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天皇と東大 大日本帝国の生と死 上
 
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天皇と東大 大日本帝国の生と死 上 (単行本)

立花 隆 (著)
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

日本近代史の最大の役者は天皇であり、その中心舞台は東大だった。明治・大正・昭和を、「天皇」と「東大」という視点で解読したノンフィクション。上巻は明治建国から血盟団事件まで。『文芸春秋』連載を単行本化。

登録情報

  • 単行本: 782ページ
  • 出版社: 文藝春秋; TBH版 (2005/12/10)
  • ISBN-10: 4163674403
  • ISBN-13: 978-4163674407
  • 発売日: 2005/12/10
  • 商品の寸法: 19.2 x 14 x 4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 東大は天皇を通じて国体を理論づけた。だから「天皇と東大」, 2007/9/10
本書は、東大内外の天皇機関説と天皇主権説の対立を通じ、なぜ戦前の立憲主義体制が軍国主義に転換してしまったのかが描かれている二冊である。

天皇機関説は「明治憲法秩序における天皇の位置づけ」という形を通じて、立憲主義体制の理論的背景になっていた。言い換えれば、戦前の社会体制は、東大の学者が天皇の地位を理論づけることで成立していたことになる。そのため、右翼が国家体制を転換させるには、天皇機関説を破壊しておく必要があった。右翼は立憲主義者をアカ呼ばわりすることで、天皇機関説を破壊し、軍国主義への転換に成功したのである。

戦前の日本政治思想は、愛国主義(右翼)・立憲主義(保守)・共産主義(左翼)と分類できる。右翼と左翼は現行体制(保守)を革命により潰そうとしていたのである。1930年代の立憲主義から軍国主義への転換は、この右翼による革命を意味する。戦後社会では保守主義が愛国主義にかわって右翼と呼ばれるようになったが、21世紀に入った頃から愛国主義が蘇ったことにより、再び保守主義が愛国主義にのっとられそうな情勢である。日本共産党を批判し「左翼の敵」と呼ばれてきた立花隆氏を左翼扱いする風潮はその現れではなかろうか。

立花氏の著作といえば、莫大な資料にあたってそれをまとめあげることで、一定の視点を読者に提供してくれる点で評判が高い。近年、科学技術の分野で疑問の残る本を出してきたが(いくら興味があっても、資料をまとめあげる形では優れた文章にならない分野だからだろう)、本作は彼の執筆活動に適合しており、優れた文献である。

ただ「東大法学部が天皇論を通じて国体を形成してきた」という戦前の歴史を踏まえる上で、脱線した部分が目立ったように思う。その話自体は面白かったのだが、一冊の本として読むと散漫な感じがしてならない。特に経済学部の話については、法学部に影響を与えた部分に留め、別の本にすべきではなかっただろうか。
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42 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 右翼を軸に近現代史を読み直す, 2006/1/22
明治・大正・昭和前期までの日本の近現代史を主に「東大」を舞台に解読した歴史ノンフィクションである。著者の問題意識は、「はしがき」の次の文章によく表わされている。

《私は一九四〇年生まれで、終戦時五歳。北京在留の日本人一家として、終戦とともに引き揚げのための苦難の大旅行を敢行させられた世代である。(略)そういう世代であったればこそ、私は子供のときから、日本はどうしてこんな国になってしまったのか、なぜこんな大失敗をしてしまったのかを、最大の疑問として生きてきた。(略)本書は、私以上に歴史を知らなすぎる世代に対して、もう少し、現代日本の成り立ちを知っておけよというメッセージをこめて書いた本である》

ひとつ一つの事件に関しては他の成書をあたったほうが、わかりやすいような気もするが、一次資料からの引用を縦横に駆使して、これだけのボリュームで一書に纏め上げられるとやはり大変な迫力である。

読みどころは二つある。一つは当時の日本の右翼運動の盛衰を詳細に記述していることだ。戦前の右翼運動を精査するうち、著者は《あの時代は、後世の我々が考えている以上に右翼的、国粋主義的であった》(下巻638ページ)と感じている。《一般国民のほとんどが、いまでは極端な右翼的見解としか思えないことを、みんな本当に信じきっていたらしいのである。》もう一つは、断続と継続というテーマである。歴史においては今日の勝者が明日の敗者となり、また逆も起こる。具体的な人物の具体的な事例とともにこの真実が語られると、感慨を催さずにはいられない。

上下巻注も含めると1500ページにおよぶ大著であるが、「文藝春秋」連載をまとめたものなので章ごとの区切りをうまく使えば、どんどん読める。大学生ぐらいの若い読者に読んでほしいが、本書を面白く読めるのはある程度予備知識を持った中高年の読者のような気がする。
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33 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 オモシロ過ぎるのが問題なくらいオモシロい, 2006/1/10
表面上は、いわば多士済々の東大三国志。
上巻では、東大の中の東大ともいうべき法学部を中心に、天皇主権説の上杉慎吉VS.天皇機関説の美濃部達吉の一騎打ち。
下巻では(その美濃部が時代のうねりの中で国粋主義者に攻撃され退場し)、経済学部を主舞台に、マルキスト大内兵衛、国策賛美の土方成美、社会民主主義の河合栄治郎の三派が繰り広げた文字通り合従連衡の攻防が綴られる。
章ごとに登場する脇役も多彩、逸話も豊富で、あんまりオモシロ過ぎて、提起された問題の重要性を忘れるほどだ。
だが本書の本質は、天皇という存在を国の中心に据えた近代日本の宿命を、なぜその宿命をよびよせてしまったかという回答のヒントを日本最初の帝国大学に求めた意欲作である。表面上のオモシロさを超えて、残る読後感は、重い。
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5つ星のうち 3.0 確かに労作ですが・・・・・
労作であることは文句なく認める.膨大な一次資料を駆使し,それをまとめて一つのストーリーにしてゆくという手法の冴えはさすがといえる.扱っている題材も興味深いし,ス... 続きを読む
投稿日: 2006/2/5 投稿者: Lady Clare

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