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6Bには魔女がいる。魔女が悪者扱いされる、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『Witch Week』(邦題『魔法使いはだれだ』)の世界では、それはちっとも喜ばしいことではない。読者は、現在のイギリスの学校、ラーウッドハウスの生活に放り込まれる。ごく普通のこの学校が1つだけほかと大きく異なるのは、いたるところに魔女がいて、容赦なく魔女狩りが行われているところ。著者のウィットと博学ぶりが感じられる、6Bの教室が舞台のこの物語は、クラスメートの魔女探しから始まる。人気者のサイモンでも良い子ちゃんのテレサでもないことは確か。だとしたら、太っちょのナンか、ものぐさなチャールズ? それとも謎めいたところのあるニラパムか、落ち着きのないブライアン? 物語がクライマックスを迎えるころには、魔女であることは恥ではなく名誉のしるしになる。
継ぎ目を感じさせることなく、自然に視点を移しながら展開していくこの物語は、『Lord of the Flies』(邦題『蝿の王』)と同種の作品だ。著者は、子どもというものを十分に理解したうえで、子どもが傷つけあい、助けあう姿を描く。そして、物語の本筋に、知らないと書けない学校生活の様子を織り込んでいく。すさんだ生活をしているナンが、人気のある女の子たちをうんざりしたように観察している場面を見てみよう。
「授業中ナンは気がついた。テレサとその仲間たちはまた何かに夢中になっている。いやな予感がする。新しいことを始めると、あの子たちはいつも異常なくらいうるさくなるのだ…。今回の流行は白い編み物。汚れないようにタオルにくるまなくてはいけないような、白くてきれいでふわふわした毛糸。教室じゅうが“裏編みを2目、表編みをひと目、次は2回編み棒にからませて…”とぶつぶついう声に包まれる」
『Witch Week』は文句なしにおもしろい。しかも、仲間はずれはやめよう、などといった「道徳的」メッセージを子どもたちに押しつけることはない。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
出版社/著者からの内容紹介
「このクラスに魔法使いがいる」謎のメモに寄宿学校は大騒ぎ。魔法は厳しく禁じられ、見つかれば火あぶりなのに! 続いて、様々な魔法が学校を襲う。魔法使いだと疑われた少女ナンたちは、古くから伝わる、助けを呼ぶ呪文を唱えた。「クレストマンシー!」すると現れたのは…? 『ファンタジーの女王』『英国の宝』と評される著者の代表連作。