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痛いほどの美しさ。救いようのない悲劇。『The English Patient』(邦題『イギリス人の患者』)は、第二次世界大戦末期のイタリアのある修道院を舞台に語られる、4つの破壊された人生の物語である。疲れ果てた看護婦ハナ、障害のある盗人カラヴァッジョ、用心深い土木工兵キップ。そして彼らの心を捕らえる、ひとりの謎に満ちたイギリス人の患者。修道院の2階に横たわる、やけどを負った名前もわからないその男の熱情と裏切りと救出の記憶が、稲妻のように物語を照らし出す。マイケル・オンダーチェは詩的叙情にあふれた文体で、それらの登場人物たちを互いに絡み合わせ、固く結びつけたかと思うと、真実をえぐる鋭い感性で、織り上げた糸をほどいていく。
偉大な文学の要素をさまざまに備えた『The English Patient』は、ブッカー賞を受賞。詩人であり小説家であるオンダーチェの著作にはほかに、『In the Skin of a Lion』『Coming Through Slaughter』(邦題『バディ・ボールデンを覚えているか』)『The Collected Works of Billy the Kid』(邦題『ビリー・ザ・キッド全仕事』)、2つの詩集『The Cinnamon Peeler』と『There's a Trick with a Knife I'm Learning to Do』、そして自叙伝『Running in the Family』(邦題『家族を駆け抜けて』)などがある。
内容(「BOOK」データベースより)
舞台は第二次大戦下のイタリアの僧院。北アフリカの砂漠に不時着したパイロットが収容され、手当を受けている。「イギリス人の患者」としか身元を明かさない彼は、全身に火傷を負い、容貌も不明、記憶も喪失している。だが、瀕死の患者が若い看護婦に語り紡ぐ言葉は、この上なく深くミステリアスな愛の世界だ。美しい文章と濃密なストーリーで大きな話題を呼んだブッカー賞受賞作。