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大前研一が、人生をより良く生きるための武器「質問する力」を伝授した1冊。この「質問する力」とは、著者の言葉を借りれば、「政府や、マスコミや評論家の言うことをうのみにするのではなく、まず、自分の頭で考え、疑問点があればとことん追及し、自分で納得してから決断をする」力のことである。
本書によれば、多くの人々は、この「質問する力」を持たないがために憂き目にあってしまう。冒頭で語られているように、1991年から96年ぐらいまでに家やマンションを買ってしまった人はまさにその典型であると言えるだろう。大前によれば、その後の不動産価格の下落は予想できたし、政府や不動産会社、住宅情報雑誌の利害関係を知れば、決してだまされることはなかった。たとえば、「『住宅情報』を出しているリクルートというのはどういう会社なのか」、「『住宅情報』という雑誌の収支はどのようになっているのか」という質問をするだけで、随分違った読み方ができたはずだというのである。
本書では、このような調子で、1985年以降の世界の変化や、北朝鮮問題、日本国債の格付け、不良債権問題、郵政民営化、日本の英語教育など、さまざまな問題に秘められた陰のロジックを明らかにしていく。質問力に優れていたという、小渕元首相や中曽根元首相、ソニーの盛田昭夫など、政財界の有名人のエピソードも興味深い。
方法論を期待すると、期待外れかもしれないが、著者が言及したさまざまな問題について、「自分ならどんな質問をするか」を考えるだけでも良いトレーニングになる。著者の鋭い視点に触れながら、思考力を磨く良い機会となるだろう。(土井英司)
内容(「BOOK」データベースより)
1993年、「今こそ家を買え!」と政府と不動産業界は国民に勧めました。住宅金融公庫は「ゆとり返済」という当初5年間の返済額を低くするローンを売り出し、不動産業者は、「月々たった×万円で、ハイグレードなマンションがあなたのものに」と35年ローンの最初の返済額を広告にのせて購買欲をあおりました。日本には、この時期に不動産を買い、半値以下に暴落した資産を抱えてローンに苦しむ人が現在700万人もいます。この700万人の人々の不幸は避けえなかったことなのでしょうか?違います。「質問する力」があれば、購入を5年待つことができたのです。この本で人生をより良く生きるための最大の武器「質問する力」を私が伝授します。