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妻と私・幼年時代 (文春文庫)
 
 

妻と私・幼年時代 (文春文庫) (文庫)

江藤 淳 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

夫人のガン発覚から死までを克明に描き、夫婦、ガン告知、生と死とは何かを問うた感動の手記「妻と私」に、絶筆「幼年時代」を併録

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5つ星のうち 5.0 江藤淳の最高作, 2007/4/20
By 古本屋A (Japan) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
掲題通りの評価である。最も親密な者が永遠に去っていく「時」を描いた作品。小説とか、ノンフィクションとか、エセーとかいうようなカテゴリーが無意味になるほどに読者は、その気持ちを「体験」してしまう。
死んでいくことを予感しながら静かに一時一時を大切に過ごす時間が、切なくも「甘美」で懐かしい。そしてそれは恐ろしくも「幸せ」なのだ。だが同時に一瞬が戦いであり苛烈に過ぎる。全てが一段落した後、ふとポケットに手をやると妻の「指輪」が出てくる。物凄くむかしの懐かしいような感覚が走るとともに、著者ははじめて無闇に落涙する。読んでいて悲しいが、どこか、「普段」へ帰ってきた安堵感さえ過ぎる。本書は、まさにそうだ、としか思えない一編である。興味深いのは、石原、吉本、福田の3人がエセーを寄せているが、同じ出来事(江藤の死)でも感じ方がいろいろあるのだなあ、ということだ。石原のエセーが或る意味一番自然で腑に落ちる一方、吉本のそれは、やや唐突な気もしたが、暫くするとそれはそれで、腑に落ちていくのだ。数多ある批評や発言で、何かしら横柄で不快感の残る江藤淳だったが、忘れられない作家になった。
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 生きることの痛刻, 2002/9/25
By fukuyan - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
石原慎太郎をして「早熟」といわしめた才人江藤淳。
妻を看病しながら自分も病魔に侵されていくという
想像を絶する苦しみが描かれている。
何気ない小さな日常が破られることから始まる著者の回想は
忍び寄る病苦を恐ろしく予感させ、胸が騒ぐ。
著者が迎えた最後の悲劇を思うとき、
本書の言葉一つ一つが俄然その重みを増してくる。

「家内とはやがて別れなければならない、そのときは自分が
日常的な実務の時間に帰るときだ、と思っていたのは、
どうやら軽薄極まる早計であったらしい」
抑制の効いた言葉に見る著者の底知れぬ苦悩は、
私自身に照らしてもあまりに辛く、
できれば読まないでおきたい本だった。

しかしいつかは向き合うべき苦しみを綴る本書に
私は感謝と畏敬の念を禁じ得ない。

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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 何時もながらの真摯な筆致がなんとも切ない一篇, 2005/12/4
By 白頭 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
著者らしい真摯な筆致がなんとも切ない。
付録の追悼文で吉本隆明が手記の「隙のなさ」を指摘したあと、「この手記
について感想をのべたら、わたしは直ぐに生死の境に嘴を入れる無神経な第
三者的な野次馬の位相に陥るほかない」と述べている。なるほどと頷ける。
余りに整いすぎており、奥様の立場からの見方も聞いて見たい気もする。
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