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論文捏造 (中公新書ラクレ)
 
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論文捏造 (中公新書ラクレ) (新書)

村松 秀 (著)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

科学の殿堂・ベル研究所の、若きカリスマ、ヘンドリック・シェーン。彼は超電導の分野でノーベル賞に最も近いといわれた。しかし2002年、論文捏造が発覚。『サイエンス』『ネイチャー』等の科学誌をはじめ、なぜ彼の不正に気がつかなかったのか? 欧米での現地取材、当事者のスクープ証言等によって、現代の科学界の構造に迫る。なお、本書は国内外、数多くのテレビ番組コンクールで受賞を果たしたNHK番組を下に書き下ろされたものである。【本書は科学ジャーナリスト大賞2007を受賞いたしました】


内容(「BOOK」データベースより)

ノーベル賞に最も近いといわれたスター学者の不正を、ベル研究所や科学ジャーナルは、なぜ防げなかったのか?科学界を蝕む病巣とは?国内外のコンクールで受賞のNHK番組を書籍化。

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5つ星のうち 5.0 ジャーナリズムの模範, 2007/9/14
各国各所で研究プロセスや論文の捏造やデータクッキングの類が科学への素朴な信頼を揺るがせている現在、本書で扱っているシェーン事件は大きな波紋を投げかけている。
若造の助手の捏造をベル研究所の権威あるベテラン学者たちが見抜けなかったこと。科学者同士の暗黙の了解や信頼のナイーヴさ。一流科学雑誌のピアレビューが機能不全に陥っていること。
NHKがバックについているとはいえ、著者チームの綿密で執念深い取材力には頭が下がる。
エピローグで著者は、わからなさの時代ということを唱えている。先端科学だけでなく、科学の恩恵を享受している現代社会そのものが、わからなさの真っ只中にある。それを少しでも解きほぐすために、真面目なジャーナリズムの苦労が求められている。
なお、講談社ブルーバックスの『背信の科学者たち』の併読も是非お薦めしたい。

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5つ星のうち 5.0 シェーンはいったいなぜ捏造を犯したのか?, 2009/11/19
By 11jigen "SerkanFAN" (http://blog.goo.ne.jp/11jigen) - レビューをすべて見る
本書は、様々なシェーン事件の関係者への取材を元に執筆されている。
その取材先の一人が、シェーンの研究チームのリーダーであった、バートラム・バトログ(事件当時、ベル研究所・固体物理学研究部門のヘッド)であり、事件発覚後、バトログがマスコミの取材に応じたのはこれが初めてのことだと言う。
このバトログへのインタビュー取材により、彼が事件発覚前後においてシェーンをどのように認識していたかが彼自らの口から告白されている。しかし、その告白の内容は真実を語るというよりは責任を逃れるために発せられたもののように感じられた。
また、シェーンの「酸化アルミ膜を載せた有機物における超伝導」の発見の再現追試に挑んだ研究者である大阪市立大(当時)の谷垣勝己教授、京都大学(当時)の石黒武彦教授、パリ南11大学のデニ・ジェローム教授、ミネソタ大学のアレン・ゴールドマン教授などにも取材し、シェーン捏造事件発覚前の時点における彼らの苦悩が詳細に明かされる。それに続く、内部告発者、マキューエン、ゾーン等による捏造発覚までの過程も彼等のインタビューを元にドラマチックに描かれていて面白い。
一連の取材の中でも特に、シェーンの捏造論文が掲載された一流科学誌である「ネイチャー」や「サイエンス」の編集部への取材は、彼ら編集部が「論文審査システム(ピアレビューシステム)は不正行為を見破ることはできない。」と開きなおりの態度を見せていることなどを明らかにしてくれており、興味深い。
しかし、残念なことに、肝心のシェーンへの取材は本人により拒否されており、シェーンの親友であるフェスに対する取材を通してでしか、シェーンの本質を探れていない。
いまだ、シェーンが一体なぜ捏造を犯したのか? シェーンだけが悪者なのか? なぜ捏造は防げなかったのか? などは謎のままである。
シェーン事件の後も、ファン・ウソク教授による韓国ES細胞事件や、松村秀一研究室のアニリールセルカン事件(http://blog.goo.ne.jp/11jigen)など科学界における捏造事件は後を断たない。現代の科学は、専門化・巨大化・成果主義化・利益主義化しており、研究不正行為を防げなかった構造的問題、研究不正行為に対する責任の所在問題など、難問が山積みである。最先端科学では再現追試実験自体が困難であり科学の定義そのものに矛盾するものとなってきており、シェーン事件は、研究不正行為とは無縁と信じられてきた物理学でさえ対策が必要であるという警笛を鳴らした事件といえよう。
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5つ星のうち 5.0 論文捏造だけに収まらない話, 2007/10/20
超伝導で輝かしい成果を挙げた数々の論文が,実は捏造されたものだった。この論捏造事件について,綿密な取材を行い,まとめてある。
当事者のシェーンが研究所内で何をしていたのか,周辺の研究者もよく分かっていなかった。しかも,周囲は素晴らしい研究成果であると言って,シェーンを持ち上げ続けた。この論文捏造事件において,当事者周辺に欠けていたものは,チェック体制と周辺とのコミュニケーションであったと思う。これらは広く見れば,私たちの生活においても欠かせないことである。論文捏造事件について書かれた本ではあるが,私たちの生活に対する警鐘のようにも思える。
もうひとつ意外だったのは,高名な科学雑誌の原稿の査読体制が不十分であったということである。論文の内容よりも,話題性が重視される編集方針だったという。研究データの捏造自体,決して少なくないということも書かれており,科学の信頼回復は遠い道のりだと思われる。
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