本書に収録された6つの短編も、連綿と続くその伝奇ロマンの一片。鬼や死霊、生霊などさまざまな「ものの怪」が登場するが、彼らがものの怪であることには、それなりの理由があるのだ。人間をたばかり、殺すことだけが彼らの目的ではない。この世に「怨み」があるから、ものの怪は存在するのである。
安倍晴明は、そんな彼らを退治することはしない。ものの怪の存在理由を明確にし、彼ら自身を納得させるのである。派手な活劇は登場しない。「蟇」では、我が子を殺された両親の怨みを、「鬼のみちゆき」では、男に捨てられた女の怨みを、晴明はじっくりと聞く。そして彼らの怨念を解きほぐしてやるのだ。
決しておどろおどろしいストーリーではない。むしろ、知らず知らずのうちに「怨み」を生んでしまう人間の哀しさが、一編一編の話からにじみ出ている。陰鬱(いんうつ)でもない。各話中で交わされる、晴明と博雅の会話が実にひょうひょうとしていて、ときにおかしさを物語に添えているのだ。
哀しさとおかしさの真ん中で、安倍晴明が涼やかに平安の人間と闇とを見つめている。(文月 達)
Product Details
Would you like to update product info or give feedback on images?
|
![]() |
69% buy the item featured on this page: 陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫) ¥ 570 |
![]() |
9% buy 陰陽師 太極ノ巻 (文春文庫) ¥ 530 |
![]() |
8% buy 陰陽師―飛天ノ巻 (文春文庫) ¥ 480 |
![]() |
7% buy 陰陽師 龍笛ノ巻 (文春文庫) ¥ 530 |
Tags Customers Associate with This Product(What's this?)Click on a tag to find related items, discussions, and people.
|
|
After viewing product detail pages or search results, look here to find an easy way to navigate back to pages you are interested in. |