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マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書)
 
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マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女 (中公新書) (新書)

by 岡田 温司 (著)
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Product Description

出版社 / 著者からの内容紹介

聖母マリアやエヴァと並んで、マグダラのマリアは、西洋世界で最もポピュラーな女性である。娼婦であった彼女は、悔悛して、キリストの磔刑、埋葬、復活に立ち会い、「使徒のなかの使徒」と呼ばれた。両極端ともいえる体験をもつため、その後の芸術表現において、多様な解釈や表象を与えられてきた。貞節にして淫ら、美しくてしかも神聖な〈娼婦=聖女〉が辿った数奇な運命を芸術作品から読み解く。図像資料多数収載。


内容(「BOOK」データベースより)

聖母マリアやエヴァと並んで、マグダラのマリアは、西洋世界で最もポピュラーな女性である。娼婦であった彼女は、悔悛して、キリストの磔刑、埋葬、復活に立ち会い、「使徒のなかの使徒」と呼ばれた。両極端ともいえる体験をもつため、その後の芸術表現において、多様な解釈や表象を与えられてきた。貞節にして淫ら、美しくてしかも神聖な、“娼婦=聖女”が辿った数奇な運命を芸術作品から読み解く。図像資料多数収載。

Product Details

  • 新書: 238 pages
  • Publisher: 中央公論新社 (2005/01)
  • ISBN-10: 4121017811
  • ISBN-13: 978-4121017819
  • Release Date: 2005/01
  • Product Dimensions: 6.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 4.1 out of 5 stars  See all reviews (13 customer reviews)
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22 of 26 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars マグダラのマリア, 2005/8/9
 マグダラのマリア(Maria Magdalene)、と言えば最近のキリスト教をテーマにしたミステリーやサスペンスになると必ずといって良いほど登場するキャラクターという感もありますが、彼女に関する聖書の記述と現代人が思い浮かべるイメージには大きな隔たりがあると言わざるを得ません。

 イエス・キリストの生涯における最大の奇跡、「復活」に立ち会ったというその大きな役割に対して使徒の間でもその評価が大きく分かれており、当初から彼女の存在は相反するイメージを根底に有していたように感じます。

 「マリア」という名称はヘブライ語での"Miriam"から派生し"Maria"となったようですが、旧約にはモーゼの姉としてその名が記載されているようです。歴史上、女性は名称によって個人を特定されるという習慣が少なかったのは、古代の日本やローマでも共通のようで、「~のマリア」として表現される女性は聖書に多く登場しています。

 そのような表記の類似性、そして相反するイメージの補完といった背景がそういった数多くの「マリア」を一人の女性「マグダラのマリア」に収束していったような気もしました。

 岡田温司氏はこの作品にて、その登場からその変遷の歴史を、数々の美術やエピソード、そして社会的な背景からそのギャップの説明を試みています。作品中で言及されている美術作品のほぼすべてが図版で記載されているのが素晴らしい。

 様々な性格を併せ持つ「マグダラのマリア」の概観を押さえるには、まずこの書を手にとっていて欲しい、と言わせるだけの内容があります。偏見のない文章や、「現代に生きるマグダラ」といった観点はなかなか興味深くお勧めの一冊です。

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19 of 23 people found the following review helpful:
3.0 out of 5 stars ありそうでなかった本, 2005/4/27
美術館に行くと沢山のマグダラのマリアがいるが、聖母マリアに比べ極端に出版数が少なかったので、というより皆無だったと思う。前半はマグダラのマリアがキリスト教の教義の発展とともに徐々に一人の聖人として創られていく過程が書かれている。この辺は聖母マリアやキリストにも通ずるものがあった。その後は修道会での扱い方の違いなども書かれていて興味深かった。後半は詩の引用が多く、詩の苦手な人には楽しめないと思う。なお、参考図版は95パーセント以上イタリア絵画で占められている。もう少し他国の絵画があると美術関連書としても面白いと思う。
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3 of 3 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 女の一生, 2008/4/9
『創世記』における天地創造の物語をしばし想起しよう。
 神は己の似姿として人をかたち造り、その後、「人は独りでいるのは良くない」との
思いから、あばら骨を抜き取って女を造り上げた。蛇の誘惑に負けた女は禁断の果実を
もぎ取り、男にもそれを手渡し、共に食する。その罪ゆえに、神の逆鱗に触れた人間は
エデンの園を追放される。
 爾来、女は常に男を誘惑するものとして現れることとなる。
 いみじくも、その美貌によって男を惑わす罪深き娼婦、マグダラのマリアは、そうした
女性像の典型として描き出される。

 しかし同時にこの彼女、「悔い改めよ。神の国は近づいた」の具現者としての顔を持つ。
 悔悛を遂げた「祝福されし罪人」を象徴するマリアは、永遠の命の与った神の子イエスと
この世をつなぐメディア=巫女として、時にそのことばすら伝えるほどの重要人物。
 あるいは、『ヨハネによる福音書』の中の出来事、閉ざされたはずの墓石の前に泣き崩れ、
復活の時を迎えた師イエスを目の当たりにし、「わたしにすがりつくのはよしなさい」との
ことばをかけられるのも、このマグダラのマリアであった。

 娼婦にして聖女、そんな両義性を湛えたこの至高のヒロインに民衆が魅せられないはずも
ない、無論、芸術家たちが放っておくはずもない。
 本書では、聖書や外典での彼女の位置づけを繙くところからはじまり、マリア解釈の変遷を
バロック期までのイタリア芸術を通じて読み解いていく。単に宗教芸術の表象分析を施すに
留まらず、その背景にある時代にも、冷静かつ明晰な筆致で食い込んだ一冊。

 時にそのきらいがないこともないが、知識は決して作品を前にした新鮮な直感の妨げとなる
ものではない。むしろ、豊かな知識があればこそはじめて理解される深遠なる奥行きもある。
 本書はそうした西洋芸術への洞察の一助となるものである。
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Published on 2005/2/15 by たま

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