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チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代 (中公文庫)
 
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チャイコフスキー・コンクール―ピアニストが聴く現代 (中公文庫) (文庫)

中村 紘子 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

初夏のモスクワで4年に1度、1ヵ月間にわたって催されるチャイコフスキー・コンクール。この世界で最も権威ある国際音楽コンクールの審査員として、これまで触れられることのなかった舞台裏を描くとともに、国際化時代のクラシック音楽の現状と未来を鮮やかに洞察する長篇エッセイ。1989年度大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。

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5つ星のうち 5.0 音楽好きならぜひ読みたい一冊, 2003/6/11
この本は、チェルノブイリ原発事故の年、1986年に、モスクワでチャイコフスキー・コンクールの審査員を終えた後、作者が1年以上にわたって雑誌に連載した文章をまとめたもの。’89年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したという作品だけあって、文章は明快で読みやすいし、内容は濃い。チャイコフスキー・コンクールといった格の高いコンクールの内幕の様子をさらしだし、読者の野次馬的な興味を保つ一方で、そういった審査中の複雑な思い、西洋クラシックの歴史やロシアや日本での西洋音楽の成り立ち、現在のアマチュア・ピアニストの氾濫に対する作者の思いにいたるまでも描かれている。特にわたしが感心したのは、西洋クラシックのピアニストである作者が、日本伝統の「舶来崇拝主義」を否定も肯定もせずに事実として受け止めている正直な姿勢。欲をいえば、「女性ピアニスト」としての思いを、もっと深く掘り下げて欲しかった。
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5つ星のうち 5.0 ピアニストから見たコンクール, 2002/12/11
あまたの音楽コンクールが音楽家の登竜門として機能していることは、部外者にもよく知られている。近年では、あまりにその数が増えすぎて収拾がつかないほどだ。学問や科学の世界での雑誌の増加とどこか似ている。本書は、日本を代表するピアニストである著者が、もっとも伝統あるコンクールの一つであるチャイコフスキー・コンクールに審査員として参加したさいにものしたエッセイ。たんにコンクールの記録ということを超えて、著者が批判する「ハイ・フィンガー奏法」や日本人の演奏様式の特殊性にまで話が及んでいるのが興味深い。文章もこなれていて読みやすい。ピアノやコンクールに関心を持つ方はもちろん、中村紘子ファンにも薦めたい一書。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 硬派な国際ピアノコンクール・ドキュメント, 2004/3/25
By bun514 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
チャイコフスキー・コンクールはピアノ部門だけでなく弦楽器や声楽部門もあるが、この本はピアノ部門に特化していることに注意が必要である。(作者がピアニストなので当然であるが)
それにしても、これが初の著作とは思えないほどの情報量と文章の質に驚く。特に旧ソ連が絡んだ描写は、筆者でなければ体験できなかったであろうことが満載であり、あの時代のロシア音楽事情を知りたい人は必読だと思う。文体は非常に堅く、文学評論を読んでいるような気分になる。その後に出版された軽いタッチのエッセイ集とは別人のようにも思える。旦那様(作家の庄司薫氏)や編集者のアドバイスもあったと思うが、もう少し親しみやすい語り口でも良かったのではないか。しかし、ピアノ音楽について書かれた本として文句なく超一流である。時に辛らつな表現もあるが、すべてはピアノと音楽への愛ゆえなのだということが、しっかりと伝わってくる。
ご本人の演奏に関しては様々な問題があり、第一線のピアニストとしては評価できないというのが本音の人も多いと思う。しかし、日本人ピアニストが世界に出て行く契機となった人でもあり、先駆者でなくては見えない事情なども克明に記されており実に興味深い。
なお、この本が重すぎると感じる人は同じ作者の「ピアニストという蛮族がいる」をおすすめする。変人の多いピアニストたちを、これまた愛情豊かに書いた本である。
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