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対岸の彼女 (文春文庫)
 
 

対岸の彼女 (文春文庫) (文庫)

by 角田 光代 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

角田 光代
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。90年『幸福な遊戯』で第9回海燕新人文学賞、96年『まどろむ夜のUFO』で第18回野間文芸新人賞、98年『ぼくはきみのおにいさん』で第13回坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で99年第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞、2000年第22回路傍の石文学賞を受賞。03年『空中庭園』で第3回婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で第132回直木賞、06年「ロック母」で第32回川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 334 pages
  • Publisher: 文藝春秋 (2007/10)
  • ISBN-10: 4167672057
  • ISBN-13: 978-4167672058
  • Release Date: 2007/10
  • Product Dimensions: 6 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.2 out of 5 stars  See all reviews (25 customer reviews)
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9 of 10 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 心の機微をすくいあげるのが、とても上手い作家だと思った, 2008/2/7
角田さんの本を初めて読んだ。
正直「○○賞受賞作品」とか、そういうものを軽くバカにしていた。そういう本に限ってつまらなかったり、小難しい事をこんな繊細な気持ち誰にも分からないだろう、とばかりに書いてあったりすると思い込んでいたから。
でも、これはどちらも違った。
もしこの本を買うかどうか悩んでるとしたら「ぜひ買った方がいい」と勧めたい。

この物語は2つの視点から描かれている。

専業主婦の小夜子は公園デビューも上手く出来ず、子供を遊ばせてやれないという思いから
保育園に預けるため働き始める。
姑にはイヤミを言われ、夫にもあまり良くは思われていない。
家事をできるだけ完璧にしようと心掛けるが、それは夫にとっては「頑張ってる事」ではなく「当たり前」の事なのだと気付く。
職場の人間関係や仕事の内容に少し辟易とし「こんな思いをしてまで働いている意味ってあるのだろうか」と思いながらも、少しずつ自分がそこで働いている価値を見出していく一方で
夫には「お前がいなきゃ支障が出るような仕事でもないんだろ?」と軽んじられ、傷付く小夜子。
小夜子の目には、社長である葵は明るく自由な独身女性に映る。

もう一つの視点は高校生時代の葵。
いじめられた中学時代から逃げるように、横浜から群馬へ引っ越す。
もういじめられることのないように、目立たないよう周りに合わせ、時には卑怯に生活する。
そんな中で出会う、少し変わり者ぽいクラスメイトのナナコ。
少女時代のピュアさと複雑な感情を抱きながら2人にある出来事が起きる…

一見タイプの違う小夜子と葵は、正反対のようで分かりあう事ができ、
そしてやはり「分かりあえない」…
途中、切なさや虚しさで涙が出た。
この物語の展開は実際に読んで知った方が幸せだと思う。
ミステリやサスペンスのようなどんでん返しではないが、それに匹敵する、或いはそれ以上の展開だと思う。





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8 of 9 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars やっぱり直木賞作品。読んでみましょう。, 2007/11/8
By tao (札幌) - See all my reviews
みんな違うってことに気づかないと、出会えない。マニュアルってのは
あれしないさいとか、これが常識だって説明するだけで、違うって
感覚的にわかることを邪魔するんだと思う。
葵の中では、親しくなることは加算ではなく、喪失だった。
何故私たちは年齢を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。

なるほどなあ〜〜と思った作中の文章であります。
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16 of 20 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 専業主婦、独身キャリア・・・にこだわらず, 2007/10/26
By シロフォン - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
「どうしてこんなに人間関係に臆病になってしまったんだろう」と思うことがある。30歳を過ぎてからだ。似た気持ちを抱いた経験のあるかたならこの本は響くと思う。痛快でスカッとして元気がわくという本じゃない。静かに背中を押してくれるような・・・

単行本刊行時、「専業主婦(小夜子)と独身女社長(葵)、正反対の二人に友情は成り立つのか」みたいな本として紹介されたと記憶する。「30歳以上、独身、子どもなし」(葵がそう)といったことが注目されていた頃だから尚更、そうした印象が強く刻まれている。けれどこれは物語の基本設定に過ぎない。
「現在の小夜子の物語」「高校生の葵の物語」が交互に語られる。正反対に見える二人が実はそうではないと次第にわかってくる。いじめの経験を引きずる高校生の葵に、現在の陽気な女社長の面影はない。一体今の彼女とどうつながるのだ?という興味で高校生部分を読む。それが徐々に悲しく、切実で痛いほど胸に染みる展開を見せていく・・ここに登場するナナコという友達が実に印象的だ。
本書の中に胸を刺されるような、胃が重たくなるような箇所を見つける女性は少なくないだろう。だがどちらか一方でなく、小夜子、葵それぞれに自分と重なる部分を見るのではないか。つまり、専業主婦/独身キャリア女性といったわかりやすい対立構造を借りつつ、二人の女性を通して、この年代に共通する心理−迷いや不安、停滞感や孤立感−をより深く描いているのではと思う。だからこそ、本書の中に見出せる希望も二倍、いやそれ以上になるのじゃなかろうか。

『対岸の彼女』というタイトル。当然対極にある二人を意味するものだと思っていた。でもそれだけではなかった。読了後、このタイトルがしみじみとした感慨と共に胸に迫るはずだ。
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5.0 out of 5 stars 甘くて切ない
面白かったです。
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