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建築を語る
 
 

建築を語る (単行本)

by 安藤 忠雄 (著)
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Product Description

ブックレビュー社

第一線で活躍する建築家の言葉を通して,「建築とは何か」を考えるためのヒントを与えてくれる一冊
建築をまったくの独学で学びながら,コンクリート打放しによる単純で研ぎ澄まされた作品を次々に発表し,今や世界的に著名な建築家の一人となった筆者は,1997年,アカデミズムの頂点に位置する東京大学の建築学科教授に迎えられる。本書は,その東京大学大学院において学生に向けて語られた講義を元にまとめられた貴重なドキュメントである。

1941年,大阪に生まれた筆者の20代はそのまま激動の1960年代に重なる。この講義では,そうした時代を文明史的な視点から振り返る一方で,15歳で自宅の増築を手がけて建築の世界に目を開いたこと,F・L・ライトの帝国ホテルの空間に衝撃を受けたこと,正規の建築教育を受けることなくモダニズムのリーダーになったル・コルビュジエの生き方に自らの境遇を重ねて勇気づけられたこと,そして,日本全国を手始めに世界中を駆け巡った建築巡礼の旅から学んだことなど,無名の若者が大きく揺れ動く時代の下でいかにして建築家を目指すに至ったか,が率直な言葉で語られている。そこには,また,同時代の前衛芸術家に触発される中から,既存の枠組みに果敢に挑戦していく筆者の基本姿勢が形づくられたことも明らかにされていて興味深い。

こうして,筆者は,自分史を織り混ぜながら,1976年のデビュー作「住吉の長屋」から最新作の「淡路夢舞台」まで,その四半世紀に及ぶ活動から生み出された作品の創作プロセスとそこに込められた思いを披露していく。

中でも圧巻なのは,それらプロジェクトの大半が,実は,当初の計画にはなかったものの実現であるという点だ。そこには,与えられた条件を自由に読み替えて構想をふくらます腕力と,それに裏打ちされたドローイングの表現力があったに違いない。

おそらく,建築家とは,かくも大胆に建築的イメージを飛翔させ,ときには現実すらも動かしてしまう粘り強い精神の持ち主なのか,と驚かされることだろう。彼はこう述べている。

「建築は社会的,法的規制からは逃げられません。しかし,その建築においても何を第一に優先させるかと問われたら,私は考える自由をもち続けることと答えたい」ここには,建築を考えることの難しさと喜びとが同時に語られている。本書から受け取れる最大のメッセージだと思う。

けれども,一方で,その明快な語り口に一抹の不安が残ってしまうのも事実だ。筆者の示す建築家像のかっこよさには憧れつつも,社会が急速に作り続ける力,前進する勢いを失い,どこかにいやしさえ求め始めている中で,はたして建築だけがこの先どこまで元気でいられるのか。あるいは,阪神・淡路大震災でも明らかになったように,筆者が常に闘い挑戦してきた都市が,むしろ心のよりどころでもあり,守り慈しむ対象でもあったと見直されつつあるとき,建築の作り方はどう変わるのか。それへの回答は,筆者への期待を超え,現在の建築の大きなテーマそのものであるに違いない。 (京都工芸繊維大学 工芸学部造形工学科 助教授 松隈 洋)
(Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)



メタローグ

今年、この本がベストセラーリストに入ったことを心から喜びたい。なぜなら、ここには真に独創的な者のみが語れる言葉が刻まれているからだ。20代、海外渡航の禁止が解かれると同時に世界放浪へと飛び出した若き建築家が、日本の狭隘な学歴主義とは無関係に世界で認められ、そして今、東大生へ自分の経験を語る。自らの道程と重ね合わされながら紹介されるル・コルビュジェ以後の現代建築の流れ、各国の風土と結びついた建築様式、そして時には挫折や中断に見舞われながらも築き上げた自らの仕事の数々。これらが面白くない訳がない。その名講義を活字ながら再体験できる喜び。至福の人文書である。(守屋淳)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.

Product Details

  • 単行本: 259 pages
  • Publisher: 東京大学出版会 (1999/06)
  • ISBN-10: 4130638009
  • ISBN-13: 978-4130638005
  • Release Date: 1999/06
  • Product Dimensions: 9.1 x 6 x 1 inches
  • Average Customer Review: 4.3 out of 5 stars  See all reviews (6 customer reviews)
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8 of 8 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 現代建築の名著!!, 2006/8/19
By trancedolphin (君津市) - See all my reviews
発刊から5年ですでに建築の古典とまで言われる『安藤忠雄 建築を語る』。
東京大学大学院での講義を編集したものですが、何が良いかと一言で言うと、安藤さんの建築に対する情熱がほとばしっている。

大学院での講義ということもあり、安藤さんが20代の時に何を考え、何を学んできたか、それが今どういった形で活きているかが語られています。

建築の世界を目指す若者だけでなく、芸術に触れている全ての人に読んでもらいたい本!!
「命を感じる箱」づくりを目指す安藤さんの、芸術と商業の間で起こる葛藤も見事に語られています。
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20 of 22 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 真摯に生きようとする人のために, 2000/11/7
安藤氏が本書で語っているのは、単に建築というよりも、ものの考え方そのものである。旅での体験や芸術作品との出合いがいかに自らの糧となるか、またプロジェクトごとに直面する困難を乗り越えいかに創造性を発揮すべきかが、明快に論じられている。

本書の説得力をいっそう強めるのが、氏自身が手がけてきた実作の数々。住まいの意味を問いかける初期の「住吉の長屋」から、大規模な環境創造プロジェクト「淡路夢舞台」まで、実例を辿ることで氏のいわんとすることが伝わってくる。

とはいえ、本書を読み、なるほどと納得して終わるわけにはいかない。自分はどのように自らの世界を切り開いたらよいだろうかと、問い直すことになる。誰かの模倣ではなく、自分の頭で考え行動することの大切さ、それこそ!が安藤氏が投げかける最大のメッセージであるのだから。

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6 of 9 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 安藤氏の建築に込められた生き方が刺激を与える本です, 2006/8/11
By 993改 - See all my reviews
(TOP 10 REVIEWER)   
98年、東大大学院で行われた5回の講義をまとめたものです。題名や安藤氏が建築家ということを考えると、建築本と思いますが、実際の内容は、「いかに生きるか、その結果として、どのような建築が生まれるか」といったものになっています。これは、本書の最後が「何より、今、真剣に生きることを考えて欲しい」という言葉で結ばれていることからも伺えると思います。
実際、本書は、著者が旅を通し、建築家や建築物に触れ、触発されると共に、建築家になることを考えた20代から、その後も、イサムノグチら、様々な芸術家、阪神大震災といった様々な出来事が、著者の建築にいかに反映されているかといったことまでが綴られています。一方、写真、図版の方も、数は多くありませんが、著者自身の本であるだけに、文章にリンクした的を得たものが掲載されており、建築本としても、欲求不満に陥ることはありません。
自分を顧みても、仕事上の瑣末な出来事に一喜一憂するだけでなく、著者のような大地に根を張った生き方を通し、仕事をしていかないとと、反省させられた本です。
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2.0 out of 5 stars ただのひと
非常に人気のある建築家だが、あまりにもひどい建築作品を多く見すぎて、この作家の真髄に疑問を抱いている。... 続きを読む
Published on 2007/5/26 by ゾディアック

5.0 out of 5 stars 熱い思いが伝わってくる。
1998年、秋。東京大学大学院での全5回の講義をまとめた本。
10〜20代の若者に対し、勉強をし続けよ、真剣に生きよと伝... 続きを読む
Published on 2006/3/30 by リビングストン商会

4.0 out of 5 stars 安藤の心が見える
小難しい理論じゃなくて、建築をどういう風にとらえればいいのか?そのきっかけを与えてくれる本。建築に携わりたい学生は必読。
Published on 2000/12/5 by h-i

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