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魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫)
 
 

魔術師(イリュージョニスト)〈上〉 (文春文庫) (文庫)

ジェフリー ディーヴァー (著), Jeffery Deaver (原著), 池田 真紀子 (翻訳)
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生、犯人は人質を取ってホールに立てこもる。警官隊が出入り口を封鎖するなか、ホールから銃声が。しかし、ドアを破って踏み込むと、犯人も人質も消えていた…。ライムとサックスは、犯人にマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を要請する。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ディーヴァー,ジェフリー
1950年シカゴ生まれ。ミズーリ大学でジャーナリズムを専攻。雑誌記者、弁護士を経て小説家となる

池田 真紀子
1966年東京生まれ。上智大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 最強の敵‘魔術師’。変幻自在のプロットの妙, 2008/10/14
By Wakaba-Mark - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
<リンカーン・ライム>シリーズ第5弾。
’04年、「このミステリーがすごい!」海外編第2位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第3位。

本書は、ディーヴァーが前作『石の猿』執筆中に着想したという自信作である。

今回の強大な敵は、密室状況の犯行現場から忽然と姿を消す、その名も‘魔術師イリュージョニスト’。今までライムが対してきた犯罪者のなかでも、シリーズ2作目の‘コフィン・ダンサー’に勝るとも劣らない難敵ではないかと思う。

大胆不敵なイリュージョンのトリックを駆使して恐るべき犯行を重ねてゆく‘魔術師’。
事件解明のため、ライムら捜査陣は見習いイリュージョニストのカーラに協力を要請して捜査のスタッフに加え、イリュージョンの手ほどきを受ける。しかし、‘魔術師’は指揮を執るライムの自宅の寝室に易々と侵入してしまう。危うし、リンカーン・ライム!

本書の面白さは、すっかりお馴染みとなった科学の最先端を行くライムの鑑識捜査+<ライム>チームの機動力を生かした捜査と‘魔術師’のイリュージョン(変装、早変わり、ピッキング・侵入、脱出、読心術、腹話術、動物使い、手品、ミスディレクション・・・)のトリックとが、しのぎを削る展開である。

しかも‘魔術師’はなかなか真の動機を覗かせず、章が変わるたびに次から次へと畳みかけてくるトリックと、二重三重それ以上の“どんでん返し”、そして物語の緊迫感はシリーズ中屈指といえる。

本書で読者は、見事にディーヴァーの、それこそイリュージョンのようなミステリーの術中にはまり、「こちらと思えばあちら、あちらと思えば今度はそちら」とばかりに変幻自在のプロットで手玉に取られること請け合いである。
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6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 魔術師 vs 不動にされた男!, 2008/10/13
 リンカーン・ライム・シリーズは通常日本で発売されるミステリーに比べ頁数
が倍くらいあります。単行本だと二段組で約500頁、文庫本だとたっぷりな上下巻
と読み出があります。今回も犯行現場として少なくとも7箇所丁寧に描かれています。
日本のライト・ミステリーの7冊分の密度です。これだけ風呂敷を広げながら最後
にはすべてのピースが漏れなくきっちり収まるようにはめ込まれているのは、
ディーバーのすごいところですね。

 今回の犯人はプリンセス・テンコーで日本でも認知されたイリュージョニストです。
イリュージョニストは誤導(misdirection)といわれるスキルを使ってライムを
幻惑します。誤導とは見てもらいたい場所に注意を引き付けることよって、
見てもらいたくない場所から遠ざけることです。本作品では犯人の誤導、誤導の
連続で何が真の目的なのか最後までわかりません。この技法はどんでん返しの
ディーバーが作品の中でも使用しています。誤導の名手ディーバーがイリュージョニストを
操っているのですから読んでいても何を信用していいのかわからなくなりました。

 本作品はプロットが凝っているので、インサイド・ストーリーは控えめですが、
それでもいくつかの名場面も用意されています。サックスと捜査に参加する
イリュージョニストの卵カーラとの会話の中で、サックスに組織で生きていくにあたって、
「何より大切なのは、戦うための度胸ではない。戦うべきときと、戦わずに流す
べきときをわきまえることなの」と言わせています。私も勤務先で理不尽な思い
をしますが、大事なことはまさにこの ―プライドと力― なのですよね。
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7 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 傑作の予感, 2008/10/23
By 樽井 (兵庫) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズの文庫版では最新刊です。ハードカバーの方では「ウォッチメイカー」など更に数作でています。このシリーズは、過去の事件で、左手の指一本以外の四肢がまったく動かなくなった究極の安楽椅子探偵リンカーン・ライムと、その助手として活躍するモデル並みの美貌とスタイルをもった婦警のアメリア・サックスが活躍するもので、毎度毎度ライムと犯人の智慧比べとどんでん返しの応酬が続くのが楽しいシリーズです。
 今回の敵は、イリュージョニストと呼ばれる魔術師です。いわゆるマジシャン、手品師と同じ事も出来ますがもっと大掛かりな大脱出やら物を消したりのトリックを使うタイプ、例えばディビッド・カパーフィールドやら、ゼロやら、引田天功、プリンセス天功などがこれらのタイプにあたります。
 そして、今回の敵の魔術師は、全てのマジックを使いこなす上に変装の達人で、現場から別人に成りすまして逃亡するのは勿論、被害者や目撃者の証言はまったく意味をなしません。また、手錠は簡単に外すし、すべてのドアはデッドボルトのものでさえ数十秒であけてしまいます。そうした特殊技能をもつ連続殺人犯に挑むライムたちのチーム。攻防は一進一退の様相を呈して、犯人を確保したと思いきや逃走され、ついにはライムの寝室にまで魔術師は現れるまで反撃をしてきます。
 ということで、ちょっとマンネリ化していたシリーズですが、今作はいい意味で設定に無理がなく緊迫感をもってストーリーが展開されます。下巻もこの調子でいってくれたら、シリーズで一番の傑作となるかも知れません。
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