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ノヴァ (ハヤカワ文庫SF)
 
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ノヴァ (ハヤカワ文庫SF) (文庫)

サミュエル・R. ディレイニー (著), Samuel R. Delany (原著), 伊藤 典夫 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

時は32世紀。プレアデス連邦の権力者ローク・フォン・レイは、仇敵プリンス・レッドを破滅の淵に追いこむべく、途方もない冒険に乗りだした。希少な超エネルギー資源イリュリオンを短時間に大量に採取しようというのだ。だが銀河広しといえど、それが可能な場所はただひとつ―大爆発をおこしノヴァになる瞬間の恒星の中心部だけだった!華麗な神話的宇宙を織りあげ、現代SFの頂点をきわめたディレイニーの最高傑作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊藤 典夫
1942年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 ディレイニーの最高傑作, 2006/4/19
私は中学の頃からのディレイニー・ファンなんですが、ファン的に言わせてもらうと、これがディレイニーの最高傑作でしょう。この本は、長編小説というよりも、長編散文詩と言いたくなるほど、詩的なイメージが溢れていて、そこがファンには魅力です。あんまり深読みするよりも、波瀾万丈のストーリーと、豪華絢爛なイメージを、素直に楽しんだほうが良いと思います。私の生涯の愛読書です。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 LIVE FOR TODAY, 2009/3/23
By ホシガエル - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
遥か未来社会。資源や新しい共同体の確立を求めて、宇宙へと乗り出した人々の利権をめぐっての各組織の対立の歴史があり、「イリュリオン」を廻る経済の輪に支配されている。人々はプラグとソケットを身体に付け、サイコラマを使ってニュースを感覚で共有する。繋がれた相互文化と人間。この経済の流動性の為に均一化された人間が固有文化の退廃に繋がっているという隠喩。「思考の枠組みの固定化」

「問題は確固として文化的基礎が失われているせいなんだ。世界から世界への移動がこれだけ激しくては・・ただ擬似星系的な・・」(文中より)。

一方では「記録機」を使い小説の構想を練るカティンと「感覚」シリンクスを奏でるマウスの対比。それぞれの現実認識。フェニックス「不死鳥」の博物館での描写やタロットカードを通して現在と過去を見つめ人間性の変化、現実と理想の狭間、社会の渦の中で「目的」「習慣」「無意識」の三位それぞれが真理を模索する。運命の神はどこにいる?「ノヴァ」とは物理的な爆発でもあり、人間の五感を経た暗闇での光を感じる内的感覚「頭の中の太陽」でもある。宇宙船「オルガ」のイリュリオンを元に他力を利用し、人体に繋がれて推進し操縦する模様は人間の行動を促す衝動、関係によって生まれるオルガズムであり、五感の感受が衝動であり、知覚が舵を取る。知覚が内側に向かう狂騒。時に麻薬の快楽。そしてただ個人のオナニズムだけで無く人類の歩む道。「精神と肉体」の二極を繋ぐ物は何だ?
世界を彩る「色」がある。色は混ざり合い変化する。勝者と敗者、あらゆる区別の意識。彼らの瞳は青や黒。それは社会性と精神性。赤は血であり生命。それは情熱と衝動。銀は力。義手は憎悪。金髪は権勢欲。紫は過去の光。白と黒の対比、そしてもう一つ。全ては今を生きる人間と大地の彩り。近すぎて見えなくもなれば、遠すぎて見えない時もある。

「内側へ向かうにつれ探険家はバランス感覚を取り戻した、笑顔は真ん中の世界を見つけて曇り、彼はこれを冥府と名付けた」(文中より)。

「ノヴァ」とは五感の煌き。人間の精神が肉体という器で奏でる脈動。それは生命の輝き。終わりの無い蛇竜の道。この世はまだ天国では無い。空に舞う鳥。腕に纏わり付く羽毛。しかし、いつの世も人は極彩色の虚栄の篝火の中で、手に取ると淡く消え失せてしまう、それぞれの青い鳥を探し続けているのである。
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17 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 簡単に読み飛ばしてしまう自分が悲しい・・・, 2005/12/25
ハヤカワ名作セレクションと銘打った新装版だけど、活字が大きくなってるだけで、新訳というわけではない。
少しがっかりはしても、ディレイ二ーだからね。気力体力充実の40代だった伊藤典夫訳をしのぐ翻訳ってのもちょっと思いつかない。倉庫のどこかに眠ってる本を探し出す手間を考えるとこの価格は安い、と考えよう。こんな機会でもなけりゃ本の再読なんてしないしね。

ディレイニーやゼラズニイといえば、絢爛豪華な神話の再構築、というイメージで、名前を聞くだけで目が眩んだもんだけど、元になる神話体系や寓意を読みとるのに必死だった当時に比べて、今回、読みが浅くなった分、没入できなかったような気がする。

作品が古びてしまったからか、というとそうではなく、古くなったのは自分のほうで、SFとはSpeculative Fictionの略だ、とかいってNW-SFかなんかを読み耽っていた真摯さと情熱が失せた分、作品を読み解く力が落ちているのだ。きっと。

奥が深いんで有名な作者だけど、英語だけでなく欧米の文化的なバックボーンがなければ理解しきれないんではないかという気がする。
そう考えると、20台の若手と言えば聞こえはいいけど、中には現役学生までいるよーな海外SFマニアに、その難解な小説の下訳どころかほとんど翻訳全部を任せてしまったサンリオってのは斬新というかただの無茶だったというか…。

翻訳小説を真っ向から深く考えたい人に。

今回読んでていまいち燃えなかったけど、懐かしさと本作の歴史的意義付けに敬意を表して星3つ。
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