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ニッポニアニッポン
 
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ニッポニアニッポン (単行本)

by 阿部 和重 (著)
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Product Description

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   著者は、渋谷を舞台としたプルトニウムをめぐる攻防を刺激的に描いた『インディビジュアル・プロジェクション』で注目を集めた「J文学」の旗手。第125回芥川賞候補作となった本書は、国の天然記念物「トキ」をテーマに、日本という「国家」の抱える矛盾をあぶりだした中編小説だ。

   17歳の鴇谷(とうや)春生は、自らの名に「鴇(とき)」の文字があることからトキへのシンパシーを感じている引きこもり少年。日本産のトキの絶滅が決定的であるにもかかわらず、中国産のトキによる保護増殖計画に嬉々とする「欺瞞」に違和感を抱いていた春生は、故郷を追われたことをきっかけに「トキの解放」を夢想しはじめる。その選択肢は「飼育、解放、密殺」のいずれか。「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」という自らが描いたシナリオを手に、スタンガン、手錠、催涙スプレーで武装した春生は、やがて佐渡トキ保護センターを目指す…。

 「俺を一人にしたことを、この国の連中すべてに後悔させてやる」と決意する春生は、拠るべき場所もなく孤独にさいなまれながら生きる現代人の「いらだち」を増幅させた人物。現実と虚構との境界が崩れてしまった若者だ。本書がきわめてスリリングなのは、その虚構への扉が読み手にも開かれている点だ。春生が情報収集するサイトは、ほとんどが現実に存在する。「虚構」の象徴とされるインターネットが、本書では読み手と春生をリアルにつなぐ重要な接点となっている。読み手をたえず挑発し、いつしか作品世界へと巻き込んでしまう快作だ。(中島正敏)



内容(「BOOK」データベースより)

俺の人生に大逆転劇を起こす!ネットで武装し、暗い部屋を飛び出た引きこもり少年は、いかにしてニッポンに叛逆したのか?国家の象徴トキをめぐる革命計画「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」とは何か?研ぎ澄まされた知的企みと白熱する物語のスリルに充ちた画期的長篇作品。

Product Details

  • 単行本: 158 pages
  • Publisher: 新潮社 (2001/08)
  • ISBN-10: 4104180025
  • ISBN-13: 978-4104180028
  • Release Date: 2001/08
  • Product Dimensions: 7.6 x 5.4 x 0.8 inches
  • Average Customer Review: 3.6 out of 5 stars  See all reviews (9 customer reviews)
  • Amazon.co.jp Sales Rank: #434,672 in 本 (See Bestsellers in 本)

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7 of 12 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars テロ, 2002/4/22
By A Customer
 近年の日本の問題(犯罪の低年齢化・ひきこもり・ストカー)を凝縮した小説ではないだろうか?主人公である春夫は、変質的なストーカー行為をしたことで、高校を退学させられ、故郷まで追い出された。自分のことを見くびった社会や親への反発から、トキを殺すという、テロを決行する。

 芥川最終候補作だけあって、読者を十分惹きつける力のある小説だった。

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3 of 5 people found the following review helpful:
4.0 out of 5 stars テーマの重さを感じさせぬ笑いを交えたブラックユーモア作品, 2001/9/25
By 仁岸 稔 - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 鴇谷春生は自分の姓に「鴇」が使われていることから、以前からトキに関心があったが、中国からヤンヤンとヨウヨウを迎えての保護増殖計画を知り違和感を覚える。中国産トキの血を受けたニッポニアニッポンって変ではないかと思う春生は、インターネットで情報を集め、周到な計画を立て、トキの純血と名誉を守るため武器を持ち、佐渡の保護センターに侵入するのだが……。

 物語は“ニッポニアニッポン”を逃がすという途方もない犯罪計画をブラックユーモアとして描いた作品。考えると確かに中国産のトキにより繁殖させているニッポニアニッポンの存在はおかしなことだが、それを逆手に取ってブラックユーモアとしているのは、その着眼点には感服させられます。引きこもり少年の主人公が、ニッポンに対して起こす行動、そして革命的な計画はテーマの重さを感じさせぬ笑いを交えた画期的な作品となっています。

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3 of 6 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ニューヒーロー現る!?, 2002/3/26
スリルなんて求めちゃダメよ。手に汗握るような経験をしたい人は映画でも見た方が確実です。確かに見た目は国家転覆を狙うテロ小説かもしれないけれど、それは上辺の形がそうなのであって、最後まで読んでみて『なんだあ、この結末は!?』と憤慨するのはお門違いです。ちなみに政治問題に対するブラックユーモアだという見方にも賛成は出来ない。っていうかこれがユーモアだったら僕は悲しい(笑)だからといって『じゃあなんだ?』って言われたら困るんだけど(笑)、たぶん大切なのは救われないってことなんじゃないかって思う。別に少年法の問題に結びつけるつもりはないけど、18歳だから救われるなんて嘘だってことじゃないかなあ。だから〈救われる〉瀬川文緒にはみんな親近感を抱いちゃうんだろう。だって彼女は〈これまで理解されてきた典型的な少女〉だから。
皆さんの目の前に現れる鴇谷春生という人物は、僕らにとって出会ったこともなければ、理解もできない人物である。しかしだからこそこの作品は面白いし、また読むべきなのだ。鴇谷春生の無茶苦茶な理論に腹を抱えて笑うべし。
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5.0 out of 5 stars 小説と映画
阿部和重の小説は映画の為にあると言っても過言ではない。
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