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フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説 (ハヤカワ文庫NF)
 
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フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説 (ハヤカワ文庫NF) (文庫)

by スティーヴン・ジェイ グールド (著), Stephen Jay Gould (原著), 渡辺 政隆 (翻訳)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

日本人選手の活躍で湧くメジャーリーグ。この華やかな世界に影を落とす一つの謎がある。「なぜ4割打者は絶滅したか」だ。この問題に世界屈指の古生物学者で野球ファンのグールド博士が取り組んだ。そこから見えてきたのは、われわれの進化観にも潜む根深い偏見だった…生物界のトレンドを見出すには生物界の全容を視野に入れねばならない。この「正論」を、アクロバティックな構成で語る、科学啓蒙家グールドの真骨頂。


内容(「MARC」データベースより)

アメリカ大リーグに四割打者がいなくなったのはなぜか。生命の歴史は進歩の歴史といえるのか。無関係に見える二つの問題の解明を通じ、革命的な進化観「変異の拡大縮小」を展開。構想に15年をかけたグールド進化論遂に登場。 --This text refers to an out of print or unavailable edition of this title.

Product Details

  • 文庫: 420 pages
  • Publisher: 早川書房 (2003/11)
  • ISBN-10: 4150502862
  • ISBN-13: 978-4150502867
  • Release Date: 2003/11
  • Product Dimensions: 6 x 4.2 x 0.8 inches
  • Average Customer Review: 4.2 out of 5 stars  See all reviews (8 customer reviews)
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8 of 10 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 四割打者の絶滅という副題は魅力的だが, 2006/10/9
By 紫陽花 "玲瓏" (神奈川県相模原市) - See all my reviews
(TOP 50 REVIEWER)   
「断続平衡説」を説き、進化は一定の方向に進んだのではないことを主張するグールドの代表作の一つ。前作「ワンダフル・ライフ」とペアになっているが、本作だけでも独立して読める。著者の好きな野球(ヤンキース・ファンらしい)を引き合いに出している点が面白い。

著者はまず、ある事象(この場合は野球のバッターの打率)に対して限界点を考え、これを右壁と呼ぶ。四割打者はこの右壁に相当する。近年、四割打者が現れないのは、選手の技量が落ちた訳ではなく、逆に選手(投手も含め)の技量が向上したためだと逆説的な事を言う。著者は、四割打者という一事象を見ているだけではダメで全容(=フルハウス)を見る必要があると言う。打者の平均打率は(投手の技量が向上しているにも関らず)過去からほぼ一定しており、全容で見ると平均層と右壁との差が縮まった(標準偏差が小さくなった)と述べる。このため、右裾が左にずれたと説明するが、個人的には、
(1) 標準偏差が小さくなった理由は何か ?
(2) 何故全体的に層が右に伸びて行かないのか ? (平均的バッターでさえ進歩するピッチャーに対応しているのに)
という点で納得できない想いがした。

進化においても同じ論法で、左壁が原生動物で、右壁が人間の右肩下がりの曲線を例に取る。現在でも圧倒的に数が多いのは左壁に近い生物で、進化の出発点も同様である。そして、右裾にポツンといる人間は、グールドの持論である進化の偶然であって必然ではないと語る。

野球の四割打者を例に取り、読者を惹き付ける手腕はさすがだが、進化に関する考え方には好悪があるだろう。グールド派vsドーキンス派の対立は有名だが、進化に関する興味を持つ方にはお勧めの一作。
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10 of 15 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 進化にトレンドはない! という話, 2005/2/7
By モワノンプリュ (Japan) - See all my reviews
(TOP 100 REVIEWER)   
 進化論に興味のある人なら、グールド一派とドーキンス一派の対立・抗争(?)について耳にしたことがあるはずだ。ドーキンス派が遺伝子を自然選択の単位と考え、進化が蓄積していくと考えるのに対して、グールド派は原則として自然選択の単位は個体と考え、進化的発展という考えを認めない。現状ではドーキンス派が優勢のようだが、グールド派もまだまだ踏ん張っている。両者が互いに補い合う立場だとする見方もあって、まあその辺が落としどころなんでしょうね。
 で、この本だが、蓄積的な進化的発展を認めない進化論が、生命の複雑化というトレンドをどう説明するかを、グールド一流の機知とユーモアを盛り込んで論じたもの。複雑化というトレンドは、統計を解釈する際の誤りに由来する錯覚だ、というのがその主張だ。統計の陥穽を説くに際してグールドが準備する道具は、平均値・中央値(メジアン)・最頻値(モード)の区別。そして取りうる値の限界という意味での「右の壁」「左の壁」。
 この本を有名にした4割打者消滅の分析は、右の壁の例として登場する。つまり人間の身体能力の生物学的限界が、打率の分布において右の壁を成す。野球選手全体の技術的向上が起こると右側のスペースが狭くなり、打率の偏差の幅が小さくなる。他方、全体の打率平均が過度に高まらないようなルール変更が行われると、4割打者が生まれる可能性は非常に低くなる、という話だ。とても面白い。ただしこの話題、あくまでも進化に関するグールド流統計解釈を読者に理解させるための例である点に注意。
 生命の問題は、左の壁と関連する。それはもっとも単純で、微小な生命体という壁である。生命の歴史が単なる適応の歴史であり、環境の気まぐれに翻弄されての偶然の反復であったとしても、この左の壁がある以上、右方向に分散していくしかない。つまり複雑化の方向である。
 しかし注意すべきは、そこには「複雑化」という進化の方向性があるのではなく、単に適応形態の多様化と、その分布があるだけだという点だ。実際、全生命体の分布の中で、最頻値は常にバクテリアという生命形態であり、これは過去から現在、そして将来にわたって動かない。また進化史の中で次々に右端を占めてきた生命体には、系統的一貫性が見られないことからも、複雑化というトレンドの存在は疑わしい。単なる偶然により、値の分散として、右端があるだけであって(実際、ないわけにはいかない!)、進化をもう一度やり直した場合に、再び「人間」が生じる可能性はほとんどないだろう、というのがグールドの議論。
 進化論の行方については、まだ決定的なことは言えないけれど、読んで楽しい本であることは確か。
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9 of 15 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 生物界の新しい世界観を与えてくれました, 2000/11/13
By A Customer
「平均」という何気ない言葉を我々は日常的に使っていますが、その本来の意味まで注意することはこれまでありませんでした。このグールドの著作を読み、「アベレージ」「モード」「メジアン」という3つの統計学用語の解説から、あらたな生物界への視点を示してくれたとともに、日常利用する「平均」という概念への新たな理解をも示してくれました。

またそれを理解するため、著者が出す相変わらずの豊富かつ広範囲な知識には相変わらず驚かされるばかりです。

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無類の野球ファンでもあるグールドが引き合いに出す「4割打者の絶滅」であるが、これが単に野球の話ではなく、進化論につながっていくというところはサイエンスライターと... 続きを読む
Published 2 months ago by 糸音

4.0 out of 5 stars 考え方として面白い
古生物学・進化学については門外漢なので、グールドの所説の当否は正直なところよく分からないし、その点について私が評価を下すのは越権行為だろう。しかしいずれにせよ、... 続きを読む
Published 10 months ago by ひ=

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