by 船橋 洋一
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by ドン オーバードーファー
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by チャック ダウンズ
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by Joel S. Wit
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The Peninsula Question: A Chronicle of the Second Korean Nuclear Crisis by Yoichi Funabashi |
戦争勃発さえ危惧された対立関係は、それから18か月に及ぶ両国の外交努力で再び緩和に向い、1994年10月ジュネーブで「米朝の合意された枠組み」(いわゆる「枠組み合意」)が調印された。この合意に基づいて、米国、日本、EU、韓国の4者によるKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)が作られ、朝鮮半島はもう一度非核化に向けて歩み出すのだが、2003年1月、北朝鮮は再びNPTからの脱退を宣言し「枠組み合意」は死文化してしまう。核危機の再燃である。
著者のケネス・キノネスは、第一次「核危機」のあと「枠組み合意」達成に働いた米国務省北朝鮮担当官である。その外交努力の詳細は前著『北朝鮮―米国務省担当官の交渉秘録』で語られている。これに次ぐ本書では、米朝間合意を履行するために「寧辺」入りした著者たちのチームが、水道管も凍る劣悪な生活環境の中で、使用済み燃料棒8000本の保管作業に黙々と取り組む姿が日記風につづられる。
「シャンデリアの下で、緑色のフェルトをかけたテーブルをはさんで交渉する外交官たちは、目を見張るような合意を作り出すことができる。だが、誰かが外交を超えて体を動かし、合意事項を履行しない限り、その合意は紙の上の言葉に過ぎない」。しかし「チームの面々はキャリア強化とも金銭的報奨とも無縁」の「姿も見えず忘れられた存在」であった。そういう彼らが現場で決断する際、「自分の昇進や昇級への考慮が重要な役割を果したことは一度もない」という。彼らが目指していたのは、ひたすら信頼の構築だった。
シャンデリアの光の届かない寧辺で、文化、言語、技術のまったく違うアメリカ人と朝鮮人が、両国間に立ちはだかる不信と敵意の厚い氷を、お互いの体温で辛抱強く溶かそうとしていた。外交の本質を考えさせられる本である。(伊藤延司)
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