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蘭陵王
 
 

蘭陵王 (単行本)

by 田中 芳樹 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

六世紀の中国。無能な皇帝の統治のもと、北斉は西に北周、南に陳、北に突厥と、三方を強敵に囲まれる内憂外患をかかえていた。後世の歴史書にその美貌と智勇を称えられる北斉の皇族、蘭陵王は、戦えば必ず勝つという活躍で傾きかけた国を必死でささえていたが、皇帝の嫉妬をかい、やがて悲劇が訪れる。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

田中 芳樹
1952年、熊本県生まれ。学習院大学大学院博士課程修了。78年、第3回幻影城新人賞を受賞しデビュー。88年、大ベストセラーとなった『銀河英雄伝説』で星雲賞長篇部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 単行本: 346 pages
  • Publisher: 文藝春秋 (2009/9/26)
  • ISBN-10: 4163279008
  • ISBN-13: 978-4163279008
  • Release Date: 2009/9/26
  • Product Dimensions: 7.6 x 5.4 x 1.1 inches
  • Average Customer Review: 4.2 out of 5 stars  See all reviews (4 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #8,895 in 本 (See Bestsellers in 本)

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14 of 16 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 実在した「蘭陵王」の物語, 2009/9/26
「蘭陵王」。
舞楽をイメージされる人も多いかと思います。
実は、6世紀中国に生きた北方の国の武将です
舞楽や管弦でこの名がついた演目は、
彼をモデルとしてつくられたものばかりです。

彼の容貌はあまりにも美しすぎました。
よって、味方からは士気が下がるほど惚れられ、
敵には心底侮られるために、わざと鬼面をつけ、戦にでたといわれています。
常勝の闘将、忠義に厚い好人物、高貴な身分(皇族)であったのにも関わらず、
時の権力者の嫉妬や政治的な圧力をうけ、若くして非業の死をとげます。

そんな“伝説”に事欠かない人物。
田中氏は他の作品中でも彼の名をだすなど、かなり気にしていた様子だから、
いつか描かないのかなあ、と思っていたらこのたび、しっかりと作品にしてきましたね。
「おお、ようやく!」と納得してしまいました。

田中氏ならではの硬派で迫力ある筆致を伴い、魅力的な物語として迫ってきます。

蘭陵王・高長恭が生きた時代は、中国史を専攻した姉にいわせれば
「戦乱のなかの戦乱。混乱のなかの混乱。血で血を洗うとはまさにこのこと」
と評するくらいの戦国期(中国の“南北朝時代”)。
まあ、中国の歴史は古代より“乱世でない時代”はほぼ皆無と
いってよいと思いますし、田中氏が描いた他の中国もの『風よ、万里を翔けよ』
『長江落日賦』などをみても、とにかく人血の嵐がすさまじい!印象を受けますが、
この本を読んでも、然りです。とくに北斉・歴代君主の「粛清」と「惰弱」ぶりは
にはあきれてしまうほど(君主とはお世辞にもいえないほど、野蛮ですなあ・・・)。
蘭陵王も、そんな皇帝に振り回され、国の内憂外患の餌食になった、まさに悲運の人
ではないでしょうか。

蘭陵王が大活躍する猛々しい戦闘シーンや、権力中枢で巻き起こる
壮絶な出来事のなかに、快活なヒロイン“月琴”との
ささやかなロマンスがなんとも素敵で、思わずのめりこみ読んでしまいました。
さりげないラブストーリーが、蘭陵王の悲劇を一層深くみせている気も・・・。

まさに“蘭の花”のように華麗なヒーロー像を際立たせる「仕掛け」を巧みに
織り交ぜながら、中国南北朝期の荒々しい歴史の一幕を伝えてくれる良書だと思います。










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12 of 19 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars 小説の蘭陵王≠史実の高長恭, 2009/9/28
舞楽の美形伝承で有名な蘭陵王・高長恭の一生を描いた小説です。

で、そんな魅力的な人物なのに、彼を題材にした小説は、いままで一冊もありませんでした。
そういう意味では、この小説は貴重なものだと思います。

……が!
この小説を読んで、蘭陵王が好きになった、蘭陵王に興味を持ったという方は、ぜひ一度ネットで検索してください。
蘭陵王の生涯を重箱の隅まで調べ尽くしたサイトさまがあります。
そして、この小説とは重ならない、以外と情けない蘭陵王の実像、彼の父・高澄の母方の従兄である段韶の、東魏・北斉トップクラスの知略と勇武、蘭陵王以上のかっこよさを知ってください。

それを見て、カッコイイ小説の蘭陵王と、へたれな真実の蘭陵王のギャップにがっかりしなかった方は、勇気出して北斉書を読んでみてください。

わたしはスーパーマンじゃないへたれで人間味溢れる蘭陵王が好きです。
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2 of 3 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 敵から見れば鬼、その仮面の下には美しき顔, 2009/10/31
By くまくま (東京都) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 隋建国の少し前、新三国時代の一角、北斉の皇族である高長恭(蘭陵王)の悲運の一生を、徐月琴という道姑を見聞者として、北斉の勃興から滅亡までと絡めて描いた作品。顔が美し過ぎて威厳を欠くので仮面をつけて戦った蘭陵王という若者が実在し、その知武によって国の運命が左右されたとまで言われた時代があったことは、素直に驚く。
 現代戦争の勝敗が兵器の優劣によって決定的に定まるのと同じように、当時は将の知と兵の勇によって勝敗が決していたのだろう。ただ自分を鍛えあげ、その力を目の前の敵にぶつける。そういった、現代には少ない一種の単純明快さが、人の心の奥底にある本質的なものをくすぐり、長く惹きつけて離さないのだと思う。
 しかし、現代と変わらないこともある。自らの権勢を求めて国の行く末も考えず、ただ足の引っ張り合いをする者たちがいる。疑心暗鬼に駆られ讒訴し、無実のものを死に追いやるものがいる。このような事例を見るにつけ、歴史は繰り返す、という言葉を苦い思いと共に引用せざるを得ない。

 蘭陵王は悲運の主人公であり、それは同情に値するものかも知れないが、良くも悪くも王でしかないとも感じた。皇帝が率先して政治を放棄し佞臣をはびこらせ、おそらくは民が苦しんでいる間も、自分たちが殺されないように息をひそめているだけだった。それは仕方のないことなのかも知れないが、正史には現れない、庶民たちの生活がどんな様子だったのかも知りたかった。
 なお、この作品では徐月琴という元気な少女を蘭陵王の側においているが、これは悲運の物語を少しでも明るくする上で、とても役立っていると思う。
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Published 5 days ago by 堀江

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