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運命の人(四)
 
 

運命の人(四) (単行本)

山崎 豊子 (著)
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商品の説明

内容紹介

「情を通じ」。起訴状の一言がすべてを破壊した。仕事も家族も失った記者が、彷徨の末に行き着いた先とは──。待望の巨篇の完結。


内容(「BOOK」データベースより)

舞台は沖縄へ―。曲折の末、弓成は沖縄へやってきた。様々な人々に出会い、語らううちに、かつて沖縄返還取材に邁進しながら、見えていなかった沖縄の現実に直面する。再びノートとペンを手にした弓成の元に、あの密約を立証する公文書が発見されたというニュースが飛び込んできた。誇り、家族、一生を賭けるつもりだった仕事。すべてを失った男が彷徨の末、再生への道を歩き出した時、アメリカから届いた思いがけない報せが真実の扉をこじ開ける。感動の巨編、ここに完結。

登録情報

  • 単行本: 256ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/6/25)
  • ISBN-10: 4163281401
  • ISBN-13: 978-4163281407
  • 発売日: 2009/6/25
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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14 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 1〜3巻と盛り上がってきただけに・・, 2009/7/5
By DR.SHAPES (東京都某所) - レビューをすべて見る
4巻目は少し期待はずれでした。
沖縄戦の悲惨さの記述に前半が割かれていますが、これなどは別に本著以外にも既にいろいろと語られている通りで目新しさはありません。また、本を読まなくとも沖縄の旧戦地(ひめゆりの塔とか)に行ったことある人なら悲惨な歴史に接している筈です。
弓成記者の裁判で存在が問題になった、米国と日本政府の密約公文書が見つかった場面の記述も特に感動的というわけではありませんでした。
(密約が事実であったとして、弓成記者は冤罪被害者というわけではないでしょうし。)
ただ、弓成記者は霞ヶ関や永田町に出入りしてひたすらスクープと出世(将来毎朝新聞の社長候補と言われた)を追い求める謂わばエセジャーナリストから、最高裁判決後の失意と挫折感にさいなまれるなか、南国の島への逃亡と隠遁、沖縄での人々との交流を通じて、本当の意味でのジャーナリストに変わって行ったのではないか。
新聞記者はもちろん、世のジャーナリストといわれる人に自問自答してほしいテーマでもある。一流といわれる新聞社は発行部数を伸ばして利益を上げるのが使命ではないはずなのだから。
作者の伝えたかったことはそこではなかったかと思う。
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8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「運命の人」の圧巻, 2009/6/28
 2009年で一番の本になりそうです。

 沖縄戦の悲惨さについては、少しは知っていたつもりでしたが、本書では涙なしには読めませんでした。沖縄本島の住民の3分の1が死亡した事実。集団自決の状況。泣き声が洩れるため絞殺される幼児。沖縄方言が通じず日本兵にスパイ容疑で射殺される者。

第2次世界大戦のきっかけについて触れませんが、戦争中の日本の本土、また戦後の日本の発展は、少なからず沖縄の犠牲の上に成り立ってきたことは事実でしょう。
戦争中は本土決戦を遅らせるための場となりました。戦後は、日本の安全保障のためとは言いながら、日本人・沖縄県民をなめきったような米軍の傲慢さ・横柄さに耐えしのんできました。米兵は婦女暴行を繰り返し、中には小学生も被害者になってきました。

 現在の日本は、米国をはじめとした海外を相手とする貿易立国であり、米国を無視しては、国民は食べてはいけないとは思います。しかし、この沖縄の状況を知るほど、現在の日本人の米国に対する考え方や接し方が、表面的でかつ経済的な利益のみに偏っている気がしてなりません。

 最後に、主人公の弓成に目を向ければ、奥さんと再開する場面も感動的です。世間からのバッシングにも関わらず、一人の人を信じ続けた奇跡を感じました。

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5 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0 ご都合主義の沖縄, 2009/9/5
山崎豊子衰えたり、と敢えて書く。

ふとした運命のいたずらで転落していく悲劇的人物像を史実に基づいて活写する山崎文学の真骨頂は3巻をもって終わる。以降は敢えなく息切れにモードに突入したと言わざるを得ない。

4巻以降は沖縄とそこで再生する主人公弓成に焦点が当てられるが、そこに描かれているのは沖縄=戦後安保体制の負荷を背負わされた犠牲者というひどく一面的、偽善的なものだ。沖縄を本土の人々の良心を目覚めさせる手段として使うのはもう止した方がいい。仮にその構図が正しいとして、沖縄の負荷をいかに解消するかについては覚悟もないのに、したり顔で同情を寄せることを良しとする安易な理解がそうした構図を強化しているのだ。

ここで描かれるトロピカルでフィクショナルな沖縄の風景において、弓成が簡単に再生してしまうのもご都合主義の批判は免れない。女史のご高齢と伝えられる体調を考えると、これが最後の作品ということもあり得ると思う。4巻以降は山崎豊子とさえカバーに印刷されれば売れると考えた出版社側による代筆作業さえ疑う内容だった。残念。
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