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沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (トクマ・ノベルズ)
 
 

沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (トクマ・ノベルズ) (単行本)

夢枕 獏 (著)
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

貞元二〇年(西暦八〇四年)。唐の都、長安では、妖異な事件が続いていた。役人・劉雲樵の屋敷に猫の妖物が憑依し、徳宗皇帝の死を予言。また驪山の北にある綿畑では、皇太子・李踊が病に伏すことになるとの囁き声が聞こえてきたという。そしてこの二つの「予言」は、やがて現実のものとなった…。同年、遣唐使として橘逸勢らとともに入唐した、若き留学僧・空海。洛陽の街での道士・丹翁との邂逅を経て、長安に入った彼らは、やがて劉家の妖物に接触することとなった。劉はすでに正気を失っていたが、空海は、青龍寺の僧・鳳鳴とともに悪い気を落とし、事の次第を聞くことになった…。


内容(「MARC」データベースより)

西暦804年、密を求め遣唐使として長安に入った若き留学僧・空海は、友人の橘逸勢らとともに朝廷をも揺るがす大事件に巻き込まれる…。日本初の世界人の活躍を描く中国歴史伝奇小説の新書版。

登録情報

  • 単行本: 309ページ
  • 出版社: 徳間書店 (2007/07)
  • ISBN-10: 4198507503
  • ISBN-13: 978-4198507503
  • 発売日: 2007/07
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 面白くなりそうな予感あり, 2007/8/10
By 樽井 (兵庫) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
さて。
 長いタイトルですが、本書「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」は夢枕獏さんの本で、一応すでに完結しているもの新書サイズとなって再登場したものです。夢枕さんは現在も「キマイラ」「陰陽師」「餓狼伝」「サイコダイバー」などなどの完結していないシリーズをたくさん書いておられるのですが、これはきちんと完結しているという事もあり、手をださせてもらいました。なんせ完結していないシリーズに手をつけると続きが気になって仕方ないから(とはいえ買うんですが。今日も今日とてグイン・サーガの新刊、第115巻「水神の祭り」を買いますが)できるだけ避けるようにしているので。

 で、本題に戻して紹介ですが、本書の主人公は、タイトル通りの「空海」と「橘逸勢(たちばなのはやなり)」の二人です。話が進んでいくとまた変わるのかもしれませんが、一巻ではこの二人でなんとなく「陰陽師」の阿部晴明・源博雅コンビに雰囲気がよく似ています。この二人が遣唐使として中国の長安に渡って、怪異に介入するところまでがこの一巻なんですが、なんていうんでしょうか、かなり壮大なスケールの話になるような予感をさせる仕上がりになっています。もちろん、史実からしても当時の遣唐使の常識的な二十年というようなな長い期間は空海は唐にいませんでしたから、話的には数年の話になるのでしょうけれど、大風呂敷をひろげてくれそうな感じがあります。

 この調子であれば、話のふりにでてきている白居易とか楊貴妃とかも絡んできそうだし、かなりおもしろくなりそうな予感があります。空海といえば、司馬遼太郎さんの「空海の風景」でもその天才ぶりが描かれていましたが、本書でも同様に、彼は何でも吸収し、楽しんで咀嚼する傑物として描かれています。歴史的事実を見ても、確かに同時期に海を渡った最澄と比べてそういう側面は強くあったようで、それが夢枕獏の作風と見事にはまってとても魅力的なキャラクターとなっています。
 蘊蓄を語り、法力を駆使してあやかしを退けたりする超人的な部分もさることながら、なにもかもを飲み込んでいこうとする力強さに強く惹かれます。これくらい人間バイタリティがあるとなんだってできるだろろうなぁとちょっと羨ましくも思ったりです。

 巻ノ一と二が同時発売されていて、三と四が今月末のようなので楽しみにしたいと思います。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 実はタイトル通りの話, 2007/8/25
By fjの教祖様 (銀河系太陽系地球) - レビューをすべて見る
「空海が中国は唐の国で鬼と宴会をする」
タイトルを意訳すると(?)こうなるわけですが、実はこのお話は本当にそういうお話です。

空海が唐に来て、事件に巻き込まれ、大団円として鬼と宴会をするのです。そして、最後に日本に帰っていく…。要約してしまうとそれだけのお話です。

しかし、銀英伝が「キルヒアイスが星空を見てから、ローエングラムの息子が星空を見るまでの話」と要約されるがごとく、面白いのは頭と終わりではなく、その経過であり、その表現の豊かさです。そして、夢枕獏という著者は、この「中間を描かせたら芸術」ともいえる描写力を持っている…。

天才・空海の描写は、何でも吸収するタイプ。一を持って十を知り、十をもって百を為すハイパワー振りです。日本に帰った後の彼の活躍も読んでみたくなります。

というわけで、この本は読んでいる最中がなかなか幸せな、面白い本でした。

もし、遣唐使時代の中国や日本の歴史について覚えるのが苦手…と言う受験生がいたら、ちょっとこれを読んで見ることをお勧めします。きっとこの時代についての興味がわいて、少しだけいろいろな数字が覚えやすくなるでしょう。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 夢枕獏が描く空海は生き生きとして格好良い, 2008/2/9
私は夢枕獏の熱心な読者ではありませんので他の作品との比較はできませんが、文句なく面白かったです。これが夢枕獏節なのかと思うと、彼が流行作家としての地位を築いているのも頷け、別の作品も是非読んでみたいと思うように。

本書は言わずと知れた日本史におけるスーパースター、空海を主人公とした歴史ものファンタジー。玄宗・楊貴妃の安史の乱、それを歌った白居易の長恨歌・・・、通常の空海伝では登場するはずもない人物や歴史的事項を巧妙に組み合わせた、さながら歴史パズルのような物語です。空海の人となりについても密教がもつ呪術的な側面、空海伝説が彩る神秘的側面が強調されており、およそ現実的・仏教学的な空海像からはぶっ飛んでいます。しかしながら、民間の弘法大師信仰における「空海」を表現しようとすれば、このような超常的能力者になるのかもしれないと思わせもする、泰然とした魅力的な人物となっています。

私は常々、空海が唐留学時代の記録を残さなかったことを残念に思っていました。しかし、夢枕獏のような想像力豊かな作家にとっては、その不明こそが創作の原動力になるのでしょう。同じように自身の想像力を頼りに空海を描いた作家に司馬遼太郎がいますが、本書では端々で司馬の『空海の風景』からの影響も伺えます。合わせて読めば、より空海に親しみを感じることができるのではないでしょうか。

作者は巻末あとがきで、空海の日本編もいづれ書くと言っていますが、それを読める日が来るのが今から楽しみでなりません。
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