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麦屋町昼下がり (文春文庫)
 
 

麦屋町昼下がり (文春文庫) (文庫)

藤沢 周平 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介
藩中一、二を競いあう剣の遣い手二人が奇しき宿縁にむすばれ対峙する。男の闘いを緊密な構成と乾いた抒情でえがきだす名品四篇!


内容(「BOOK」データベースより)
不伝流の俊才剣士・片桐敬助は、藩中随一とうたわれる剣の遣い手・弓削新次郎と、奇しき宿命の糸にむすばれ対峙する。男の闘いの一部始終を緊密な構成、乾いた抒情で鮮烈に描き出す表題秀作の他、円熟期をむかえたこの作家の名品を三篇。時代小説の芳醇・多彩な味わいはこれに尽きる、と評された話題の本。

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5つ星のうち 4.0 時代小説名手の技, 2000/12/30
このレビューの作者: 麦屋町昼下がり (単行本)
時代小説の旗手であった藤沢周平が没したのは平成9年だ。彼が形作っていた「時代小説」といわれるジャンルが、彼の死によって一時代が終わったとさえいえるだろうか。山本周五郎などを筆頭に、江戸時代の市井の暮らし、武家社会の人々の機微を題材にすることによって、現代にも通じる人生の哀歌を描くという手法は、なんとも日本的なものだが、読んでいても安心が出来るものだ。「オール読物」とか「小説新潮」などでは定位置を占めていたものであり、今ももちろん時代小説は盛んだが、藤沢周平ほどに独自の世界を持ったものは少ない。

本書も藤沢周平がもっとも脂の乗りきっていたころの短編4篇を集めたものだが、どの作品にも小説としての筋立ての面白さとともに、泣かせどころ、聞かせどころを備えたほろりとさせる勘所を押さえている。

武家社会というものが、現代のサラリーマンと企業の関係のように、階層社会でありあり、その中には更に、越え難い身分制度があることなどから、下級武士の生活は即ち、今の時代のサラリーマンの悲哀と通じるものもあるのが、時代小説の人気を支えている背景かとも思う。

表題の作品は、舅に追われる女性を救おうとしてその舅を切り殺してしまった剣士が主人公だ。その舅に追われていた女性には、不義密通を働いていたという噂があり、それに怒った舅がその女性を追っていた可能性が出てくる。舅の息子、即ち、追われていた女性の夫は、藩内随一の剣の使い手と名高い男で、近く江戸詰めから戻ってきたら、父の仇を討とうとしているかもしれないという噂がひろまる。こういった、背景の中に、可憐に見える女性が実は密通をしていたのかどうか、そうだとすると、殺すべきでない男を殺してしまったのではないかと煩悶する主人公、この事件の結末を好奇の目で見る藩内の人々といった状況が描写され、物語を盛り上げる。主人公は剣の腕を磨こうと必至になり、ある時、その天才剣士との対決の時がくるのだがーーーー。

それぞれの物語に、必ず女性が登場し、そこには時代小説における恋愛感情がほのかに語られる。なるほど、藤沢周平の世界には未だにファンが多いことが本書でも良く理解できる。

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21 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 一挙に読ませる面白さと、読後の爽快感を持った本です, 2004/9/14
By 993改 - レビューをすべて見る
(TOP 10 REVIEWER)   
昭和62~64年にかけて雑誌に連載され好評を博した中篇4編をまとめた本ですが、何れも読切りの中篇ですので、各編の間に、「用心棒日月抄」を始めとするシリーズ物のような明確な統一性はありません。ただ、共通していえるのは、何れも、どちらかといえば負の側面を負った人々、例えば、妻同士が友人の藩士に出世競争で負けた男、今は藩の重鎮となった昔の剣友にこけにされた男らが、藩の密謀等にふれていくうちに、いつしか、彼らをこけにした人々を打ち負かしてしまうことでしょうか。そこには、不器用だけれども、愚直に生きる人々に注ぐ著者の暖かい眼差しがあります。また、男たちが密謀にふれていくあたりの展開も、著者の素晴らしい筆致で描かれていますので、ぐいぐい読める面白さと共に、最後のどんでん返しに爽快感も味わえる本です。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 素晴らしい決闘シーン、藤沢文学の最高峰, 2002/5/15
By yukkie (東京都) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
 いささか逆説めいていますが、この4篇の短編集は、藤沢文学にはあまり見られない特徴があります。それは「ドライな決闘場面」といえるものです。

 藤沢文学は、私なりに解釈すれば、日本人の深い情感をあますところなく描いた、いわばウェットなものだと感じています。

 したがってこの4篇のドライな感覚は読んでいて驚くと同時に、今までにない小気味良さというものまで感じてしまいます。しかし最後に読み手の心をぐっと、ぐぐっとひきつけるあたりは、さすがに藤沢周平ですね。

 昔、ゲーリー・クーパー主演の名作西部劇「真昼の決闘」というのがありました。決闘の様子を非情に刻々と描き、見る人の心を緊張させたものでした。私見によれば、「麦屋町昼下り」は、藤沢版「真昼の決闘」です。推薦。

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私の好きな「これぞ武士、これぞ時代劇!」という短編4作。

■ 「麦屋町昼下がり」... 続きを読む
投稿日: 2007/3/19 投稿者: rock-c

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投稿日: 2005/3/22 投稿者: roughblue

5つ星のうち 5.0 素晴らしい決闘シーン、藤沢文学の最高峰
 いささか逆説めいていますが、この4篇の短編集は、藤沢文学にはあまり見られない特徴があります。それは「ドライな決闘場面」といえるものです。... 続きを読む
投稿日: 2002/5/7 投稿者: yukkie

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