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心は孤独な数学者 (新潮文庫)
 
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心は孤独な数学者 (新潮文庫) (文庫)

by 藤原 正彦 (著)
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Product Description

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名著『遙かなるケンブリッジ』は、藤原正彦の感性と古武士然とした立ち居振る舞いとを明晰な文章で伝えるものだった。この数学者はどこにいても常に日本人としての誇りを失わず、それでいて盲目的な愛国者にならないだけの冷めた目を併せ持つ稀有な人である。その著者が天才数学者3人、ニュートン、ハミルトン、そしてインドの神童ラマヌジャンの生き方をたどりつつ、彼らの苦悩に満ちた日々を愛情豊かな、それでいて決して一面的にならない冷静な筆致で跡づけて見せた。形の上では3人の評伝となっているのだが、それは単に彼らの生涯と業績を描いたというものではない。著者はそれぞれの人物が生きた場所を訪れ、彼らの在りし日をしのびつつ、同時にその天才としての業績、あるいはその性格的欠陥、懊悩(おうのう)の姿を見事に読者の前に示して見せた。特にインドが生んだ天才ラマヌジャンの苦闘を描いた章は、本書の中でも最も長く、そして最も波乱に富んだ軌跡を詳細に描き出したもので、数学のもつ芸術性、美学をこれほど豊かに示す例はほとんどほかに見出せないものでありながら、それ故この天才の不遇に思わず天を仰ぐしかないのである。本書は単に天才とは何か、天才を生み出すものは何だったのかを示すにとどまらず、たぐいまれな人物伝として高い評価を与えるべきものだろう。(小林章夫)


内容(「BOOK」データベースより)

天才中の天才ニュートン。ニュートンの「プリンキピア」を12歳で読破した早熟の天才ハミルトン。ヒンドゥーの女神のお告げを受け、新定理を量産した神がかり的天才ラマヌジャン。天才はなぜ天才なのか。才能ゆえの栄光、が、それと同じ深さの懊悩を彼らは抱えこんでいたのではなかったか。憧れ続けた3人の天才数学者の人間としての足跡を、同業こその理解と愛情で熱く辿った評伝紀行。

Product Details

  • 文庫: 281 pages
  • Publisher: 新潮社 (2000/12)
  • ISBN-10: 4101248060
  • ISBN-13: 978-4101248066
  • Release Date: 2000/12
  • Product Dimensions: 5.9 x 4.2 x 0.4 inches
  • Average Customer Review: 4.6 out of 5 stars  See all reviews (23 customer reviews)
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25 of 25 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 天才たちの息遣い, 2005/12/12
By Norry (東京) - See all my reviews
自らも数学者である藤原氏がニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンという数学史上の天才の足跡を追います。
ケンブリッジ、アイルランド、マドラス(南インド)とそれぞれの天才にゆかりのある土地を訪れ、縁のある人たちに話しを聞きます。
たくさんの伝記からの引用を縦糸として、訪問記が横糸に織り込まれていきます。
それはとてもミステリアスでありながらも、とてもリアリティのあるもので、天才たちの息遣いが感じられるようです。

公理・定理や数字の類はまったく出てきません。
人間的な側面から3人の数学者に迫って生きます。

それにしても、毎日半ダースも定理を思いつくラマヌジャンって、ほとんど神がかった人ですね。
読み応え十分です。
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21 of 22 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ラマヌジャンのことをもっと知りたい, 2005/7/10
By ib_pata - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 イングランドの保守性と創造性に想いをはせる場面は印象的。「力学(ニュートン)、電磁気学(マクスウェル)、進化論(ダーウィン)はみなイギリス産である。近代経済学(ケインズ)もビートルズもミニスカートもイギリス産である。ジェットエンジンもコンピュータもイギリス産である」「ケンブリッジ大学は戦後だけで三十人以上のノーベル賞を輩出している。古い伝統を尊ぶ精神が、新しい流行や時流に惑わされることを防ぎ、落ち着いて物事の本質を見つめることを可能にしているのかもしれない。伝統を畏怖する精神が、人間に宗教的とも言える謙虚を与え、それが心や目の曇りを取り除くのかも知れない。あるいは古い伝統の中で日常を送ることが、非日常の中で、反動として斬新への爆発力を生むのかも知れない」(pp.62-63)というあたりはいいなぁ。

 もっとも頁を割かれているのはラマヌジャン。「アインシュタインの特殊相対性理論は、アインシュタインがいなくても、二年以内に誰かが発見しただろうと言われている」そして「数学では、大ていの場合、少し考えれば必然性も分かる。ところがラマヌジャンの公式群に限ると、その大半において必然性が見えない。ということはとりもなおさず、ラマヌジャンがいなかったら、それらは百年近くたった今日でも発見されていない、ということである」(pp.241-242)というぐらいの超天才だという。彼の残したノートブックの解明は、未だに完成していないが「彼の美しい公式は、今や素粒子論や宇宙論にまで影響を及ぼしている」(p.258)という。

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25 of 27 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 天才数学者の心の内, 2005/12/30
By 鈴木純一 (マサチューセッツ州ボストン) - See all my reviews
(TOP 50 REVIEWER)   
このレビューの引用元: 心は孤独な数学者 (単行本)
天才数学者三人を取り上げ,彼らがどういう育ち方をして,どういう環境で偉大な業績を残し,晩年はどうだったのかを紹介し,精神的に健全とは言えなかった彼らの心の内まで垣間見てみるという趣の本.著者自ら縁のある土地を訪れ,その文化や風土が天才数学者たちにどういう影響を及ぼしたのかを考察しているのが面白い.

最も印象的なのはニュートンの話.全く人となりを知らなかったので驚きの連続だった.若い頃に故郷に戻って1年半の間に「プリンキピア」の基盤は出来ていたが,その後錬金術に20年も没頭したとか,先取権には徹底的にこだわる割には匿名で論文や本を書き続けたとか,フックと意地の張り合いをしたりライプニッツと泥沼の先取権争いをしたり,プリンキピア後には燃え尽きて国会議員や造幣局局長などを勤めた等々.
ニュートンの捻くれた性格や,老後に徐々に精神を病んでいく過程を,さまざまな観察や調査から説明しているところは実に興味深かった.「遠くを見渡せるのは巨人の背中に乗っているから」という有名なセリフは実は当時流行った言い回しに過ぎなかったというのも驚きの発見.
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