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囚人狂時代 (新潮文庫)
 
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囚人狂時代 (新潮文庫) (文庫)

見沢 知廉 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

バリバリの新右翼リーダーだった著者は、スパイ粛清事件の実行犯として逮捕され、懲役12年の判決を受ける。留置場や刑務所には、かつて世間を騒がせた“ビッグ”たちがひしめいていた。「三越事件」の社長、「ホテル・ニュージャパン」のあの人、「金属バット殺人」の彼…。有名人の知られざる生態、長期刑務所という極限空間の奇妙な日常生活を描いた、異色の「笑える」獄中体験記。

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By yukkiebeer - レビューをすべて見る
(TOP 10 REVIEWER)   
 今年映画化もされた花輪和一著「刑務所の中」(青林工芸舎)を読むと、その能天気な懲役生活ぶりに、1週間くらいなら体験入所してもいいかなと思わず考えてしまいました。この大量失業時代に多少の規則と不自由さえ忍受すれば食うには困らないというのは羨ましい限り。三度三度の食事のためには前科者になるくらい大したことではない、と不埒な考えを持つ者が出るのではないかと心配したほどです。

 しかし一転してこの「囚人狂時代」で描かれるのは、これがあの「刑務所の中」と同じ日本の刑務所なのかと思うほど、漆黒の闇が果てしなく広がる恐怖の世界です。

 囚人の「腐った根性を叩きなおす」ために何時間も行動訓練と称して行進させ続け、いじめを繰り返す刑務所職員。精神に異常をきたして深夜ずっと奇声を発する受刑者や、痴呆のために排泄物を垂れ流すままの高齢の囚人。

 著者は獄中で小説を書き始めますが、その創作活動を快く思わぬ担当官4人によって狭い部屋に3時間も立たされ、四方から罵倒され続けるという懲罰を受けます。また真冬にパンツ一枚で数時間立たされ、手足の霜焼けが裂けて出血してしまうという憂き目にも遭います。

 ノートを処分されるなど、その創作活動を妨害されながらも、著者はなんとか執筆した原稿を面会に来てくれる母親の協力を得て獄外へ出し、ついには新日本文学賞を受賞します。

 このルポは、まさに貴重な奇書といえます。それでいて全編にシニカルなユーモアがあり、ウィットを忘れないその心が著者をして12年に渡る奇界生活をなんとか乗り切らせたのでしょう。

 但し、著者が刑務所に入るそもそもの原因は彼が人を殺したことにあります。人の命を奪った経緯やそのことへの悔悟の念、そして残された遺族への謝罪の気持ちといったものについては一切この本には書かれていないことを付言しておきます。

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16 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 刑務所内の思想と行動, 2001/4/16
By カスタマー
タフである。 外部者が思っている以上に、 刑務所というのは過酷であるあらしい。 そんな環境のなか、見沢は知恵を絞って 事故鍛練を続けた。その結果が、元服役囚の 純文学作家という立場を見沢にもたらした。

警務官の横暴などについて書かれた本は 多いものの、本書のように右や左をめぐる 思想が刑務所内でどのように語られ、生活

に影響を与えているかを叙述した本は始めて 読んだ。その他、クスリや精神病に関する記述 も生々しく、興味深い。

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20 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 極限は笑いに, 2003/4/20
By グブリー川平 - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
「悲惨さや極限状態は、リアル過ぎるとむしろ喜劇になる」(p245)と著者が書くようにすさまじい世界であるのに笑える。冒頭から新左翼から転向して新右翼のリーダになると書いている。おいおい思想犯はそんな簡単に宗旨変えしていいのか、とつっこむ。千葉刑務所で過ごした(務めたか)12年間を記録した獄中記。描写のうまさに驚く。あだ名がどんぴしゃの人物が生き生きと動き回る。シャバで収容しきれない個性の人々が登場するという点もあるが、著者の筆も客観的で読ませる。周りのスゴイ人々は当然としても著者も相当なもの。小説取材のためとして精神病患者への向精神薬を実体験。その効き具合を描写している。獄中で書いた小説も便箋7枚しか出せないので1枚に3千から4千字を詰め込んだという原稿も掲載されている。個人的笑いの白眉はp120の「もしもし、沢口靖子さんですか?」だ。沢口靖子本人を見たことがあるしファンでもあるので気持ちは分かるのだが。未読では損。シャバで読めるうちに読んでおいた方がいい。
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