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黒衣の宰相 (文春文庫)
 
 

黒衣の宰相 (文春文庫) (文庫)

火坂 雅志 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

黒衣の宰相と呼ばれた金地院崇伝は、墨染めの衣を身にまとった禅僧でありながら、徳川家康の懐刀として政治に参画した。豊臣家滅亡の切掛となった方広寺鐘銘事件を画策し、武家諸法度、禁中並公家諸法度などの基本法典を起草して徳川二百七十年の平和の礎を築き上げた希代の怪僧の生涯を描いた長篇歴史小説。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

火坂 雅志
1956年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務をへて、88年『花月秘拳行』で作家デビュー。『全宗』が話題作になるなど、時代小説の旗手として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 野望の王国, 2004/8/20
By 馬場伸一 (福岡県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
「野望の王国」という名前の熱い劇画が昔あった。主人公は暴力団組長の弟。「のし上がるためには暴力を使うしかない!」と権謀術数に邁進する。
「黒衣の宰相」の崇伝も同じ。禅寺に捨てられた没落名家の子。ただし使うのは暴力ではなく知能。そのためには禁を冒しての明国渡航すら企てる。「人から何と謗られようと、力を持たなければだめだ」という崇伝の上昇志向・権力追及は、むしろ明朗であり、爽快ですらある。
 だが、ひたすら「我がために」出世の道を邁進してきた崇伝の人生が、徳川家康との出会いによって、激しく転換する。家康は崇伝に命令する。
「幕府を作れ」…もちろん「家康に将軍宣下が下りるように調停工作をせよ」ということなのだが、野心家・崇伝にとっては目の眩むような魅力的な仕事である。そして家康とともに幕府づくりを進めるうちに崇伝の人生は大きく変質する。いつしか、彼は徳川幕府と自分を一体化して感じるようになる。大阪冬の陣を引き起こすための「インネンづけ」である方広寺の鐘銘事件では、崇伝という個性が悪名を一身に背負うことで徳川幕府へのダメージを軽減している。また各種諸法度を起草し、新たな規制に不満な人々の憎悪を一身に受けたのも崇伝である。そこには、自己の名声を犠牲にして顧みない崇伝がいる。
崇伝が権力の座にあったときですら、「大欲山気根院潜山悪国師」など、悪口の言われ邦題であった。崇伝ほど頭の良い人間であれば、世間の評判良く生きるということはそう難しいことではなかったはずである。それをあえてしなかった「黒衣の宰相」の一代記である。読んで損はない。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 飽くなき野望, 2005/12/2
By 若村さき (神奈川県川崎市) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
金地院崇伝という人物を、バイタリティあふれる僧として、魅力的に描いています。より大きな権力を求め、手段を選ばず行動する彼を、同時代の清貧の僧沢庵と絡め、対比的に書いているところも心にくい構成です。
権力をにぎり、政治を動かすのも、この世に平和をもたらすためだとすれば、彼の生き方もまた仏教者といえるのかもしれない、という気持ちにすらなります。そんな哲学的な話のほかに、紀香という女性をめぐる葛藤など、読み応え十分な時代小説です。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 野望のままに生きる, 2004/10/1
天下に名を成す。
乱世には、誰もがその野望を持つ。
この小説の主人公「崇伝」もそうだった。

しかし、乱世は、豊臣秀吉の手によって統一されつつあった。
武で駄目なら学でいく。
日本一の学生となるべく明(中国)に渡ることにする。

”なまぐさ坊主”という呼び名を付けるなら彼ほど相応しい人物はいない。
己の野望のために僧となり、それを恥じる事なく堂々と生き抜く。
徳川家康の懐刀として、政治に介入し、謀略に参画する。
その知能の拡がりは、留まる所を知らない。

彼のライバル達もまた、強い個性を放つ。
逆の道をすすみ、聖人と呼ばれる”沢庵”。
徳川政権下で、共に張り合う”天海”。
共に愛する間でありながら、敵味方にわかれた”小宰相の局”。

大阪城落城の時、死を決意する”小宰相の局”の前に現れた崇伝。
ふたりの愛の行方はどうなるのか?

政僧:天海は、実は明智光秀?
その真偽は?

読んでいて飽きない一冊です。

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