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心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書)
 
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心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書) (新書)

by 坂井 克之 (著)
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Product Description

内容紹介

今の研究の最前線を伝える、脳科学の決定版ができました!
たとえば、こんなことを知りたいあなたのために。
・脳研究の基本的な手法とは?
・記憶のメカニズムって? 脳トレはほんとうに効果的なの?
・「頭がいい」ってどんなこと? IQって何?
・脳画像や脳波から、「私が何を考えているのか」を知ることはできる?

「脳科学の現実はできるだけ厳密な実験設定のもと、限られた状況ではあるけれども、
そこに間違いのできるだけ少ない真実を見出そうとする地道な努力です。
そこから得られたものを即座にいわゆる「脳科学者」の処方箋といったかたちで利用するには
まだまだ距離があります。」(本書より)

本書は、脳の働きを画像化することによって、「脳と心」の何がどこまでわかったのかをお伝えする一冊です。
脳ブームといわれる現代ですが、様々な機能が宿る脳の全体像を知ることは
とても難しい道のりです。
現段階ですべてがわかっているわけでもありません。
それだけに、本書では、実際の研究、実験から見えてくることをていねいにたどっていきます。
知覚、認識、記憶、知能、社会的行動について、
それぞれどこまでわかったのでしょうか。
脳という、広くて深い世界を探険してみませんか。


内容(「BOOK」データベースより)

ふと何かを思いつき、考えた末に決断する。結果、喜んだり後悔したり…。これらはすべて、脳の働きのおかげである。そうだとすると、脳活動を読み解くことができれば、その脳の持ち主の思考や感情を読み取れるのでは?そして、思考や感情の主体である「わたし」とは何かについても明らかにできるかもしれない。本書は、脳画像研究の方法から最新の成果までを紹介。脳科学によって、未来はどう変わりうるのだろうか。

Product Details

  • 新書: 282 pages
  • Publisher: 中央公論新社 (2008/11/25)
  • ISBN-10: 4121019725
  • ISBN-13: 978-4121019721
  • Release Date: 2008/11/25
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.3 x 0.7 inches
  • Average Customer Review: 4.4 out of 5 stars  See all reviews (5 customer reviews)
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7 of 10 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 脳内情報の制御から「わたし」へ, 2008/12/20
脳神経科学の紹介本。焦点は、神経の間を流れる情報がいかに制御されているか、にある。そしてこのことが「自我」「わたし」の成立につながっている。明確な観点から様々な実験結果が紹介される。紹介の仕方は丁寧である、論点がさほどぶれることもなく読みやすい。各節の最後にはまとめが提示される。議論の整理ができるのがよい。

まず「さわり」として脳科学による読心術を巡る、SF的な話がある。ついで、視覚情報処理の話。心身分離体験に見られる、自分の空間的位置を決定するメカニズムについて。記憶のメカニズムと、エピソードを作り出す海馬について。「知性」を司る前頭葉は、普段とは違う情報の流れを作り出すこと。社会性を作り出すミラーニューロン。感情のタイプをもたらす遺伝子的制約。脳の成長力と可塑性。最後に脳から意識内容を探る、読心術について。

興味深かった話題をいくつか拾う。
まず眼球間闘争の話。これは左目と右目に違う像を提示するもの。こうすると交互に違う像が意識に上り、「見える」。この切り替えに関わっているのが、視覚野の手前にある外側膝状体。視覚情報の処理のかなり早い段階である。これとより高次の情報処理過程の関わりはまだ不明のようだ。
意思の話。何かをしようという意思が生まれるよりも、数ms前に脳の活動がすでに見られる。このリベットらの実験(1983)は有名。だがfMRIを用いた実験によって、意思の8秒も前から前頭葉内部の活動が見られる、というスーンらの実験(2008)が紹介されている。8秒というのは相当な時間だ。この話題についてはわずかしか書かれていない。もっと知りたいところ。
さらに道徳的判断の話。ある道徳的判断において、右前頭葉外側に瞬間的に磁気刺激を与えて活動を抑制する。すると被験者は不公平な状況を許容してしまうという。これは脳操作の可能性もはらむ問題であり、かなり興味深い。

以上で多少も見られるとおり、本書が提示する事例は論争的なものも多い。それが面白さにもつながっている。実験結果の解釈についてやや疑問を抱く場面もある。しかし極めて面白い問題提起がなされていることは確かである。また、性急な解釈に対する抑制も効いているのが好ましい。
脳と意識、自我、意思の問題に関心がある人ならば、興味を持って読めるであろう良書である。
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5 of 7 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars すばらしい脳機能イメージングの概説書, 2009/3/10
fMRI・脳機能イメージングの概説書としてはとても詳しく簡潔に分かりやすく説明している。
「fMRIを使った脳と心の研究入門」の本としては大変有益なので5つ星。

まずは視覚という比較的シンプルな情報入力に対する処理から、
そして「意識」「自我」という高次なところまで、
脳機能画像研究の成果が紹介されている。

参照文献もその都度記述してあるので、
元の論文を参照できるように配慮してある。

ただし、正確性を保つため、詳細なことまで記述されており、
新書で「なんとなく知りたい」という程度の読者には情報量が多すぎるかもしれない。

当然、バラエティー番組の「ノウカガク」で疑似科学に興味を持ったという人には科学的すぎるであろう。


5つ星をつけたので、敢えて問題点を列記しておく。

--ほとんどfMRIの研究成果しか出てこない
   fMRIは数多くある研究手法の一つに過ぎないのに、fMRIだけが「脳」の研究というように見える。
   要するに、タイトルが大げさ。
   かなり情報がfMRIに偏っているので、「心の脳科学」の概説書としては不適格。

--クリックに酷似
   分かりやすい入門書はどれも似てしまうので、仕方の無いことかもしれないが、
   話の流れがFrancis Crick "Astonishing Hypothesis"に酷似している。
   ただし、Crickと違いこの本はfMRIのデータばかりである。

--微妙にセクハラ(ひとこと多い)
   科学とは関係ないところで、不必要なコメント・感想(独り言のようなもの)が載っている。
   せっかくの名著なんだから、余計なことは書かなければよかったのに。


なので、「心の脳科学」の本としてはお勧めできません。

「fMRI入門」としては5つ星というだけです。
ただし微妙にセクハラ。


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3 of 7 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 私の意思決定は、8秒前の脳活動に影響されている, 2008/12/26
By ビブリオン (東京都練馬区) - See all my reviews
(TOP 1000 REVIEWER)   
脳画像研究の最新成果を紹介、さらに今後に予想される問題点も指摘しています。最新武器は、MRIやPETを超えたfMRI。fMRI(機能的磁気共鳴画像装置)により、脳がある課題を行なっている時と、行なっていない時とを較べ、脳画像データ上の信号値がどれだけ変化したか、その信号値の変化は脳のどの領域に見られるかが統計的に解析できるそうです。統計的に確定するfMRIは、更に進歩して、より狭い機能を果たす時の画素ごとの信号値の分布パターンを見る方法で、脳内の部分を、より詳細に確定できるそうです。

この方法で、○外界の位置知覚。○範疇別の物認識。○脳内の知覚表象の生成の流れ。○見えたという意識の成立、見えた意識のない潜在的な知覚○自己の位置認識○自己同一性を成立させる記憶。○他者の理解、自己と他者の区別○脳と遺伝子とのつながり○学習による脳の可塑性など。を明らかにした様々な実験が具体的に紹介されています。個別の実験で、何がどこまで確定されたのかが、良く判ります。それを著者がどう解釈したかも明確で、脳の機能とそれを司る場と流れが、着実に解明されてきたことが良くわかります。又これらの心から脳活動を知る道筋とは逆に、脳活動から心を知る実験法も開発されて、自分しか分らない、さらには自分にも分らない心の内を、周囲が読み取れる可能性も近づいていて、他者が私の精神活動を覗き見し、操作することも現実になりうるようです。

著者の作業仮説的な考えでは、この研究は、心とか精神とかいわれてきた現象は、脳という物質を基礎として成立していると考えて、そのメカニズムを着々と解明する方向を目指しており、私という現象も、同様な方向で考えられているようです。私はモノではないという通念に対抗したこの考究が、何処まで進むのか、その成果を自分の生の中でどう解釈できるのか、正に人間の脳活動の質が試されるようです。
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