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大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書)
 
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大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史 (中公新書) (新書)

苅谷 剛彦 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

本書は、欧米との比較もまじえ、教育が社会の形成にどのような影響を与えたかを分析する。

登録情報

  • 新書: 226ページ
  • 出版社: 中央公論社 (1995/06)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4121012496
  • ISBN-13: 978-4121012494
  • 発売日: 1995/06
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 15年後から振り返って。, 2008/4/13
本書の初版は1995年だから、既に15年近くが経過したことになる。今では、著者が本書で問題とした素朴な学歴社会批判は、あまり目にしなくなった。欧米でも学歴が(しばしば日本以上に)重要な役割を果たしていることは広く知られるようになってきたし、理想としての「実力」と現実としての「学歴」を対比して優劣を論じるようなナイーブな議論も、以前に比べ流行らなくなってきたように思う。また、能力別クラス編成や補修の実施は生徒の劣等感の助長につながるからけしからんといった奇妙な平等主義も、少なくとも教員集団の外では、もはや賛同を得ることはないだろう。その意味で、著者が本書で企図した教育にまつわる諸神話の破壊は、確かに達成されたと言ってよい。

しかし残念なことに、教育政策が実証データの分析よりも人々が抱く情念やイメージによって決定される傾向は、過去十数年間いっこうに改善しておらず、むしろ悪化しているように思える。「個性の尊重」「生きる力」「ゆとり教育」「学歴低下」「学級崩壊」「愛国心」「モンスターペアレント」と、次から次へとキーワードが生産され、消費される。古い神話は新たな神話に置き換えられただけであった。いつの日か皆がクールダウンして、著者が提案する「教育と社会との冷静な検証」が議論の主流を占める時が来るのだろうか。どうも見通しは暗そうである。
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5つ星のうち 4.0 機会平等をゆえの不平等社会, 2005/1/26
 私は高校生の頃、日本ほど平等な国は無いと思っていた。階級社会の欧米と違って、日本ではテストで合格点さえ取れば、誰でも希望する進路に進めたからである。しかし、東京大学生の保護者の収入が日本一という結果を聞いて、やはり裕福な家庭の方が有利なんだと感じた。しかるにこの本を読んで、保護者の収入だけでなく社会的階層も子弟の進路に有意に影響することが分かった。そして、日本も欧米以上に社会的階層が固定されていて、教育機関が不平等の再生産に力を貸している事も理解してしまった。不平等の再生産を許している動力源が平等主義とはなんとも皮肉なことか。少し読み難かったので一点減点。
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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 受験をめぐる幻想, 2002/9/12
 私が大学に入ったとき、ある週刊誌で、都内で有力な3つの総合大学の新入生の統計の比較記事が載っていた。一つは国立大学、あとの2つは最有力とされる私立大学だったが、新入生の親の平均年収が最も高いのは、おそらく大方の予想に反して、某国立大学だった。イメージ的には私立の一方の大学がよほどお金持ちが集まるという印象があるのですがね。そのときは、その話は読んで驚きつつも、飲み会のネタとして私の中では終わってしまったのだったのだが、この本を読んで、まざまざとその記事を読んだときの衝撃を思い出した。そう、日本の選抜制度は、極めて価値中立的に、誰にも平等に開かれている機会であり、それがゆえに能力の証明として権威を持っているにもかかわらず、結果を見れば、なんだか違うことが分かる。

 そのような仕組みができるにあたっては、色々な人のいろいろな価値観、情念、思い込みが複雑に錯綜し、しかしそんなものでは打ち勝てない冷徹な現状があるということを、淡々と統計を用いて筆者は論じる。そして、受験へのアンチテーゼとして現れた「人物重視」「面接重視」に潜む落とし穴さえ相対化して論じ、これが一筋縄ではいかない問題だということが非常によくわかる。受験から一息離れた大学生以降の人にお勧めの本だと思います。なんとなく言葉にできない、だけど実感しているもろもろの受験をめぐる疑問が、うまくできたジグソーパズルのようにぴったりはまる気持ちになれるかもしれません。

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