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考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書)
 
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考えることの科学―推論の認知心理学への招待 (中公新書) (新書)

市川 伸一 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

日常生活での思考は推論の連続といえる。その多くは論理形式に従うより、文脈情報に応じた知識を使ったり、心の中のモデルを操作してなされる。現実世界はまた、不確定要素に満ちているので、可能性の高さを直観的に判断して行動を決めている。推論はさらに、その人の信念や感情、他者にも影響される。推論の認知心理学は、これら人間の知的能力の長所と短所とをみつめ直すことによって、それを改善するためのヒントを与えてくれる。

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5つ星のうち 4.0 形式論理と人間の推論の齟齬、そしてバランスの重要性を示唆, 2006/3/15
By akiaki (東京都足立区) - レビューをすべて見る
本書は、人間の推論の特徴を明らかにする書。本書では、推論のさまざまな方法・ツールを紹介(形式論理による推論、帰納、演繹、確率・統計・相関/回帰(共変原理)・問題解決に向けての推論の係わり方など)する一方で、これらを人間が用いて推論すると、誤った判断・解釈・推論がなされることがある、ということが指摘される。また、これと似たことではあるが、論理的に推論を展開したとしても、それが、人間が感じとっている直観とかなり乖離する場合があることを指摘し、論理展開(理論)と直観のバランスを考える必要性があることが示唆されている。
最終的には、人間の推論は、形式的な論理に沿ってではなく、問題領域に固有の知識に基づいて行われ、さらにそこに、信念・感情・期待・社会関係などが関わるあまり誤った判断・推論をすることがあることが主張される。しかし、本書の最も言いたいことは、こうした人間の欠点を指摘することにあるのではなく、このような推論の間違え・人間の非合理的な部分を積極的に認め、そうした欠点から生じる誤解や対立・紛争をなくしていくような方法を開発していきたい、という思いにありそうだ。詳細は本書を参照されたい。
本書は、人間の思考・推論のプロセスについて、かなり幅広く押さえられており、またそこで生じる人間の誤判断・誤解釈が何故生じるのか、という点にも言及しており、知的興味をそそる内容となっている。一言で言えば、人間の情報不完全性という点に帰着してしまうのであろうが、本書はその内容ついて認知心理学の点から迫る。また、統計学の推定や検定の概念、また確率論におけるベイズの定理をとても平易に教えてくれる。特に、ベイズの定理の理解に苦しんでいた私としては、とても参考になる書であった。
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 バランスの良い解説書, 2007/8/2
論理的推論や確率推論に関する同種の解説書は多々あるが、説明の平易さ、例題の判りやすさなどで群を抜いている。特にベイズの定理、事前確率、事後確率の説明はとてもわかりやすい。定義や式のみを羅列する解説書が多い中で、その背景や陥りやすいワナ等にも触れられており、とてもバランス感が良い本である。各分野の専門家にはさすがに新しい発見はないだろうが、専門家一歩手前くらいの人には多いに勉強になる。実際、私も三囚人問題にはどうしても直観的に理解できずしばし悩んでしまったが、6章のルーレット表現を見てようやく理解できた次第。
惜しむらくは、新書版ゆえの物理的制約と、テーマが広範すぎるために、各章で消化不良感を感じること。各章末に参考文献が挙げられてはいるが、挙げられている参考文献自体がやや著者の専門分野(認知心理学や教育学)に偏っているところも残念。
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11 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 人間は合理的で賢いものなのか, 2004/11/20
By omr (東京都大田区) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
人間の日常的な推論に認知的な制約や感情的な要因が入って合理的にならない。著者の問題意識は、そのバイヤスやエラーに焦点を当て思考の改善を図っていこうとするものです。

本書でも紹介されているいくつかの事例で、自分自身もはっとするような思考の誤りを気づかされることがありました。印象的だったのは、「確率・統計」で1賭博者の誤解(コインで四回続けて表がでた後は裏が出そう、これは誤解)2大数の法則(確率は標本が大きくならないと、本来の率に収束しない。標本が小さいとイレギュラーもありうる)3相関関係から単純に因果関係を推測してはいけない4長い目で見ると、結果は回帰の平均に近づく・・など。特に「ベイズの定理」における、「事前確率の無視」は良くあるエラーです。<

他にヒューリスティックなエラーは上記以外に「検索容易性」(たまたまある利用し易いデータで判断してしまう)や「アンカリング」「ステレオタイプ」「推論は自分を守り・他者に同調し・期待に沿ったものになること」なども紹介されています。冒頭の著者の意図にしたがい、認知心理学の成果が網羅的に叙述されており、時々は自分の思考をここのリストに照らしてチェックしてみるのが有効かもしれません。

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