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ホワイト・ジャズ (文春文庫)
 
 

ホワイト・ジャズ (文春文庫) (文庫)

by ジェイムズ エルロイ (著), James Ellroy (原著), 佐々田 雅子 (翻訳)
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Product Description

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少年時代に母親を何者かに殺され、その後酒とドラッグに溺れた日々を送ったという特異な経歴のジェイムズ・エルロイ。本書は彼の「暗黒のLA四部作」の最後を飾る作品である。1950年代のロサンゼルスを舞台に、悪徳警官クラインはマフィア一家の家宅侵入事件の調査に乗り出す。暗黒街に強いコネクションを持つ彼は、事件を利用してうまい汁を吸おうとたくらむが、同僚の陰謀にはめられ破滅していく、というストーリー。登場人物全員が悪玉。警官が人を殺すのは当たり前。誰も信用できない。ヒーロー警官が活躍するハリウッド映画とは対極に位置する暗黒の世界である。
正直言って読みにくい。「バケツの汚物を壁にぶちまけた」とでも形容したくなるような文体で、暗号とも呪文とも思える言葉が全編に羅列されている。何度か読み返さないとストーリーも把握できないだろう。「暗黒街を舞台にしたミステリー」を楽しみたい人にはむしろ『ブラック・ダリア』から始まる前3作の方がお勧めである。しかし圧倒的な迫力を求めるなら断然本作である。一言で言うなら、本書のエルロイは「爆発している」。前3作で緻密なプロットと巧みなストーリー運びをものにしたエルロイは、今度はその技術を携えたまま、自らの怨念の世界にどっぷりとはまってしまった。
何がこうも彼を駆り立てるのか?その文体は、読者を彼の怨念に引きずり込もうという罠にも思える。いろいろな意味で「危険な」小説であることは間違いない。(三木秀則)


出版社/著者からの内容紹介

警察内部の暗闘に翻弄される悪徳警官クライン。狂おしく暴走する病んだ魂を悪夢のような文体で描破した異形の傑作。解説・馳星周

Product Details

  • 文庫: 683 pages
  • Publisher: 文藝春秋 (1999/03)
  • ISBN-10: 4167254395
  • ISBN-13: 978-4167254391
  • Release Date: 1999/03
  • Product Dimensions: 6 x 4.2 x 1.1 inches
  • Average Customer Review: 5.0 out of 5 stars  See all reviews (8 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #208,555 in 本 (See Bestsellers in 本)

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12 of 12 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars エルロイの狂気、ここに極まれり, 2003/8/21
読み終えて、しばらく動けなかった。
この先、こんな読後感に浸れることが再びあるだろうか?

幸運なことに「ブラックダリア」でエルロイという狂気のストーリーテラーに出会い、そこから始まる「LA4部作」で綴られてきた荒みきった欲望のドラマとリアルタイムで対峙することができた。
幸運なことに、だ。

鈍感だったのか、最初のうちは、少し特殊な背景を持つ作家くらいにしか認識していなかった。「ブラック~」を読んだにも関わらず...。犯罪歴のある作家は多い。刑務所で小説を書き始めた作家だって他にもいる。むしろエドワード・バンカーのほうがリアルだ。それでも気がつけばエルロイは抜きん出た存在となっていた。

それは独特の文体に惹かれたからか? 
現実と小説が混在したよう!な母親の死の謎か?
違う。
エルロイは人間の下劣さと脆さ、強かさ、そして選れた愛おしさを、自在に操り、無邪気な子供が様々な色の絵具で落書きを楽しむかのように描いていく。
キャンバスは一見、出口の無い複雑な迷路のようにも見える。

私はその迷路にはまり込み、狂気の道先案内人に手招きされ、何年!、そう何年もかけてようやく出口まで辿り付いたのだ。
そしてその出口で、これからどうしていいのかわからずにただ佇んでいる。

この先、こんな読後感に浸れることが再びあるだろうか?

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3 of 3 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 言葉のジャブが少しずつダメージを蓄積させる, 2004/8/27
たまらない
例によって最初にやられたのはその文体で、いったい何が起こっているのか分からず、内容もつかみにくく、なんだこりゃ?と思いながら、気がつくと何章も読み進めている・・・。止まらなくなる・・・・。

ばらばらにちりばめられた言葉が寄り集まり、少しずつ流れが出来始め、自分もその世界にほうり投げられている。火薬の匂い、街のざわめき、立ちこめる不安、暴力と血の気配を共有する。ひとつの岩が次第に彫刻を施されそこに無かったものに変貌してくのを見るように、小説も次第に形を見せ始める。そして、読み終わった後、自分が体験した様々のものが一体なんだったのかうまく理解できないまま、不思議な感情の波が起こっているのを実感する。直接的な描写ではない、文体・小説のトーン・内容、全てが絡まって、直接書かれないある種の感情が浮き彫りになって行く過程は、ぞくぞくするくらい刺激的だった。

この体験を言葉にするのは難しい。何度も、「ああ、たまらない!」という言葉を反すうしている自分に気がついた。
たまらない
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5 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 語りなおされるシチュエーションたち, 2005/5/16
 LA4部作を読了し、ホワイト・ジャズの読み返しにかかっています。
 ホワイト・ジャズは、ビッグ・ノーウェアでのバズ・ミークスの物語の語りなおしであると同時に、どこか似たシチュエーションに置かれたキャラクターたちに、再度遭遇することもできます(もちろん、LA4部作の作品間を貫く同名のキャラクターも複数登場するわけですが。。。)。
 ただ視点は、一人称に変化し、たたみかけるような表現によって、焦燥感はいやましています。読みにくさは文体というより、名前だけでも伝わるはずのアメリカ社会のエスニシティーに、日本人である我々が疎いから、ということもあろうかと思い、ニュアンスの把握という点では、少し悔しい気もいたします。
 汚れきった男の独白と描写が積み重なり、読了近く、別れの場面で「こみ上げてくるものを押さえ込みながら。。。。」とたった一行、イノセントな心情の吐露が出てくるところは、まるで見えないところからパンチを食らった感じで、えらく利いてしまいました。
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