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歳月のはしご (文春文庫)
 
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歳月のはしご (文春文庫) (文庫)

by アン タイラー (著), Anne Tyler (原著), 中野 恵津子 (翻訳)
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Product Description

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   家庭のなかでなんとなく心が満たされない中年女性が、ある日はっきりとした理由もなく家出をし、見知らぬ土地でひとり新しい生活を築いていく姿を描いた作品。決して深刻な内容ではなく、ストーリーは上品で軽やかなユーモアに包まれていて、むしろ笑わせてくれるくらいである。著者は1941年ミネソタ州生まれ。1988年に『ブリージング・レッスン』でピューリッツァー賞を受賞。本書はタイム誌の1995年度フィクション・ベスト5のひとつに選ばれている。

   40歳の主婦ディーリア・グリンステッドは、家族が自分の存在を疎ましいと思っているように感じていた。何も不自由のない日常生活のなかで、しかし鬱屈していったディーリアは、家族で海水浴に出かけたとき、そのままふらっと家出をしてしまう。そして初めての町ベイバラに降り立つと、自力で新しい生活を築き、友だちの輪をつくりあげていく。

   赤の他人とはうまくいくのに、本当の家族とはうまくいかないというのは、アン・タイラー作品で繰り返されるテーマのひとつである。後半、彼女は自分の家庭へと戻ってくる。まるで何事もなかったかのように、いつもの日常の雑踏に溶け込んでいくディーリア。家出をしたのはちょっとの間、家庭を離れ生活をリセットしてみたかっただけなのだろう。そして物語は唐突過ぎるくらいにあっさりと終わってしまう。まるで、ディーリアの行動を安易に結論付けするのを避けるかのように。だがそのおかげで、この本は大人のメルヘンとして、読み終わったあともその余韻を楽しむことができるだろう。(文月 達)



出版社/著者からの内容紹介

子供三人、四十歳、幸せなのに満たされない主婦が、突然見知らぬ町へ旅に出た──。九五年度タイム誌ベストブック、待望の文庫化

Product Details

  • 文庫: 543 pages
  • Publisher: 文藝春秋 (2001/08)
  • ISBN-10: 4167527839
  • ISBN-13: 978-4167527839
  • Release Date: 2001/08
  • Product Dimensions: 6 x 4.2 x 1 inches
  • Average Customer Review: 4.8 out of 5 stars  See all reviews (5 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #247,165 in 本 (See Bestsellers in 本)

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9 of 10 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars アン・タイラーにはまってみませんか, 2002/11/19
アン・タイラーの作品はどれも本当に素晴らしい。この作品も日常に飽き飽きしたアメリカのごく普通のオバサンが家出するお話ということで、男性読者としては初め手にとることが躊躇されたものの、読み始めたら一気にページをめくってしまった。

プロットがどうとか、テーマがどうとかいう問題ではなく、アン・タイラーの素晴らしさはストーリー・テリングのずば抜けた巧さにある。

したがってどの作品を読んでも、日本の作家でいえば村上春樹のように「読みやすいけれど、どの話も何だかおんなじ感じ」を受けるかもしれない(ただし村上ほど自意識というか自分へのこだわりみたいなものは殆どない・・・むしろアン・タイラーは慈愛に満ちた冷静な観察者である)。胸を抉るような深さはなくとも、実に微妙な、それでいて誰もが共感できるような心に残るシーンが次々と絶妙の語り口によって繰り出され、読み終えた後にはいつもなんともいえない充足感に満たされるのである。
彼女の作品からは、(飛躍が過ぎるかもしれないが)スペインの宮廷画家ベラスケスが描いた、宮廷に仕える者や一般市民といった人物画が感じさせる、「普通の」人間への計り知れない愛情のようなものを感じるのである。

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3 of 3 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ふっと、人生を振り返る瞬間, 2004/1/16
~本作では人生を「はしご」にたとえています。生きるとは、「歳月のはしごをのぼること」。でも、もくもくとのぼっていたはしごが、ほんとうは自分ののぼりたかったものではないと気づいたら、、、 主人公ディーリアは、ひょいと隣の「はしご」に飛び移ってしまうのです。
~~
だれでも人生をリセットしたいと思うことがあると思います。なに不自由なく生きてきたのに、とりたてて不満があるわけでも、大きな挫折を経験したわけでもないのに、それでもほかに人生があったのではないかと思ってしまうことが。タイラーは、リセットしてしまった本人と、それに振り回される家族とを、優しい目で描いています。彼女のいつものペーソスたぷ~~りで。~
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4 of 5 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 私だけじゃない, 2002/12/26
主人公のディーリアは子育てもひと段落した40歳の主婦。ふと、日常の中の自分の存在感に疑問を感じてフラリと家出をする。新しい街で人々の中にいつの間にか溶け込んでいくディーリアの様子がさりげなく描かれている。人のつながりってこうしてできていくんだな、彼女の気負いのなさが私を勇気付けてくれる。私は独身で、自分に迷いを感じているときにこの本を読んで、主婦であろうとなかろうと、もちろん男性でも自分の存在感に何かしら違和感を感じる時があるとわかって少し安心したような、そしてそれに素直に向き合うことの勇気をもらった貴重な一冊です。登場人物の会話に考えさせられたり、物語としても上質だと思います。
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