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タイトルの魔力―作品・人名・商品のなまえ学 (中公新書)
 
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タイトルの魔力―作品・人名・商品のなまえ学 (中公新書) (新書)

佐々木 健一 (著)
5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

絵画や彫刻の展覧会で、作品の傍らには必ずネームプレートが寄り添っている。音楽、小説、詩、戯曲…。いずれにもなんらかのタイトルが付されている(なかには「無題」というタイトルもある)。では、このタイトル、いつごろからどのように、作品と不即不離の関係になったのだろう。人の名前、商品のネーミングも視野に入れながら、芸術作品におけるタイトルの役割と歴史を考える、刺激に満ちた美学の冒険。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

佐々木 健一
1943年(昭和18年)、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科修了。東京大学文学部助手、埼玉大学助教授を経て、東京大学文学部助教授。現在、同大学大学院人文社会系研究科教授、美学会会長、国際美学連盟会長。専攻、美学、フランス思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 299ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2001/11)
  • ISBN-10: 4121016130
  • ISBN-13: 978-4121016133
  • 発売日: 2001/11
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.2 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 あらゆる「タイトル」への知的で論理的なこだわり, 2002/9/3
「魔力」というタイトルだが、怪しげな本ではない。私たちの身の回りの名前やタイトルの成り立ちや意味を、知的好奇心旺盛に分析してゆくもの。後半、絵画のタイトルについて論じている部分では、ワトーの《シテール島への船出》とかブリューゲルの《イカロスの墜落》が話題になるなど美術史的でもあり、アカデミックな印象だ。著者の論理的な文章は読むのに時間がかかるが、内容は明快である。分析が厳密で、ふつうの人が見過ごすようなことを指摘している。例えば、ソシュールやフレーゲなど欧米の学者たちの見方では説明しきれない、日本の人名の意味について指摘している。欧米では聖人名をつけることが多いので、同じ名前を持つクリスチャンの同朋が多数いることになる。これは、日本の命名のあり方とは大きく違うものだ。本書は、社会的に大きなテーマで問題提起などしているわけではないので、そういう意味でのインパクトはないかもしれない。しかし、身の回りの些細なことに研究の着眼点を見出す「問題意識」や、考察を明確に筋道立てて進める「論理性」とはどういうものかを教えてくれると思う。巻末に、タイトル論につき、内容解説入りの文献案内がついている。
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5つ星のうち 3.0 この本のタイトルは果たして知覚を変えてくれるのか, 2009/4/7
 それはよくある美術館の風景。
 絵の傍らに貼りつけられた作者名、タイトル、描かれた年代などが刻されたプレート。
ある種の人々は「絵を見るよりも早く、真先にプレートをのぞき込み、誰が画いた何という
絵なのか確かめる」。また、ある種の人々は「プレートには目もくれない。静かに絵だけを
見つめ続ける」。
 しかしこうした何気ない態度の理由を考えてみれば、それがそのまま西洋近代美学を
めぐる非常に興味深い議論を反映していたものとなっているのだ、という。
「タイトルは作品そのものではないが、さりとて無縁なものではなく、密接な形で作品に
結びついている。作品にとって、それは純粋な内でもなければ、純粋な外でもない」。
 こうして「タイトル」をめぐって、美学はもちろんのこと、言語学や哲学を巻き込みつつ、
その歴史をひもときながら議論は展開される。

 タイトルという語の歴史や変遷などは非常に面白くもあったし――それだけでも
十分に本書を他人に薦める理由たりうるほどに――、なぜ現代のフィクションにおいて
『ハムレット』や『アンナ・カレーニナ』といった人名由来のタイトルがほぼ不可能になったのか、
という議論は非常に説得的ではあった。
 ただしもっとシンプルに語れることをなぜそうしない、と苛立つところもあった。
 ソシュールやヴィトゲンシュタインの議論については、理解が浅いというか、恣意的に文脈を
矮小化しすぎていて、だったらわざわざ引用なんてしなくてもいいのに、と思ってしまう。
彼らの名を出すまでもなく、具体例によって明快に伝えうる程度の主張なのだから。
 定義と感性の問題に帰着するのかもしれないけれども、私に言わせれば、絵画のタイトルの
大半にはそれこそ「知覚を変えさせるような対象との間のずれ、もしくは距離」なんてものは
ないわけで――あるいはそんなものに依拠しなければいけないのならば、わざわざ描く必要なんて
どこにもない、とすら思う。ちなみに氏の挙げた「イカロスの墜落」などはこの定義にはまりません。
理由は簡単、空を飛べないなんて当たり前のことで、墜落などのどかな日常を揺るがすものでは
有り得ないから。また同時に、日常性の危うさなんて、これも当たり前のことで、いちいちタイトルに
教わらねばならないことではないから――、例えば「無題」が現代においては意味を持ってしまう、
という指摘は全くもってその通りなのだけれども、その一方で、識別記号としての「なまえ」と
「タイトル」の差異や境界をめぐって、むしろ現行の用法の方を捻じ曲げる必要すらあるように
思われてしまう。
 また、全体に漂う権威主義的な臭気が時に不快でさえあった。

 最後に引っかかってしまうのはやはりこの本のタイトル。果たしてこのタイトルは氏の掲げた
定義を満たしているのだろうか、と。(それとも、これは「藝術」ではないからよろしいのでしょうか?)
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