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環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態
 
 

環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態 (単行本)

ビョルン・ロンボルグ (著), 山形 浩生 (翻訳)
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (23件のカスタマーレビュー)
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 『The Skeptical Environmentalist』の主張はこうだ。オゾン層に開いたホール(穴)は回復しつつある。アマゾンの森林は人類が誕生してからわずか14%しか減少していない。今後50年の間に絶滅する生物種はわずか0.7%である。それまでに貧困にあえぐ人々ですらより裕福になる。物事は決して十分に良い方向には動いていないとしても、私たちが教え込まれているよりも、はるかに良い方向に向かっている。――ロンボルグは、統計学の教授であり、元グリーンピースのメンバーだ。著者は、地球滅亡の危機説に繰り返し用いられているデータが、複雑すぎるうえに混乱していて、とにかく間違った使われ方をしていると言う。だからといって本書は、決して人々に安堵感や慰めを与える読み物ではない。また、何もしなくてもよいと人々を先導するような内容でもない。

   著者は、多くの人々が利用する数値と同じものを使って説明をする。政府機関、京都サミット、グリーンピースで扱われているのと同様のデータだ。これまで素データについて詳しく論議がされる機会はあまりなかっただろう。たとえば歴史的背景、算出方式、長所および弱点などについてだ。またロンボルグは、人類および環境危機に対して私達が持つ認識は、最新の科学や環境機関、メディアによって人為的に作られたものだと断言する。高まる人々の絶望感に対して責任を負うべき者はいないが、私達が知らされる情報に対しては責任を負うべき者はいるはずだ。真のリスクは何か、それに対して何ができるのかを知る必要があるのだ。(京都会議? これはよくない事例だろう)。それにはまず、優先順位をつけることだ。(30ペンスでオーガニック・バジルを買うのか? それとも冷たくてきれいな水をシエラレオネで買うのか?)。まだまだ手立てを講じる余地はあるのだ。パニックからは何も生まれない。

   本書は、環境で話し合われている議題を見直すべきだと主張した『Silent Spring』 (邦題『沈黙の春』)の現代版ともいえる。子ども達のためにも、大人達は我々が住む世界がどのようなものかを理解しなくてはならない。これは必読の1冊なのだ。(Simon Ings, Amazon.co.uk)
--このレビューは、同タイトルのペーパーバックのレビューから転載されています。



日経BP企画

環境危機をあおってはいけない
資源の枯渇や食糧不足など、これまでの環境問題の定説を豊富なデータをもとに検証し、「資源は枯渇しない」などの主張を展開している。2001年9月の発売以来、欧米で反響を呼んだ書籍の邦訳。


(日経エコロジー 2003/10/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)


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5つ星のうち 5.0 環境問題に関わる人にとっては必読, 2006/7/3
(扇情的な題名から想像されるよりも)きちんとした本でした。著者の立場を受け入れるにしろ受け入れないにしろ、環境問題に関わる人にとっては、この本は必読だと思います。

著者はデータを基に現在の環境問題における「定説」がいかにデータに基づいていないかを明らかにしていきます。しかし著者の狙いは「現状はそれほど悲観的でないから対策を講じる必要は全くない」というものでは"ありません"(それは本文中で著者自身が口を酸っぱくして強調しています)。著者は「問題の現状をきちんと把握した上で、最も有効な施策を行うべきだ」と述べています(正論だと思います)。

特に、私は以下の点でこの本には好感を持ちました。

・データ(ちゃんと元文献をたどれる←これ超重要)に基づいた主張をしている
・推論の際の論理を明示している
・リスクトレードオフ・費用対効果を念頭に措いている

以上の点は環境問題に対して建設的な議論をするためには必須なものです。この本に書いてあることの全てが正しいとは思いませんが、以上の点が守られていることにより私たちは共通の土俵で議論/反論をすることができます。共通の土俵で議論ができるようにすること、これが大事なことであり、いままでの環境論議で欠けていたことだと私は思います(データの出所が判らなければ建設的な議論のしようがないし、リスクトレードオフ・費用対効果という視点がなければ政策オプション間の比較のしようがない)。

個人的には、私は国の環境政策の末端に関わる身として、感情的な環境政策により公共のリソース(=税金)がいかに無駄遣いされているのかを目の当たりにしているため、この本でのアプローチのように「データ」に基づいたきちんとした議論というものがもう少し一般的になればいいのに(というか、ならなきゃまずいよな)と思いました。

細かい所をみればアラはあるのかもしれませんが、個人的には、膨大な資料に当たりこれだけの大著をものにした著者の努力に敬意を表したいと思います。


*翻訳はかなり良い部類だと思います。(かなり専門的な知識が必要とされる)この分野における邦訳書の一般的な翻訳のレベルを考えれば、この分量を普通に読ませてくれる本書の翻訳のレベルは(相対的には)相当高いと思います。翻訳の文体の好き嫌いは別れると思いますが、「好き嫌い」が言及されること自体がこの翻訳の上質さを表していると思います。
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84 人中、72人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 チャレンジングな良書, 2005/4/28
率直に言って良書だと思う。

環境危機を伝える言説が実は極めて恣意的に選ばれたものだったりとか、
視点を変えるだけで、ある状況から受ける印象というのは驚くほど変わる、
ということだとか、環境を巡る定番話の多くが的外れだという筆者の指摘は
多くの人にとっては驚きだろう。
本書がヨーロッパで大きな議論を巻き起こしたこともうなずける。

かといって筆者が環境保護を否定しているわけではない。
それはなにより、「地球を大事に思ってはいる」が、
「思い込みだけで行動したくはない」という筆者の姿勢に現れているし、その姿勢には好感が持てる。

例え飢餓で苦しむ人が減っているからといってゼロではない。
いたずらに人々に恐怖を植え付けるのではなく、事実に基づいて
優先順位を決め、長期的な環境管理を行うことが重要なわけで
事態が改善しているからといって安心はするな」っていう
筆者の指摘は重要だ。

700ページの大著だが、読んで損はない。

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36 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 分かりやすい英語で丁寧に、慎重に, 2005/2/17
翻訳版の評判が良くないようですが、著者の英語は、難しい用語があまり出てこず、丁寧に説明して理解を得ようとしている姿が伝わってきますので、是非原語でお読みになってください。

私は翻訳版を読んでいないので、英語版の感想のみ書かせていただきます。
一般に、環境問題の深刻さを語ることは「善」とされますから、その語り部の主張を批判すると、まるで魔女狩りのような目にあうことがしばしばあります。
しかし、事実として明確なものを一つずつ積み上げ、長期的かつ包括的な視点から物事を検証すると、「善」と思われていたものの厚みや真実味が明るみに出るのです。
そのため、著者は膨大な資料と論文を引用し、著者の思いは極力排して、終始一貫して客観的・中立的な立場から論じようとします。
必然的にボリュームは膨らみます。読むのに一月近くかかる場合もありますので覚悟してください。しかし、苦労して読むだけの価値はあります。
どちらかというとエコ礼賛派の私も、考えさせられました。
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