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くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ)
 
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くらやみの速さはどれくらい (海外SFノヴェルズ) (単行本)

by エリザベス ムーン (著), Elizabeth Moon (原著), 小尾 芙佐 (翻訳)
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Product Description

出版社/著者からの内容紹介

〈ネビュラ賞受賞〉製薬会社に勤め、幸せな日々を送っていた自閉症のルウは、画期的な治療法があると知らされるが......人間のほんとうの幸せとは何かを描く、21世紀版『アルジャーノンに花束を』。


内容(「BOOK」データベースより)

近未来、医学の進歩によって自閉症は幼児のうちに治療すればなおるようになっていた。35歳のルウ・アレンデイルは、治療法が確立される前に大人になってしまった最後の世代の自閉症者だ。それでも、ルウの生活は順調だった。触感やにおいや光に敏感すぎたり、ひとの表情が読みとれなかったり、苦労は絶えなかったけれど、自閉症者のグループを雇っている製薬会社に勤め、趣味のフェンシングを楽しんでいた。だが、新任の上司クレンショウが、新しい自閉症治療の実験台になれと自閉症の社員たちに言ってきた。ルウは、治療が成功してふつうになったら、いまの自分が自分ではなくなってしまうのではないかと悩む。ルウの決断のときは迫っていた…光がどんなに速く進んでもその先にはかならず闇がある。だから、暗闇のほうが光よりも速く進むはず。そう信じているルウの運命は?自閉症者ルウの視点から見た世界の光と闇を鮮やかに描き、21世紀版『アルジャーノンに花束を』と評され、2004年ネビュラ賞を受賞した感動の長篇。

Product Details

  • 単行本: 470 pages
  • Publisher: 早川書房 (2004/10)
  • ISBN-10: 4152086033
  • ISBN-13: 978-4152086037
  • Release Date: 2004/10
  • Product Dimensions: 7.3 x 5 x 1.3 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (11 customer reviews)
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12 of 12 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 前に進む, 2004/11/5
自閉症の青年ルゥは、製薬会社で働いている。
彼が所属するチームのメンバーは自閉症者で、その能力を生かした特殊な仕事を受け持っている。会社は彼らの能力を十分に発揮してもらうためにジムなどを設置していて、メンバーは仕事の合間に音楽を聴いたり体を動かしたりしている。
ルゥは真面目に働き、きちんとした生活をしている。けれども、周りの人間(「ノーマル」と彼が呼んでいるところの人々)は、時にルゥたち自閉症者が特別扱いされていて、そのために自分達が不利益をこうむっているなどと言い立てる。公共の場所で人目に立たぬよう気をつけて行動し、「ノーマル」達のやり方に出来るだけ合わせて暮らしている彼らを、まだ足りない、もっと自分達のやり方に合わせろ、とさらに追い詰めようとする。
そんな状況に置かれている自閉症者たちのもとに、実験段階の治療方法の話が舞い込む。会社側がこの治療を受けて「ノーマル」になれ、さもなくばクビだ、と圧力をかけてくるのだが、自閉症者としての自分こそが自分なのであり、「ノーマル」になった自分はもはや自分ではないのではないか、と彼らは悩み苦しむ。
最後に主人公ルゥが下した決断には驚き、その後の展開にはさらに驚きかつ感動させられる。これは自閉症者の物語の形をとっていて、実は我々全てにあてはまる物語だ。
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10 of 10 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 『アルジャーノンに花束を』より面白い, 2004/11/29
現代からちょっとだけ先の近未来が舞台。医学の進歩によって自閉症の幼児期での治療が可能になっているという社会設定だ。
主人公のルウは35歳で、「自閉症最後の世代」として、自閉者たちが働く職場にいる。そこに、自閉症治療の新技術が開発され、自閉症の治癒が可能になる。その治療を受けよ、と職場の責任者から言われるルウ。しかし……。
どうやら、著者エリザベス・ムーンの息子が自閉症だという。自閉症は発達障害の一種であるが、なぜか、近年、日本でも増加の傾向にあるという。軽度であれば、一見して「病気」とは思われず、「ちょっとヘン」ぐらいに扱われてしまうことが多い。
この物語では、自閉症とは治癒すべき病なのか、自閉でなくなったら自分が自分ではなくなるのではないか…という葛藤が語られる。医学的正解が正解とは限らない。自閉者の視点から語られる世界は、不思議に満ちている。
オビには「21世紀版『アルジャーノンに花束を』」という文字が躍っているが、『アルジャーノンに花束を』よりも本作のほうが投げかける問題は複雑であり、だからこそ、面白い、と思う。
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19 of 20 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 自分と訣別して、生き直す自分は一体誰なのか?, 2005/3/6
 自閉症者ルウ(35歳、男性)の視点で書かれた物語。
 時代は近未来に設定されているが、現代とそう変わらない様子の世の中。ただ違うのは、自閉症が幼児期に治療すれば完治するものになっているということが、話の核になっている。ルウはその治療法が確立される前の最後の世代の一人なのだ。
 親兄弟は既にいず、天涯孤独の身の上の彼に難題が降りかかる。

 自閉症者といっても、ルウは日常生活のレベルでは、現代よりも進んだ治療の結果、製薬会社に勤め応用数学者として自己の才能を発揮できる仕事をこなしている。
 フェンシングに通い、密かに思いを寄せる女性もいる。
 突然、ルウにもたらされたのは新上司による、自閉症の新薬開発のための人体実験にルウ達自閉症者の部署の解雇を切り札にした参加の要請だった。
 ルウは悩み、悩む。
 健常者であるはずの知人の一人から、稚拙で野蛮な感情を剥き出しにされ、非常に差別的な攻撃によって身の危険にさらされるという事件も重なって、ルウは自分が健常者であれば起こり得ないはずのことがあることに気づく。

 文体は、決まった好みと手順を踏んで行わないことには日常の収拾がつかなくなることを経験的に学んできたルウの、聞く見る考える言葉にする等々の、読み手あるいは健常者に向けての翻訳めいた言い回しが独特だ。
 こんなに細かに分析し、なぞり、発語に至る手順を踏んでいるのかと、驚愕した。

 光の果てる処には既に闇が居座っている。だから、暗闇の速さは光を凌駕し得ているはずだと考えるルウ。
 光の届かない処。それは私達の身の回りに、あるいは身の内に数限りなく存在する。
 妬み・嫉み・蔑み・卑屈・嘲り……それら暗い情念はもとより、理解を前提としない驕りや高慢な態度。

 人としてどう在れば、他者と共存できるのか。健常者とは一体どういう状態を言うのか?震撼させられた。
 ルウの選択をノーマル達は、真に理解し得たのだろうか?私の心は、まだ揺れている。

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Published on 2005/4/6 by ギャモン

4.0 out of 5 stars ここちよい小説です
 自閉症の治療が実現している近未来が舞台の小説。
... 続きを読む
Published on 2005/3/5 by ピカード

4.0 out of 5 stars ただ目の前の闇。
「障害者」「健常者」という言葉を用いるとき、わたしはいつも傲慢な気持ちになる。... 続きを読む
Published on 2005/1/15 by ヤヤー

5.0 out of 5 stars これは、あなたと私の物語
神様、私に読書の楽しみを与えてくださって感謝いたします。
この傑作を読み終え、私はこの感動を誰かと共有したくて仕方がない。
物語の後半、主人公ルウの... 続きを読む
Published on 2005/1/12 by radical_press

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