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誰のために―石光真清の手記 4 (中公文庫 (い16-4))
 
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誰のために―石光真清の手記 4 (中公文庫 (い16-4)) (文庫)

石光 真清 (著)
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登録情報

  • 文庫: 362ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (1979/01)
  • ISBN-10: 4122006899
  • ISBN-13: 978-4122006898
  • 発売日: 1979/01
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 『石光真清の手記』の佳境。, 2002/9/21
 石光真清の手記シリーズのクライマックスである。日本政府の要請により、著者の石光氏はロシアの一都市アムールに渡り、ロシア革命の影響を探るべく、再び諜報活動に身を投じるが、自分自身が革命の波に晒されてしまう。

 次第に混乱していく状況の中で、彼は情報の収集と日本人の保護を遂行せざるをえなくなった。その活動のために彼は都市内における、旧帝政ロシアの兵隊、共産主義勢力、日本人会、などなど、すべての勢力に対し交渉と情報収集ができるようにパイプを維持した。そのような離れ業ができた点も石光真清の非常に優れたところだと思う。

 しかし、とうとうロシアの新旧勢力の間に戦端が開かれ、自衛のため武装した日本人会の組織を指揮する石光氏は、犠牲が最小限になるように行動をとり、やむなくその都市から撤退をする。
 読んでいると、「ええっ、こんなことが起きていたんだ。」と驚き、興奮してしまうほどの内容が描かれている。

 ロシア革命の進行している政治的に微妙な状況で、石光真清は一時的にではあるが、政府や軍から「そんな人知りません」と見放されてしまう。日本のためにと、正式な軍籍を退いてまで、辛酸をなめながらも諜報を続けた彼にとっての大きな仕打ちを受けたときの衝撃は、組織と個人という視点からみても考えさせられるものである。

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5つ星のうち 5.0 ロシア革命と共に, 2007/3/6

ロシア連邦の東部にブラゴベシチェンスクといういささか言いにくい街がある。中国国境を流れる大河アムール川河畔にあり対岸が中国領、黒河(ヘイホー)である。東のハバロフスクまでは約600キロ、南のチチハルまでは400キロほどであろうか。32歳ではじめてこの地に立った作者は50歳にして再びこの地で激動の特務活動を果たす。それはいつものことながら命を賭してのものであった。

この巻は真清47歳(大正4年)から母が亡くなる60歳(昭和3年)までの記録。しかし東シベリア地区やブラゴベシテェンスクでのロシア革命騒動とシベリア出兵に関与しそして力尽きて大正8年(1919)2月にかの地を去る所までが主要内容である。

平和でのどかな郵便局生活を過ごしていたが弟真臣に勧められて大正5年(1916)またもや大陸で満蒙貿易公司(錦州)を開始、成功する。翌年暮れ、再び田中儀一の要請でシベリヤ出兵の諜報、探索任務を引き受け翌年早々革命による混乱多い東清鉄道をチタ経由でかの地へ。やがて石光機関という名で反革命組織を支援する任務になり現地の在留邦人、ボリシェビキ、コザック、ロシア市民などの間で苦悶することに。市街戦を経て革命派代表ムーヒンとの交流のあと、進出した日本軍の曖昧さにも嫌気がさしかの地を去る。その後破綻会社の整理に終われ零落してゆく。関東大震災(大正12年)を経て鎌倉に移転、妻の看護と家事の毎日を送る中、還暦にして母を亡くす。

年齢と共に文脈は後悔と諦念、批判と人情の様相が強くなってゆく。しかし変わらないのはいつも自分を偽らない真摯な言葉だ。「誰のために」という言葉は特務機関として反革命組織を助ける過程で在留邦人を犠牲にし、他国に内政干渉をし混乱を広げる自分や軍の姿に懐疑と嫌悪を感じての言葉であろう。ハルビンで3人の娘に食事をおごる場面がいいがその後で「国籍や、階級に捉われたり相違点を誇張したり英雄、聖人を祭り上げることの愚かさ」を述べている。真清の真っ直ぐな気持ちが伝わってくる。情景描写がいい。  
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5つ星のうち 5.0 もうひとつの坂の上の雲, 2009/7/23
文藝春秋09六月号で「超おすすめ」されていたので初めて読んだ。
読んで「おもしろい!!」。
お勧めにまったく嘘偽りなく「なぜ今まで知らなかったのか!」悔しく思ったほど。
とにかく、明治初年、熊本に生まれた著者が、神風連、西南戦争、日清戦争、義和団
事変時代の満州での馬賊との親交。そして日露戦争から昭和のシベリア出兵まで。

ある時は軍人として、それを秘した民間人として満州、ロシアに滞在して、そして生きた
日記をまとめたもの。

武士の気概、軍人、日本人としての矜持。そして父として夫としての思い。
思わず泣ける言葉、日露戦争で戦死していく仲間への思い、満州で一旗あげようと
開拓者精神一杯(売られてきたネガティブなものもあるが)の日本人など、
大河ドラマを読んでいるよう。

でも、小説なぞよりはるかに面白いです。

坂の上の雲、も大好きだが。
この日記は「もうひとつの坂の上の雲」を読んでいるような気分になった。

超おすすめ!します。
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