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夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代 (文春文庫)
 
 

夢を食った男たち―「スター誕生」と歌謡曲黄金の70年代 (文春文庫) (文庫)

阿久 悠 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

70年代は歌謡曲の黄金時代だった。テレビ番組「スター誕生」は、百恵、淳子、昌子の「花の中三トリオ」をはじめ、数々のスターを産み出し、一大ムーブメントを巻き起こした。60年代後半からGSブームやピンク・レディー、小泉今日子らアイドル全盛時代を作り上げた阿久悠による同時代ドキュメント。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

阿久 悠
昭和12(1937)年、兵庫県生まれ。明治大学卒業。広告代理店勤務を経て、作詞、小説、エッセイなどの執筆活動に。尾崎紀世彦「また逢う日まで」、ピンク・レディー「UFO」、森昌子「せんせい」など数々のヒット曲を作詞し、「日本レコード大賞」「日本歌謡大賞」「日本作詩大賞」など多数受賞。平成19(2007)年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 4.0 いつまでも歌い継がれる“詞”, 2009/1/10
93年毎日新聞社から単行本として刊行された作品の文庫版。60年代のGSブーム、スター誕生の誕生から全盛期に至るまでを、当事者である阿久悠自身の視点で描いたドキュメント。アイドルの卵がスター誕生に出演、その後脚光を浴びるまでの彼と彼女達のかかわりなどを、彼女達の若かりし頃を思い出しながら懐かしく読むことができた。

しかし、全編を通じてもっとも印象に残ったのは、そういったことではなく、阿久悠のもつ暗さ、言いかえれば負のエネルギーだった。

阿久悠は、間違いなく昭和を代表する大作詞家の一人だ。そして彼は芸能界において“権力”を持ち得た人物の一人のはずだ。だが、この作品の行間から漂ってくる匂いは、認められたいと思い続けながらも果たせず不満や鬱屈を抱えたままの売れない作詞家のそれだ。彼が時代の寵児となったときを描いた部分でさえ、その匂いは文章や行間から消えることはなかった。

印象的な箇所があった。彼は70年代前半に“その気になって”から3年連続でレコード対象の作詞賞の受賞を逃してしまったのだが、一年目の受賞者である「なかにし礼」についてはその仕事ぶりを認め、しょうがないと諦めるのだが、二、三年目の受賞者に対しては名前と曲名だけは挙げるもののコメントはまったくしていない(p214)。

真意はわからないが、わたしはそれを単純な阿久悠の負けず嫌いからでなく、“なんでこの詞にオレの詞が負けたんだ(負けなければいけないんだ)”という鬱屈した不満がこの作品の執筆時に甦り(もしかしたら20年間忘れることなかったのかもしれないが)、こういった文章を書かせたのだと解釈した。

才能を持ち、芸能界で輝きを放つ人物は多くいても、その輝きを持続できるのは選ばれたほんの一握りの人物だけだ。阿久悠は間違いないその一人だが、その源泉となったのは才能だけではなく、この負のエネルギーだったのかもしれない。
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5つ星のうち 4.0 阿久悠ならではの当事者ドキュメント, 2007/12/4
 章立ては時系列ではないが、GSブームから、ナベプロ・日テレ戦争、スター誕生の時代、ピンク・レディーブームまでを、“主観のドキュメント”、“ワン・カメラのドキュメントとして書いたもの”。まさに“ナベプロ帝国斜陽化以降の歌謡界をワンカメで押さえることが出来るのはこの人だけ”っていう阿久悠ならではの当事者ドキュメントである。
 1992年夏、バルセロナ・オリンピックでアイドルとなった岩崎恭子と、かつてのアイドルで当時統一教会の広告塔として叩かれまくっっていた桜田淳子の対比が導入部となっている。あの時点からですら、すでに15年近くが経過していることに唖然とし、“歌謡曲の時代”あるいは“昭和”というものがすでにとっくに終焉を迎えた存在であることにあらためて気付かされる。
 阿久悠は書く。「1970年代には、まだサクセスという言葉が、光り輝く幻想としてあった」「1980年代も半ばを過ぎると、サクセスは幻想でなくなり、計画にすぎなくなる」。確かにその通りだろう。現在がその延長線上にあることも。ただ、サクセス幻想とかヒーロー願望は人々の心の底に燻ぶっていて、オウムとかヒルズ族とか、歪んだ形で表出する。大体、大衆から分衆、小衆の時代、あるいは大きな物語から小さな物語の時代なんて言うけど、ほんとに、そんな進化論的に、時代は変節したんだろうか。特に、それはGSもスタ誕もPLも知らない平成の子供たちに問いかけてみたいし、そういうことでは「懐かしむつもりはない。情熱とか狂気とかが、何故か日常的に存在し、それが夢につながっていた時代は、検証の価値がある」という本書の意味は、初版出版後10数年経った今でも変わらないのかもしれない。
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3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 1970年代の歌謡界を知るためには必須と言えるようなエピソードが満載, 2009/5/16
By sasabon - レビューをすべて見る
(TOP 10 REVIEWER)   
生涯に5000曲ほどの素晴らしい詩を綴ってきた阿久悠氏の残した自伝のような歌謡曲史であり、昭和に花開いた歌謡曲の黄金時代を見据えた世相史でした。業績の素晴らしさとは別に、その裏にある屈折した思いや売れなかった頃の悔しさが見え隠れしました。数多くの大賞受賞の作詞家と言えども苦節の時代を乗り越えてきたわけですから。
阿久氏の作詞家生活を読み通すことで、歌謡曲が国民に愛され、日常の大きな話題に成り得ていた70年代の熱狂ぶりを追体験できるようになっています。

特に日本テレビ番組の「スター誕生」にかける思いは強烈で、第3章の「スター誕生の時代」で創成期の苦労話が展開してありますし、第4章の「ピンクのモンスター」という章で展開しているピンク・レディーを育てながら、時代を動かすような大きなうねりを作り出した共同作業が赤裸々に綴られています。
第5章の「GSの旗の下に」でのGSブームとの関わりの中で登場するグループとメンバーはあの時代を知る者として懐かしいものでした。
第6章の「鎮魂歌を歌わないために」では、1966年6月のビートルズ来日公演への屈折した思いや、沢田研二の一連のヒット曲の思い出など、興味深い話が並んでいます。勝負曲であった筒美京平作曲によるズーニーブーの「ひとりの悲しみ」が売れなかったため詩を書きなおして、尾崎紀世彦の「また逢う日まで」になったエピソードもまた有名ですし、ヒット曲の運命というものを知ることになります。

本書は1993年6月に毎日新聞社から同名の単行本として出版され、1997年8月に道草文庫となり、氏が鬼籍に入られた後に文春文庫から再発売されたものです。
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投稿日: 1か月前 投稿者: 街道を行く

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