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沖で待つ
 
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沖で待つ (単行本)

by 絲山 秋子 (著)
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Product Description

出版社 / 著者からの内容紹介

「おまえさ、秘密ある?」住宅設備機器メーカーに入社して福岡支社に配属された同期の太っちゃんと女性総合職の私。深い信頼と友情が育っていく。そして太っちゃんの死。太っちゃんとの約束を果たすべく彼の部屋にしのびこむ。選考委員会で高い評価を得た第134回芥川賞受賞作。他1篇併録。

内容(「MARC」データベースより)

仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そんな同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、私は彼の部屋にしのびこむ-。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く表題作のほか、「勤労感謝の日」を収録。

Product Details

  • 単行本: 108 pages
  • Publisher: 文藝春秋 (2006/2/23)
  • ISBN-10: 4163248501
  • ISBN-13: 978-4163248509
  • Release Date: 2006/2/23
  • Product Dimensions: 7.6 x 5.5 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 3.4 out of 5 stars  See all reviews (51 customer reviews)
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3 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars  清清しい!!!, 2008/2/7
By リバティ (群馬県) - See all my reviews
 『沖で待つ』を読んで、作者糸山秋子さんて、すごく仕事に燃えてたんだなぁ〜と思った。

 主人公や同期の太ちゃんにしても、仕事に120%追求しているから、あんなに素敵な友情が生まれるのだと・・。 20〜30代にかけて仕事に全力投球している人に多くの共感が強く持てる作品だと。 同期としての強い絆。太ちゃんが、具合を悪くして熱を出し主人公が彼の為に、得意先(お客様)まで運転し、太ちゃんが助手席に座っているシーンがとっても好きな場面。  同期の為なら、なんだってする・・・・。 厳しい環境におかれるこそ、強い絆が生まれ、成長できるんだよねと。 私自身も、かけがいのない仲間(同期)がいて。久々に、ゆっくり電話してみたくなりました・・・。 同期(仲間)て、めちゃくちゃ大事ですね・・・。
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5 of 6 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 「社会人の同期って素晴らしい」ということを書いて芥川賞。名作です。, 2007/11/2
「勤労感謝の日」と「沖で待つ」の2編を収録した1冊。
第134回(2006年前期)芥川賞受賞作。
芥川賞対象作品だけあって、さらっと読める分量。でも内容は充実です。
上司の横暴に切れて会社を辞めた女性主人公の日常を描く「勤労感謝の日」は、
(おそらく)30代以上の人々には、静かな共感を覚えることが多いのでは、と思う
ような、会社や人生について考えさせられる内容。といっても、深刻すぎるわけ
でなく、主人公の思考は常に楽観的です。読むと元気をもらえた気がします。

そして、やはり注目は芥川賞受賞の「沖で待つ」でしょう。主人公は(これも
おそらく)20代後半から30代前半の企業で働く女性、そして彼女の同期だった男性。
主人公の視点で語られる、社会人として働き始めた時から、必死に駆け抜けた年月。
時につらく、厳しく、でも同時に暖かく、穏やかなものとして静かにユーモアも
交えて描写されています。人はだれでも秘密、それもささやかなものを抱えて
生きているし、その秘密は、時に家族や愛する人ではなく、案外会社の同期なんか
に打ち明けたりするもの。本作の登場人物たちも、まさに会社の同期として、
何物にも変えがたい日々を共有しています。この話は、人生や社会のことを書くと
いうテーマと同時に、「会社の同期ってなんか良いよね」ということを言いたいの
ではないかと思います。

学生時代の同期とも違う、サークルの仲間とも違う、もちろん恋人とも違う、
だけど、なんだか特別な存在、それが社会人の同期なのだと、僕自身初めて
「同期」がいる生活を送る中で実感してます。

もちろん、「同期」という存在を軸に、世代が抱える共通の意識や悩み、そして
人が生き、死んでいくということについても、静かに淡々と、さらっとですが、
鋭く深く心に残るような内容でもあります。さすがに名作です。

毎日を淡々と、静かに、懸命に生きる人みんなが読んでほしい佳作だと思います。
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5 of 6 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 曖昧さが逆にリアル。非常に不思議な作品, 2006/12/26
By @poor work - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
読み終わっての感想は「つかみどころがない」ということ。
それがなんとも言えない味になっている。

主人公は、OLともキャリアウーマンともつかない、年齢的にも微妙なところにある女性。
なんとなく曖昧な存在で、それだけに逆にリアルである。
彼女のですます調の叙述体で、同期の「太っちゃん」との回想から、
現在に至るというのが基本的な進行。
非常に淡々として平凡に進んでいくのだが、案外内容は飛んでいる。

まず「死者が語る」ところ。
そしてその太っちゃんの死因もまた、突拍子もない。
が、この作品の中では、幽霊話も突拍子もない事故も、
淡々としてまるで当たり前のように書かれてしまう。
一見命が軽視されているようだが、そんなことはない。
太っちゃんの秘密、その核心の”ある物”に触れる主人公の手のひらに感じる、冷たい手ごたえ。
その緊張感だけは奇妙にリアルなのだ。
この不思議な味わいはなんだろうか、という心境がそのまま、
「人間の存在ってなんなんだろうな」というところにつながってゆく。

ひんやりと冷やされるような、ほっこりと暖められるような、
この曖昧さ、この不安さはなんだ。
作者がこれを狙って演出しているとすると、恐ろしい筆の持ち主なのかもしれないと思う。
でもそうなのか違うのか、まだわからない。
彼女の次回作もきっと読んでしまうのだろう。
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