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羊の目 (単行本)

伊集院 静 (著)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介
夜鷹の女が産み捨てた男児は、闇社会を震撼させる暗殺者となった。神に祈りを捧げつつなお"親"のため人を殺し続ける男の生涯を描く

内容(「BOOK」データベースより)
沈黙の淵に身を沈めながら、唯一信じる“親”のために人を殺し続ける男。その貌は、聖者に似ていた。「主はあなたをお救いになります」「私は神を信じません」神よ、男はどこへゆこうとしているのか?神とは、救いとは伊集院文学の最高峰。

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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 親のために, 2008/3/27
昭和8年。夜鷹が産んだ一人の男児、神崎武美。
彼は浅草の侠客、浜嶋辰三の下で育てられ、
次第に日本の裏社会を代表する存在となっていく。

親のために身体を張る。
親が誰かに狙われたりしたら、その相手を殺る。
任侠の世界の掟を小さい頃に教えられた武美は、
この教えに背くことなく生きていく。

裏切りを含めた、様々な辛い出来事にも遭遇するのだが、
掟を守るという武美の軸はブレることがなく、
彼は常に親のことを第一に考え、太く、大きくなっていく。
ただ、決して曲げない信念を持った強い男でありながら、
孤独や悲哀といった寂寥感も、この男からは感じ取ることが出来る。
そして優しさも。

刑務所内やアメリカに舞台を移した話も盛り込まれ、楽しめる。
文章も読みやすい。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 もう少し説得力があれば、, 2008/5/26
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
昭和初期に生まれたある男の一生を、生い立ちに関わる周りの人物から語り、徐々に主人公に移っていくのです。ヤクザの世界に身を置く主人公に、とても胆(タンとかキモとか、つまり度胸のある)のある男の。

物語は連作短編の形で、それぞれの章にそれぞれ主人公に近しい人物の主観で、いかに主人公が凄い男かを表現していきます。物語としては、それなりに楽しめました。が、どちらかというと、不満が残りました。

物語の流れとしては、かなり長く、広く、それなりの世界観があるのです。また描写も、新しくはありませんし、斬新でも、特徴あるわけでもありませんが、悪くもありません、とても読みやすいです。どうしても気になってしまうのが人物描写、人物の心理描写、さらに、そこに2重構造を使う事なのです。

たとえば、如何に凄いか?を表現するのに、出来事や、それを通しての心理描写なりを使い、読者が想像し、ある程度感情移入できたり、できなくても理解でき、また魅力あるキャラクターであるなら良いのですが、ちょっと直接的過ぎる表現なのです。如何に凄いか?=凄いから、凄い。という説明になっちゃっている部分を私個人は多く感じました。何だか「この登場人物はアレをアレするためのキャラクターなんだろうなー」が分かり安すぎるので、どうしても薄っぺらく感じてしまうのです。

その上、2重構造、そんな割合薄っぺらく感じてしまいやすい人物を使って、主人公の心理描写や人間性を浮き彫りにしようとすると、どうしてもちょっとわざとらしく感じてしまいます。主人公の周りを固める、幼少期の兄的存在、親分、刺客、逃亡先で知り合う娘、どれもこれもが、主人公を凄く見せるための行動をとってくれる、勝手に恐れ入ってしまっている様に写るのです。行動に説得力が、どうしてそこまでなのか?が私にはちょっと。


と、文句もあるのですが、作品として、もう少しキャラクターが上手く動いて、伏線も張れているなら、題材としては面白いとも思うのです。義理と暴力とヤクザの世界の男と、宗教的救いの交差。もう少し登場人物に魅力があったり、説得力があれば(私には)よかったのですが。ちょっと余韻も足りなく感じましたが、特に村上 龍さんの小説が好きな方にはオススメできるかもしれません。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 壮大なドラマなのに…, 2008/7/12
By 美花絵留 - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
一人の侠客神崎武美の壮絶な人生を描いた長編小説。彼の行動の根底にあるのは自分を育ててくれた「父」への忠誠である。実際にはその「父」辰三は、自分のみを守るために武美を見放したり、売ったりするのだが、武美の人生は辰三への恩義が全ての人生なのである。
夜鷹の母が武美を産み落とし、辰三に託すまでの冒頭の短編「牡丹の女」は人物描写も繊細で、今後の展開を期待させる傑作なのだが、そこから先は、どうも作者の筆があらすじをなぞらえるばかりで、表現も直接的で乏しい。もっと丁寧に丁寧に描いていけば、読み応えのある大作になったと思うのに、残念。
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