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ハンニバル・ライジング 上巻
 
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ハンニバル・ライジング 上巻 (文庫)

トマス ハリス (著), Thomas Harris (原著), 高見 浩 (翻訳)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

1941年、リトアニア。ナチスは乾坤一擲のバルバロッサ作戦を開始し、レクター一家も居城から狩猟ロッジへと避難する。彼らは3年半生き延びたものの、優勢に転じたソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれて両親は死亡。残された12歳のハンニバルと妹ミーシャの哀しみも癒えぬその夜、ロッジを襲ったのは飢えた対独協力者の一味だった…。ついに明かされる、稀代の怪物の生成過程。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ハリス,トマス
テネシー州生れ。ベイラー大学卒業。「ニューズ・トリビューン」紙記者、AP通信社デスクを経て1975年、『ブラックサンデー』で作家デビュー。その後は『レッド・ドラゴン』『羊たちの沈黙』『ハンニバル』及び『ハンニバル・ライジング』という、所謂“レクター四部作”しか著していない

高見 浩
東京生れ。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 2.0 ちとキツイ, 2007/5/14
 若き日のハンニバルレクター博士が見られることにとても大きな期待がありましたが、残念ながら
「羊たちの沈黙」「ハンニバル」などから想像される人物像に結びつきませんでした。
 作者のトマスハリスは、ハンニバルに続く続編への期待から無理矢理書かされたのでしょうか?
 
 まるで違う作者の作品のよう。

 イカレた日本観はご愛敬としても、作品タイトルだけでなく、もう少し関係作品との間に繋がりが欲
しかった気がします。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 番外編?, 2007/12/26
By かほひめ - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
 怪物と言われるハンニバル・レクター博士の少年時代を描いた作品。どうやって怪物が出来上がっていったのか、その生い立ちを追っていくのだけれど、やっぱりわからない。この人は、生まれついての怪物だったんじゃないかと思わせられる。

 第2次大戦で、親や家族を失ったり、自分自身も悲惨な目にあった子どもはたくさんいるだろうが、そのすべてが怪物になったわけではない。ハンニバルはもともと彼の中に怪物が棲んでいて、それが表に出てくるきっかけになったのが戦争による家族の死と紫夫人の出現だったのではないかと思う。この二つがなければ、彼の中の怪物は目を覚まさなかったか、もしくはもっと遅くなってから現れたのではないかと思う。

 何のためらいもなく人を殺す男。しかも、切り刻んだり、その相手の肉を自ら食べたり、普通に考えたら吐き気を催すような恐ろしい人間であるのに、なぜだか彼には嫌悪感を感じない。なぜだろう。彼自身の美意識に共感するからだろうか。

 この上巻では、家族と家庭教師のやコフ先生と過ごした時代と、叔父に引き取られてから紫夫人と過ごした日々を通して、どのように彼の人格が形成されていくかという点が読んで取れる。ある意味、この怪物を作り上げたのは紫夫人なのではないか。そんな風に感じた。

 ただ、今までにハンニバル作品になじんでいると、ちょっと毛色の違った作品ではあるので、違和感はあるかもしれない。これまでの流れとは切り離して、「番外編」として楽しむ作品だろう。
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50 人中、38人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 退行するハリス, 2007/4/20
By 不審な言動 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
レクター博士がもっとも魅力的だったのは「羊たちの沈黙」だった。「レッドドラゴン」も良かったけど、相手がグレアムであるかクラリスであるかは大違いだ。それほどまでにクラリスは偉大な登場人物だった。なにしろ、作者ハリスさえも飲み込んでしまったのだから。

前作「ハンニバル」はクラリスにぞっこんになってしまったハリスが「レクターとクラリスの物語」として書いた。いや、ぶっちゃけて言うと「俺とジョディ(フォスター)の物語」だった。
「ドラゴン」「羊」の頃のハリスは、一生懸命、アメリカ社会の中にいかにもいそうなレクターやダラハイド、バッファロービルたちを発掘していた。貧しさや暴力、虐待が子どもの心をどれほど蝕むか、地道に掘り下げていた。だから描写が少々冗長でも、緊張感があり、リアリティがあった。
「俺とジョディの物語」になると、人物造型の志向がなんだか変わってしまい、突飛であれば良い、視覚的にショッキングなら良い、というようになった気がする。地に足が着いていない。結句、物語は必然性や緊張感を失い、ジョディはクラリス役を降りた。ハリスは振られたのだ。

やはりジュリアン・ムーアでは満足できなかったのか、ハリスは別のクラリスを創造しようとした。それが本作の「紫夫人」なのだろうか、と思う。そして本作は、もはやリアリティなど志向しておらず、ひたすらレクター(ハリス)の内的世界を深めようとする。リトアニアやフランスではさぞ長期取材をしたのだろう(前作でもイタリアに長々といたみたいだし)。その成果は空しい。ハリスが創造したレクターの世界は、勧善懲悪っぽい幼児的な世界へと還元されていく。いわばハリスの「俺様ワールド」。

ハリスの俺様世界では、居酒屋チェーンのような名前のヒロインは、伊達政宗の子孫(宇和島ならぎりぎりOKだろうが…広島出身?)。昭和21年時点で「原爆の子」に折り鶴を捧げる風習はまだないと思うが(禎子は3歳だし)、まあ許せる。オマージュだろうから。しかし、その他の設定はちょっとついていけない。脱衣所で琴を弾かせるとか、シュールすぎる。俺様度が高すぎる。

結局、ハリスの「記憶の宮殿」でレクターは王子様になった。本作はその戴冠式なのだ。ただし、王子様を祝福してくれるはずのジョディはいない。永遠に満たされない魂を抱えて生まれ落ちた作品、それが「ハンニバル・ライジング」だ。
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投稿日: 2007/5/11 投稿者: ベンタ

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