史探求。