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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

『風姿花伝』『花鏡』などの芸論や数々の能作品を著した能の大成者・世阿弥。彼が佐渡へ流されたのは、七十二歳の時だった。それから八十過ぎまでの歳月の中、どのように逆境を受け止め、老いと向き合い、そして死を迎えたのか―。

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12 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 湘南ダディは読みました。, 2007/11/26
本作は佐渡へ遠島された能楽の鬼才、世阿弥の晩年を描いたもので読み終わりますと人間の晩年の潔い生き方についてしみじみと考えさせられる作品です。

世阿弥は、始祖である観阿弥に天才として育てられ類稀な美貌から、時の将軍義満や当時の学識芸能の一人者であった摂政、二条良基准后から稚児として寵愛をうけこの2大パトロンの庇護の下、大衆のものであった猿楽を幽玄の芸にまで深化させますが義満や准后の死後、芸敵の他流派からの怨嗟もあり、座長を長男元雅にゆずり出家するも田楽を好んだ将軍義教には御所への立ち入りを禁じられてしまいます。

世阿弥には元雅、元能、娘千浪の子がありましたが元能は出家しその後元雅は伊勢安濃で人手にかかり客死してしまいます。そして72歳になった時、妻も供の同道も許されず、一人佐渡へ遠島されます。まさに人生と芸道の絶頂から地獄へと突き落とされ、名作俊寛を地で行くように当初は孤独と身の不幸を嘆き悲しむのですがやがて沙江という最後の10年を共にする女性を得てから世阿弥は悟ったように佐渡での生活を生き抜いていきます。
わが命の果てをしっかり見極め、息を引き取るまで後の世で能を鑑賞してくれるであろう見知らぬ有縁の人々のために新しい能を書き残そうと決意するのです。
折があれば、一代の名人芸を島民に披露し耳が不自由になり目が見えにくくなっても、新作「金島書」を書きます。そして新作が思い浮かんだといって、眼が見えるように自ら「秘花」としたため倒れるのです。沙江は、世阿弥の遺骨をさびしくなると少しずつ食べながら守り世阿弥が言ったとおり、訪れてきた次男の元能に、在りし日の世阿弥を語ります。

80歳台の既に半ばの瀬戸内寂聴さんがこれだけの史実を丹念に調べられ、男と女の情念の果てを描きつくされたそのエネルギーに敬服します。老いとは、人生とは、死とは、といった命題にあらためて思いを寄せさせてくれる作品です。
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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 「世阿弥」へ精力傾注の大作, 2007/5/24
 いわれなき罪により佐渡へ送られた後、世阿弥は晩年をどう生きたのか?……足利義満の寵愛を受け、能楽を大成した世阿弥の生涯をドラマチックに描いた本作。特に後半、謎に包まれた佐渡配流後の暮らしに光明を投じた点が注目される。
 
  ……義満の死を境に栄光から見放され、絶望と悲嘆の中、送られた佐渡。しかし、そこは自然に恵まれ、人情の篤い土地だった。72歳にして人生の再出発をかける世阿弥。島の女性・沙江をそばに置き、寺のひと間でつましい生活を送るうち、彼は心の平安を得てゆく。

 芸一筋の情熱は常に失わず、耳目が不自由になってからも謡と仕舞の稽古を続け、新しい能の創作に取り組むなど日々エネルギッシュ。そして、死が訪れる8年余りの歳月のうちには、沙江との間に「花と幽玄がからみあい、とけあった濃密な夜の舞があった」……。
 
 作者の描く世阿弥の晩年は、冬の日だまりのような静穏な明るさと温もりに包まれている。また、そこに甘く秘めやかなエロティシズムを注いでいるのはいかにも寂聴さんらしいところ。この歴史が沈黙する部分を照射し、島での生活をこれほどイメージ豊かに描いた作品は過去にないだろう。

 一方、物語の冒頭から主人公が独白し、回想のスクリーンに浮かび上がらせる前半生についても見逃せない。とりわけ、余命いくばくもない父・観阿弥が病床で、世阿弥に対し芸の極意、能の奥儀を諄々と説く場面は感動的だ。

「……儚(はかな)さから言えば、人の命ほど儚いものがあろうか。……男時の栄えに驕らず、女時の悲運にくじけることなく、己が本分を切に尽すことだけだ」……。

 こうしたまるで能の調べを聴くような華麗沈痛な語りのうちに、世阿弥の栄華と凋落の人間模様が色濃く写し出されてゆく。そして、作品は深遠な仏教思想や無常観が主音調となり、また、冷え寂びた謡曲が通奏されて余韻、余情を盛り上げていることも付記しておかねばならない。

 完成までに4年の歳月をかけたという彫心鏤骨の大作。寂聴さんの「世阿弥」への精力傾注が作品の喫水線を深くしており、寂聴ファンのみならず能楽ファンにもお勧めの書だ。

  
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17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 寂聴、85歳の偉大な文学的達成!/世阿弥の生涯を端正な筆致で描破, 2007/7/25
By 小西昌幸 "先鋭疾風社" (徳島県北島町) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
■徳島県立文学書道館館長で作家の瀬戸内寂聴が、室町時代の能楽師・世阿弥(ぜあみ)の生涯を描いた■観阿弥(かんあみ)の子・世阿弥は、12歳のときその美貌が三代将軍足利義満に見初められ、寵愛を受ける。義満このとき17歳。以後、観阿弥・世阿弥親子の観世座は大きな人気を博し頂点に上り詰めてゆく。観阿弥は息子に言う。《この世には、全てが上向きに勢いづく男時と、勢いが衰える女時がある。女時には焦ってはならぬ。耐えよ》■世阿弥の生涯は波乱に満ちていた。妻・椿は、義満の愛妾だった女性。二人はしばらく子に恵まれず、世阿弥の弟の子・元重を養子にする。皮肉にもその後子宝に恵まれ、元雅、元能という2人の男子、千浪という女子を授かるのだ。元雅は才能があったが若くして死に、元能は出家する。そして養子・元重によって世阿弥は地位を脅かされる。父が死に、義満が亡くなり、観世座の人気にかげりがきざす。やがて気まぐれで横暴な六代将軍義教(よしのり)から世阿弥は一方的に佐渡に遠島を申し付けられるのである。極めて理不尽な扱いだが、世阿弥は全てを受け入れ佐渡に行く。このとき、彼は72歳。佐渡で世阿弥は80歳まで生きた。目も耳も衰える中、彼の胸に去来するものは――■本書は、2007年85歳になった作家の偉大な文学的達成である。



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投稿日: 2か月前 投稿者: 茶々丸

5つ星のうち 5.0 寂聴さんではなくて、、、
「はるみ」さんが書いたように感じました。
出家されてもいつも匂いたつような美しさは、なんなのかと... 続きを読む
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世阿弥が主人公ということで、風姿花伝が出てきます。... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: スウィート・チャリティ

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投稿日: 2007/6/15 投稿者: 能楽ファン

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