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世界文学を読みほどく (新潮選書)
 
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世界文学を読みほどく (新潮選書) (単行本)

by 池澤 夏樹 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

私たちは、物語や小説によって、自分たちのいる世界を表現し、同時にそのありかたを掴んできた。では、小説とは何か。世界はどう私たちを取り囲んでいるのか。小説と世界は、どのように影響しあい変遷し、その結果どこに達したのか。稀代の読み手であり、誠実な発信を続けてきた作家が、21世紀の今に生きる人々に向けて語る、文学観・世界観の集成。京大講義録。


内容(「MARC」データベースより)

我々は物語・小説によって、世界観を表現してきた。つまり世界と共に小説も変わるのだ-精選した10の小説を題材に語る、著者の文学観・世界観の集大成。京大講義録。

Product Details

  • 単行本: 455 pages
  • Publisher: 新潮社 (2005/1/15)
  • ISBN-10: 4106035448
  • ISBN-13: 978-4106035449
  • Release Date: 2005/1/15
  • Product Dimensions: 7.5 x 5.1 x 1.3 inches
  • Average Customer Review: 4.5 out of 5 stars  See all reviews (8 customer reviews)
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14 of 18 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 人生について知るべきことは、すべて「カラマーゾフの兄弟」の中にある、だけど・・・, 2005/2/8
著者の京都大学文学部での14回にわたる講義をまとめたものである。総論、作品解説(海外作品10作と著者の「静かな大地」)、総括からなる。小説の起源を神話にたどり、ゴシップも重要な要素とする。小説は旅のようだとも語っている。
 19世紀に一応の完成を見た小説が現在新しい展開を迫られている、世界がだんだん崩れて破片化しているという。著者の問題意識はカート・ヴォネガットの著した「スローターハウス5」の中の「人生について知るべきことは、すべてフョードル・ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の中にある、・・・だけどもう、それだじゃ足りないんだ」という台詞が代弁しているとのこと。
 そのほか著者の商売上の秘密が公開されているのを読むのも楽しい。例えば著者の「夏の朝の成層圏」ではロビンソン・クルーソーをフレームとして使ったこと。島を舞台とする小説ではまず地図を書くこと。小説を志す人は自分の作品をけなす批評家としての自分に打ち勝たなくてはならないこと、などなどいろいろある。
 巻末に付録としてガルシア・マルケス「百年の孤独」読み解き支援キットとして、家系図・人物の出入りのリスト・エピソードの目録がある。作家が作品を作るプロセスを「合成」のプロセスとすると、逆の「分解」のプロセスを実行したと考えられ、これからも著者のノウハウが窺える。
 
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6 of 9 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars 小説を読む楽しさを教えてくれる, 2007/1/3
数多ある小説に一つの系譜を読み取るとすると、こんな具合になるのかと感服しました。スタンダール、ドストエフスキーの小説は「一人の神から派生したディレクトリ、樹木状の構成」をした世界であるが、「世界は個々の項目の羅列から成り立っていて、それらの間には関係性が深いものと深くないものがある。全体を統一するディレクトリはない」ことをメルヴィルは『モービ・ディック』で書きたかったのではないか、そしてジョイスの『ユリシーズ』がこれを極め、ガルシア=マルケスが『百年の孤独』で新たな小説を提示する。それは細部と全体が同一のパターンを示すフラクタルにつながる。

小説を読むことの楽しさをつくづく教えてくれます。挫折していた『カラマーゾフの兄弟』を読み始めたくらいです。そしてレメディオス・バロや入沢康夫など、池澤夏樹がこだわっている人もまた魅力的。これでは人生が何百年あっても退屈しない気にさせる。

ただ、池澤氏の解釈もまた、バラバラに存在する小説群に一つの「樹形図」を見出そうとするものではないのかと思いますが、これまた余計な一言でした。
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9 of 14 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 充実した時間をありがとう!, 2005/3/14
2年ほど前から池澤さんの作品を読んできました。この作品は小説やエッセーや読書関連の作品とは一味違う大学の講義録ということで、どんなものだろうかと思って読ませていただきましたが、はっきり言ってベリーグッドでした。取り上げられた11作品のうちの3作品しか読んではいませんでしたが、読んでない作品についてもとても面白く、読んだような気分にさせられてしまいました。世界の名だたる文学作品を一つずつ読むことを通して、今の我々の直面している世界とはどういうものであるのか、今の人はどういう入れ物の中で息をしているのかということを明らかにしていただいたと思われます。随所に挟まれる最近の世界や日本の状況へのユーモアに溢れた鋭い指摘も、池澤さんならではの内容と切り口で何度も頬を緩めてしまいました。読み終えてみると、文学論・文学作品の鑑賞というよりも、むしろ『世界のために涙せよ』の番外編とさえ感じられました。3日ほどかかって読みましたが、充実した時間を本当にありがとうございました。またおかげさまで、読んでなかった作品もいよいよ読んでみたくなりました。
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