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世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
 
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世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1) (文庫)

ハーラン・エリスン (著), 浅倉 久志 (翻訳), 伊藤 典夫 (翻訳)
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5つ星のうち 4.0 エリスンファンよりも、ティプトリーファンにお勧め, 2004/3/12
By カスタマー
エリスンにしては「実験的」「短編」ということもあり、スピード感やアイデア一発勝負の好きな読者にお勧め。
でも、日本で似たタイトルの小説を書いた人には、ちょっとは謝ってもらうなり、どうしてあんなタイトルにしたのか説明してもらいたい!
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42 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 SFの怪物, 2006/12/19
エリスンという作家はどういった方向性の作品を書くのだろうとドキドキしながらページをめくると、最初にあたるのが表題作「世界の中心で愛を叫んだけもの」です。初対面の、ある程度は社会的地位のある目上の人に向かって「はじめまして」と緊張しながら手を差し出したら、いきなり唾を吐きかけられた、そんな気分になる作品でした。

まず、物語冒頭から躊躇いなく開始される暴力的表現に、怒りとか悲しみを通り越して呆然唖然としてしまいました。なぜそんなに殺すのか、いったい何が起こっているのか、頭を抱える読者を置いて、物語りは的確な説明もはさまずどんどん進んでいってしまうのです。また、時間軸と空間軸をいり混ぜたストーリーが展開されており、大変難解な構成になっています。そのため読者はさらに困惑・混乱せざるをえません。一度全部読み通した後に、あまりにも理不尽で一方通行な読書をさせられたような気がして、悔しさ半分、やけくそ半分で最初から読み直しをしました。 しかし、20ページ足らずの短い作品なので読み直しの作業自体はそれほど苦痛ではありませんし、むしろ自分はちょっと難しいパズルを解く時のような軽い興奮をおぼえました。

そしてストーリーが理解できてくると…。
そこには、暴力や恥ずべき悪習の中に救いを見出そうとする著者の姿勢を発見することができます。この場合の「救い」は闇の中の一条の光ではありません。救うに値しない物を救いたい、悪を全面的に肯定することはできないが全面的に否定することもできない、といったような矛盾とある種の葛藤を内包した「救い」なのです。このテーマを突きつけられたとき、独特の世界で展開されるストーリーと相まって、永遠に終わらないスパイラルに落ち込んでいくような遣る瀬ない気持ちになりました。そしてこの「救い」はあとに続くほぼ全ての作品に共通するテーマとして圧倒的な存在感と印象を放っているのです。

自分は、SFは「暇つぶし用の使い捨てエンターテイメント小説」だと思っていましたが、そんな考えはおこがましいものでした。SFというジャンルが持つ幅の広さと深さを見せ付けられた思いです。

ちなみに、表題作以外の作品はそれほど難しくありません。以下は自分が読んで素直に面白いと思えた作品です。表題作を読む前にこちらを読めば、唾を吐かれるのではなく皮肉を言われた程度の衝撃ですむと思います。「101号線の決闘」「殺戮すべき多くの世界」「少年と犬」
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59 人中、49人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 初版が泣いている!, 2005/3/7
僕の持っている本書は、昭和54年発行の初版です。僕は、一番好きなSFはこの本、という時期が約2年ほどありましたが、ダブルクラウン(死語)受賞作とはいえ、当時のSFとしては異端な作風で、狂気と紙一重の才能を叩きつけるようなこの短編集は、あまり受け入れられなかったと記憶しています。こりゃ絶対重版はないな、と決めつけ、宝物のように思っていたところ、20年数年後の昨今、こんな本(?)が、なにやらブルーの表紙に変身して、書店の平台に山積みされているではないですか!
最初は、バトルロワイアルとかの影響なのか、などとトンチンカンなことを考えたりしましたが、すぐに「ああ、あれか…」と気づきガックリときました。そんな重版でハーラン・エリスンが売れても変だし、大体買った人が不幸なだけのような気がする。
声を大にして言いますが、本書は最近巷でよく耳にする「セカチュー」なる恋愛ドラマとは何の関係もないし、内容において類似するものは全くありません。ここで繰り広げられるのは、当時SF界がずっぽりとハマっていたニューウェイブという先駆的ジャンルの中でも、最も鋭い感性によって描かれたであろう前衛作品の数々です。容赦の無い暴力描写もあります。純愛物を求めている方は、避けてください。むしろ、フィリップ・K・ディック(この人だって書店にマトモに並び出したのは本人が死んだ後)などの、危ういシチュエーションにクラクラするのが好きな若いSFファンに、「こんなのもあるよ」とお勧めしたいです。
それにしても、今度は「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」がパクられるのではないか、と気が気ではないのは僕だけでしょうか?
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