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国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて
 
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国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて (単行本)

佐藤 優 (著)
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国家の罠
著者はロシア外交のプロとして鳴らした外交官であったが、2002年、いわゆる「鈴木宗男事件」で背任と偽計業務妨害の容疑により逮捕された。512日間に及ぶ拘置、独房生活の末、今年2月の第1審で下された判決は「懲役2年6カ月、執行猶予4年」。著者は即日控訴の手続きを取った。

本書は、著者の目が捉えた事件の内幕を赤裸々に綴った手記である。逮捕前夜に渦巻いていた外務省内部の権力闘争や自民党の内部抗争、さらには本件を「国策捜査」であると明言したという検事とのやり取りを、冷静に再現していく。また、政治家・鈴木宗男を著者は極めて高く評価している。バッシングにさらされた“腹黒い政治家”というイメージとは対極にあるような意外な人物像が浮かび上がってくる。


(日経ビジネス 2005/05/16 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)



出版社/著者からの内容紹介

『自壊する帝国』で第38回大宅ノンフィクション賞受賞した佐藤
優、衝撃のデビュー作。外務省、検察庁、永田町を震撼させ「国策捜査」を日本
中に知らしめたた告白手記!
外務省元主任分析官は、政治と外交の最前線で何を見たのか?
有能な外交官にして傑出した情報マン──。国を愛し、国のために尽くしたにも
かかわらず、すべてを奪われた男が、沈黙を破り、「鈴木宗男事件」の真実と、
「国策捜査」の実態を明らかにする。
「背任」と「偽計業務妨害」容疑で逮捕され、東京拘置所での拘留生活は、なん
と512日にも及んだ。2005年2月に下された第一審判決は懲役2年6カ
月、執行猶予4年。しかし、男の闘いはまだまだ続く──。

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5つ星のうち 5.0 読んでおくべき一冊, 2006/7/10
私はほんものの外交、政治といったことからは遠い野次馬的一読者にすぎないが、

本書で一躍流行語になった感のある「国策捜査」がいわば「考えない世論」の時代的要請に応える政治権力の発動とするならば、本書は相反して「考える世論」を構成する主体的判断者にむけた、著者の渾身のメッセージ、ということになろう。

通読した心証では、著者は全身全霊を傾けて日ロ外交交渉舞台裏の職務にあたり、本書の記述にも大きな嘘は無いように思われる(当然、私ごときに検証する術はないものの)。が、いずれにせよそれには主観的判断として、という但し書きがついてしまうのである。ことは時として当事者近隣者の主観からまったく離れたところで人を刺す。著者は鈴木宗男氏を「嫉妬に鈍感」と評している。じつは有能な著者自身も全く同じ陥穽におちた、ということではなかろうか。

この重すぎる問題についての感想はなんとも言いようがないが、一つ希望を持たせられるのは、厳しい取り調べ対立の中で成立した、担当検事との非常に深いところでの交流である。同時に、ロシア、イスラエル関連で披瀝される沢山の挿話も、これとは別に注目熟読に値する。

中央官庁関係でなくても、なんらかの意味で組織、政治、外交、情報に類することを扱わざるを得ない多くのひとたちが、一度は眼を通しておくべき著作と思う。
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7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ずしっとくる読み応えの一冊, 2007/10/29
漠然と外交に興味を持っていたものの、初めて読んだ一冊。
全体に渡って、いかに体を張って命をかけて(!)外交に望んでいるかがひしひしと伝わってきた。
興味深かったのは、外務省官僚として、政治家に対してどういう態度で接し、政治家の言葉の裏をどう読んでどういう態度を取ってきたかの部分。こういうところは書いてくれたものを読まなければ一般国民にはわからない。

インテリジェンスに関わる過程で鍛えた記憶力での再現なのか、それとももともと小説家としての会話構成力の素質が備わっているのか、人物のやり取り部分(著者と政治家、そして検事)の会話部分はかなり読ませる。とても引き込まれた。これがこの本の醍醐味だと思った。

ただ、一部の官僚の言葉としてでてくる「国民には本当の識字率なし」の部分は、アンタがた外務省官僚が外交やってる間にこちら一般国民は違う仕事をやってるんだから当然じゃないの?と思う(もちろん有権者としてメディアからわかる範囲でできるだけ賢明な判断をする努力は大事だけど)。それに、外交のような逐一国民に知らせずに動向を知らせずにプロとしての信頼感を元に進めて行く仕事になればそうなるのはなお当たり前のことだ。ただ、それによって生じる官僚と一般国民の間の認識というのはなかなか埋められないから、むずかしいのだろうけど。(だいたい、この本で語られている佐藤氏のようなライフスタイルでは、家族だってまともに持てやしない)

 検察が官僚や政治家を起訴するためのハードルが、マスコミが騒ぐものさしまで低くなっているというところがあるが、これは最近医療事故関係の裁判についてある医師が書いた批判にも当てはまることだ。多くの人々が関わるゆえに一般人が監視・批判しなければならない物事でも、一方ではプロにしかわからないことは多い。こういう場合、一般人vs専門家で対立するしか道はないのだろうか?と考えてしまう。

 この本を前から読み始めるといろいろ著者に対して言いたい疑問点が出てくるが、それが見事に後半の検事と著者の取調べの会話の中で検事の口から言葉になって出てくる所が面白かった。これが著者の意図だとすれば結構計算されているのではないだろうか。また、検事がものさしを低くして一般国民の目線になっている、というようなことをあらわしているようにも思える。
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94 人中、82人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 上四半期最大の収穫の1つ, 2005/3/29
By isayamabushiko - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
面白ですよ、これ。週刊新潮と週刊文春は宗男バッシングの急先鋒だったと思いますが、なんで佐藤さんの手記が新潮社から出るのか? そんな疑問もありましたが、ともかく引き込まれる手記です。
外務省をめぐる一連の騒動の内幕が暴露されています。田中眞紀子さんの大臣就任で大混乱をきたした外務省が、無茶苦茶をやる田中外相に対抗するために、橋本-小渕-森政権で重用されていた鈴木宗男議員とそのラインに連なる官僚を持ち上げる。田中外相が追放された後は鈴木議員を切り、旧政権派の鈴木ラインである東郷和彦、佐藤優がパージされる。一連の経過はまともに名指しで「誰がどうした」、「誰が誰をどう評価していた」などと書いてあります。例えば、省内では佐藤追放に小寺ロシア課長が暗躍していたとか、駐露大使が「小寺は馬鹿です」と宴会の会場で公言したとか。また、官僚の生態の描写も出色です。「日本人の実質識字率は5%だからなあ」と言い切ってしまう外務省幹部。「これは国策捜査なの」(おいおい)と言い切ってしまう特捜検事。暴露ものとして十分に面白いのですが、佐藤さんの能力は大変なものだと思いました。ロシアをめぐる複雑な外交事情を明晰に分析して素人にも分かり易く説明してくれており、勉強になります。この能力は並大抵のものではありません。やはり彼は有能な情報官僚であったのでしょう。また、人間洞察も鋭いものがあります。面白いばかりでなくいろいろ考えさせられる本です。
なお「機微な」という言い方が頻繁に出てきますがこれは外務省特有の言い回しなのでしょうか。
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