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敵
 
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敵 (単行本)

筒井 康隆 (著)
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内容(「BOOK」データベースより)

渡辺儀助75歳。その脳髄に敵が宿る。「恍惚」の予感が元大学教授を脅かす。意識が残酷なまでに崩れていく…。筒井文学の達成を示す書下ろし長編。


内容(「MARC」データベースより)

渡辺儀助、75歳を脅かす敵とは何なのか。老醜を晒す前に自裁を決意した元大学教授の死を前提とした生の光陰を緻密に描き、残酷なまでに衰え崩れゆく意識の襞の襞までを見すえた長編。

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5つ星のうち 5.0 筒井康隆、断筆解除後の傑作, 2004/1/4
このレビューの引用元: 敵 (新潮文庫) (文庫)
人間は老いには勝てないものである。死の前に老いがある。耄碌すればおのれを律することも出来ない。人間にとって「敵」とは畢竟、死とその前にある老いではないだろうか。

妻に逝かれ、一人暮らしをする75歳の元大学教授の話である。前半部分は、老人の生活について、細かく、丁寧に描写されている。それが食事についてのことであったり、物の羅列であったり、実に瑣末な事柄であるのだが、そこは流石は筒井康隆である。孤独な食卓の風景を饗宴のように、机の引き出しをおもちゃ箱のように描き出すのである。主人公の老人は、規律正しく、ストイックな生活を自らに課している。そこに、理性的な生き方を貫こうとする、老人の美しい姿を見て取ることが出来る。彼は自己を、そして他者を冷静に見つめている。そして彼は、自分の死までも自分で見届けようとするのであるが・・・。

擬態語、擬声語が初めから最後まで一貫して普通ではない。これは何を意味しているのだろうか。その辺りを注意して読まれたし。

長編であるが、短い章に分かれており読みやすい。章のタイトルだけでもわくわくしてしまう。断筆解除後あまり面白い作品がなかったが、これは傑作といってよい。ドタバタはないが、面白い。読み終えた時の寂寞感と、その後に来る静かな昂奮とを約束しよう。

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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 筒井作品中の最高傑作の一つ, 2006/1/27
このレビューの引用元: 敵 (新潮文庫) (文庫)
極端に読点の少ない特異な文体を頭の隅でやや気に留めながら、知らず知らずのうちに狂気の世界に釣り込まれていきます。
筒井ファンならずとも是非読むべき一冊。
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 もしもの自分・・・, 2004/12/7
By  (福島県郡山市) - レビューをすべて見る
このレビューの引用元: 敵 (新潮文庫) (文庫)
筒井康隆の世界を垣間見る事の出来る作品。
年老いて感じること、見える部分、感じる部分の他に
見えず感じず、ただ漠然と広がる歳をとる事への恐怖が、
前半の規律正しい描写から、後半へかけて恐怖に呑まれていくさまへと
よく表現出来ていると想う。
核心に触れそうで触れない描写、
そこが筒井康隆の面白い所だと想う。

これを読んだのは発売当初だが、なんど読み返しても
筒井ワールドに吸い込まれる面白い作品。

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5つ星のうち 5.0 さすが。
「敵」って一体何なのだろう、と思わせるストレートなタイトル。
さすが筒井康隆氏。軽快そしてじわじわと見えてくる「敵」の正体。
主人公は偏屈な老人。そ... 続きを読む
投稿日: 2002/6/5 投稿者: 小松凛。

5つ星のうち 5.0 微細な日常
端正な文体である。読点は必要最小限しかないのだが、読みにくさは感じない。そして抑えたユーモア。この作者の作品で美しい文章というと『旅のラゴス』を思い出すが、『敵... 続きを読む
投稿日: 2001/2/5 投稿者: よんひゃん

5つ星のうち 5.0 さすがです
全編儀助という老人の生活が書かれているのだが、なるほどという老人観。世間一般の老人特有の頑固さなど、老人側から書かれており、世間の見方とのギャップが面白い。儀助... 続きを読む
投稿日: 2001/1/7 投稿者: 渡部 一善

5つ星のうち 4.0 敵って何?
筒井康隆さんは高校の時分、図書室で「笑うな」を読んで以来のファンです。「時をかける少女」とか。... 続きを読む
投稿日: 2000/12/19

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