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残虐記 (新潮文庫)
 
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残虐記 (新潮文庫) (文庫)

桐野 夏生 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。黒く汚れた男の爪、饐えた臭い、含んだ水の鉄錆の味。性と暴力の気配が満ちる密室で、少女が夜毎に育てた毒の夢と男の欲望とが交錯する。誰にも明かされない真実をめぐって少女に注がれた隠微な視線、幾重にも重なり合った虚構と現実の姿を、独創的なリアリズムを駆使して描出した傑作長編。柴田錬三郎賞受賞作。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

桐野 夏生
1951(昭和26)年、金沢市生れ。成蹊大学卒。’93(平成5)年、『顔に降りかかる雨』で、江戸川乱歩賞を受賞する。’97年に発表した『OUT』は社会現象を巻き起こし、同年、日本推理作家協会賞を受賞。’99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、’04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、’05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞を受賞した。また、英語版『OUT』は、’04年にアメリカで権威のあるエドガー賞に、日本人で初めてノミネートされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 3.0 小品たがいかにも桐野氏らしい作品, 2008/2/23
私は桐野氏の作品を、一貫して「女性のサバイバルの物語」という読み方をしてきた。本作品も、少女監禁事件を題材としていながら、監禁された少女(当時小学校4年生)と、その後の人生における、彼女のサバイバル戦略が描かれている点では、他の桐野氏の作品と同列のものだ。

しかし、ここで描かれているサバイバルも、今までの大作と同様に極めて過酷な物語になっている。

監禁生活における、少女が考え出した狡猾なる男との関係性。そして、解放された後、世間の好奇と興味にさらされ、喪失した現実と折り合いを付けるために、彼女が見つけた「毒の夢」。その彼女だけの逃避的現実であった世界さえ、成人の男たちの静的な妄想の沼と気付いたときの深い絶望。

それ以来彼女は、「性的人間」になったと書く。ここでの「性的人間」とは「常に、ケンジの性的妄想とは何か、という問いを生き」ることであり、「他人の性的妄想を想像すること」だと。

彼女の唯一の武器は想像力。奪われたものに対して唯一立ち向かえる力。ですから、そこには真実など、もとからないのかもしれない。

考えてみると、この小説そのものが、リアルの衣を纏いながら謎と嘘に満ちている。この小説を読もうとする読者の意図そのものが、性的好奇心と妄想であることを嘲笑うが如く。小説の結末を「救われない」と書くこさえもが、もしかすると間違いなのかもしれない。余りにもうがたれた闇は深く、しかもある意味で強靭である。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 無限大の謎, 2007/12/9
By ヤキソバ (奈良県) - レビューをすべて見る
(TOP 500 REVIEWER)   
少女誘拐監禁事件を扱った作品であるが、読み進むに従って、物語は謎が謎を呼ぶ。
冒頭で示される手紙の中で、何故「私も先生を許さない」と書かれているのかが当初の大きな謎だ。
そして、謎が一つ増え、また一つ増え、最終的には、謎が謎を呼び、無限大の想像が可能となる。

「先生を許さない」という言葉の意味すら、幾通りもの解釈が成り立つ。
本文中でも、この事に対する解釈が示されているが、それすら、想像の域を出ていない。

一般の推理小説とは逆のパターンの作品だ。
推理小説は、最終的には謎が解明されるのであるが、本作品は、謎が深まるばかりだ。

しかし、被害者となった少女の「他人は信じられない」という姿勢は一貫していて、
その上、他人の心を読む能力は卓越しているので、真実を語ろうとしなかったので、さらに謎は深まる。
その心理描写の深さには、唸らされるばかりだ。

作品中で被害者は、自らを性的人間と語るが、この意図も曖昧模糊としている。
この事に対しても、読み進むに従って、謎がさらに深くなる。

謎が無限大である本作品。
小説という表現手段の、一つの境地が追求されている。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 共感できる私って・・・, 2008/4/8
非常に面白く読ませていただいた。もちろん笑っちゃう面白さと言うわけではない。

表現、主人公の心の動き、そして、検事の心。

すごく共感できてしまった私はどういう事なのだろうかと思いつつ、桐生さんの他の作品を呼んでみることに決めた。
しばらく、はまると思う。
私が読みきってしまわぬうちに、新しく本を出して欲しいなとか勝手に思うのだった。

あの事件があった時、私にはそれはきっとお互いの間に何かの繋がりがきっと生まれたのではないかなって思っていたのだ。

危険な思考ではあるし、その本人にとってはまことにもって迷惑な話。
しかし、そうでもしなければ不可能であると私は思った。
共存してくことでしか、自分を支え続けられないだろう。

そういうこと。
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投稿日: 2007/10/17 投稿者: ポノレノ

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