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君はこの国を好きか (新潮文庫)
 
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君はこの国を好きか (新潮文庫) (文庫)

鷺沢 萠 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

わたしはハングルに感電した―。アメリカで出会った友人に影響され、雅美は韓国語に魅せられて、ついに留学を決意する。ところが文化の違いから、いらだちと挫折感を味わうようになって…。東京とソウルを行き来する青春の日々を新しい感性で描く『君はこの国を好きか』に、ふとしたことから、在日であることを自覚させられる男子大学生を主人公にした『ほんとうの夏』を併録。

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5つ星のうち 4.0 考えさせられる青春小説, 2007/6/10
By のいのい (東京都) - レビューをすべて見る
(TOP 1000 REVIEWER)   
鷺沢さんはクォーターの在日韓国人でした。
本書は「ハングルに感電した在日3世」である雅美という主人公を通して、在日韓国人のアイデンティティの問題を爽やかに描いた小説です。

雅美は予め引き裂かれた存在として生きていくなかで、自己帰属を無意識化することで本質的に曖昧な者となり、永遠に自己保持生への疑問を問い続けます。
その疑問は単に個人のアイデンティティの問題を超え、より大きな構造を持って雅美の前に立ち現れます。
そしてそれは韓国への留学・韓国での生活を通して、激しく自らを揺さぶる波へと姿を変えていきます。

日本と韓国という2つの国の間で自らを定義しようとする彼女の行為は、結局彼女自身を本質的に曖昧な存在として再定義することと同じだったのではないかと思います。

軽めの文体でサラッと読めてしまう小説ながら、不思議と深く考えさせられる一冊でもありました。

こうした「扱い難い」テーマをうまく青春小説として昇華させ、気持ちよく読ませる鷺沢さんの筆力には恐れ入ります。
個人的な問題を小説の中に取り込みながら、過剰な思い入れを完全に排するというのはとても難しいことだと思います。

なお、併録されている「ほんとうの夏」も在日男子大学生を描いた秀作です。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 韓国に溶け込めない在日の方へ, 2000/12/2
 著者は韓国留学経験もある在日韓国・朝鮮人の小説家だ。日本人はよく知らないかも知れないが、韓国国内において、在日は韓国人というよりは日本人に近いとして待遇され、場合によっては差別的待遇を受ける場合すらある。

 韓国人になろうとしてなりきれない在日は多い。その代表が若くして亡くなった芥川賞女性作家だ。だが、この小説は韓国に溶け込もうとする苦しい過程を描ききっている。主人公はおそらく著者自身の分身といえようか。

 この小説を理解するには、韓国に関するそれなりの予備知識が必要だろう。したがって韓国通の方、それに在日の方々にまずおすすめしたい。

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4 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 この国は女神を前にしたような, 2007/10/2
 和田アキ子が50歳半にもなってから「自分は韓国人の血筋でした」と告白。親に教えてもらってびっくりしたと思うが、鷺沢も、文壇デビューしてからそんなことを知ったという。それで、韓国の大学にアイデンティティを求めて留学。しかし、ふるさとの韓国人たちは在日には一線を引いているらしい。両作品ともそのジレンマを、ときには愉快に、ときには深刻に表現していて嫌味なく小説として楽しめる。、
 芥川賞候補作品となった「ほんとうの夏」では小道具に自動車とマージャンが出てくるが彼女の生涯の友であったようだ。
 在日韓国人のふだんの生活上の微妙な心理の差異を描写していて楽しい。「ハング・ルース」などを不良少年ものとするなら、こちらは「ほおずきの花束」系統の良い子もので、私の好きな系統です。
「君はこの国が好きか」は「ほんとうの夏」の芥川賞落選から立ち直り(憶測)、さらに延世大学留学体験を経て、自分のアイデンティティを渾身の力で追求した力作。主人公を通して作者自身がものすごいガリ勉くんだったのだと改めて感じ入る場面が2度ほど出てくる。
 ネタばらしになるが、最後の最後には、在韓時にお世話になった年上の男性、鍾煕とどうなるのかなと期待させられていたが、はたして・・・彼の最後に問いかけた言葉は・・・
「おれのこと、どう思う? 好きか? 好きやったら、日本に帰ったらおれといっしょになってくれへんか」
 こんな言葉が出ると思ったのだが、なんと
「君はこの国を好きか」
だったのだ。
 たぶん彼女雅美が「好き」といったら、それは「あなたが好き」と同じことだったろう。 しかし、この作品はそんな小さな恋愛を対象とするものではなかったのだ。なんだか女神を前にしたような喜びが広がりでそうな感じなのだ。
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投稿日: 1か月前 投稿者: しずく

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