出版社/著者からの内容紹介
友人を我が家に招いたら、簡単だけどオシャレな料理でアッといわせたい。きれいな写真とほのぼのエッセイで洗練された暮らしを公開
著者は語学力を買われ海外出張も数多くこなす三十代のキャリアウーマン。仕事以外に家事、育児と目の回るような日々を送っています。そんな中で、いかに手早く美味しく、しかもオシャレに作るかを研究してきた彼女の料理は評判を呼び、ついには次々と料理本を出すことに。本書は選りすぐりのレシピと、その料理に合うお酒や音楽をトータルに提案。ほのぼのとした癒しのエッセイと共に、美しい写真を織り交ぜて紹介していきます。読後、レシピを全部試したくなること請け合いです。(IC)
【本文より】
数年前の8月、イタリアの友人・マックスを訪れた際に「リッチ・バカンス体験ツアー」と「プアー・バカンス体験ツアー」に行くことになりました。
「プアー・バカンス」は、まず食材・道具集めから始まります。パン屋さんにパンを、肉屋さんにサラミを買いに行き、マックスのアパートからパラソル、水着、タオルと冷えた白ワイン、冷蔵庫にころがっていたいちじくを集めカバンにつめます。町営のフェリーで島に着いたら自分たちのポジションを確保し、パラソルを立て、持ってきた本を読みながらひとしきりボーッとしたらお昼のサンドイッチを作ります。周りを観察してみると、具がチーズかサラミかという差はありそうなもののその他は同じ。唯一の違いは親子か恋人同士か老夫婦かといったくらいです。隣に座っていた50歳くらいの夫婦は「お金はないからサルディーニャやシチリアには行けないけど、毎年8月の3週間は毎日毎日こうして家からやって来るんだ」と言います。「よく飽きないなあ」と感心していると、彼は「人生は砂時計のようなものさ(LIFE IS LIKE A SANDGLASS)。時々ストップして砂時計をひっくり返さないと時間というのはスムーズに流れなくなるものなんだよ」と言います。イタリア人は深いねえと、思うのもつかの間、今度はみんなが示し合わせたように夜7時のフェリーでラ・スペツィアに帰る準備を始めます。船に乗り込むと、いかにもイタリア人らしい太った明るいおばさんが「あらあらあら! あなたってば日本人?? 日本人がこの島に来たのも、このフェリーに乗ったのも見たことないわ! この島の周りはもっときれいなのよ。見せてあげなくちゃ」と、いきなり船長さんの所に走っていきます。「ちょっとあんた。この子の為に島をグルーッと一周してあげてちょうだい」とプルプル気持ちよさそうな二の腕を振り回して言っているようです。「え! え!」と驚く私に、なぜかお客さんが「ブラボー!」と拍手。かくして突然航路変更。島ひと巡りつきのバカンスになりました。
さて、次の日は「リッチ・バカンス」。今度はマックスのプライベート・ヨットに乗り、プライベート・ビーチに向かうのです。このツアーにふさわしいマックスのリッチフレンドもいっしょです。海風に吹かれながら「これも素敵だわあ」と思うのもつかの間、ボートを停泊させようと思ったらリッチはプアーよりずっと働かなくてはいけません。見ているだけでもヨットの操作は大変そうです。やっと着いた所は「リッチ版・海の家」です。パラソルを借りるにも「海の家」にお金を払わなくてはなりません。一杯のワインで、一本のフラスカティが買えそうです。もちろんそこはリッチフレンドが払ってくれるので心配することはないのですが「これではたくさんお金をかけても、やっていることは全く同じではないか」と思ってしまいます。
どちらのバカンスも素敵でしたが、一つだけ言えることは「プアー・バカンス」のほうが周りの人がいろいろと話しかけてくれて楽しかったということです。 「リッチ・バカンス」は、みなさんプライバシーを大事にするため何の交流もなく終わってしまいました。
夏、イタリアに行って「思ったより、静かな国だなあ」と誤解されたみなさん。海辺に行ってみてください。リッチもプアーもみーんな海辺でトドのように寝ています。
内容(「BOOK」データベースより)
簡単だけど、とびきりオシャレ。忙しくて時間の足りない女性たちに評判の料理エッセイ集。