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ローマ人の物語〈35〉最後の努力〈上〉 (新潮文庫)
 
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ローマ人の物語〈35〉最後の努力〈上〉 (新潮文庫) (文庫)

by 塩野 七生 (著)
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Product Description

内容(「BOOK」データベースより)

ローマの再建に立ち上がったディオクレティアヌス帝は紀元293年、帝国を東西に分け、それぞれに正帝と副帝を置いて統治するシステム「四頭政」(テトラルキア)を導入した。これによって北方蛮族と東の大国ペルシアの侵入を退けることに成功。しかし、膨れ上がった軍事費をまかなうための新税制は、官僚機構を肥大化させただけだった。帝国改造の努力もむなしく、ローマはもはや、かつての「ローマ」ではなくなっていく―。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

塩野 七生
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の歴史を描く「ローマ人の物語」にとりくみ、2006年完結。1993年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • 文庫: 213 pages
  • Publisher: 新潮社 (2009/8/28)
  • ISBN-10: 4101181853
  • ISBN-13: 978-4101181851
  • Release Date: 2009/8/28
  • Product Dimensions: 5.8 x 4.2 x 0.6 inches
  • Average Customer Review: 5.0 out of 5 stars  See all reviews (3 customer reviews)
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2 of 2 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars ローマ帝国がローマ帝国らしさを失っていく, 2009/11/5
ローマ帝国のローマ帝国たらんゆえんであった税金制度を大きく変えざるをえないほど蛮族の侵入に神経を尖らせつづけたローマは疲弊してきていた。

おそらくディオクレティアヌスという有能な皇帝をこの時代にもたなければローマはもっと早く潰れていただろうという印象を持つほどこの皇帝はうまく危機を脱しその時代に合った大改革を行っていく。
そのひとつが税制でありもうひとつが「分割統治」。

今まで絶対的皇帝の下に統治されていたローマ帝国を最終的に4分割してそれぞれ正帝副帝に統治させるという
システムをとったがこれがローマらしさを失わせる決定打となった。

面白いのは著者塩見七生さんの解説で
「分担とは、げんにあるものを単に分担して担当させるだけでは済まない」
この文句には色々考えさせられる。

自分がこの時代を統治していたらいったいどんな手をうっただろうか・・・考えながら読むと面白い。

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12 of 18 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 政治に何を学ぶのか?, 2009/8/31
By 樽井 (兵庫) - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
日本で政権交代がなった、ちょうどそのときに読んでいたのが「ローマ人の物語35巻」である。紀元前から始まったローマ人たちの物語も、今巻では四世紀へと時代は移りローマ帝国がかなり没落していく中で頑張った皇帝たちのお話で、日本の今の政治状況とあわせて読むとなお味わい深かった。
 この時代、ローマ時代でも初といっていい、皇帝(厳密には皇帝ではないのだがが4人に増えてそれぞれのエリアを分割して責任防衛するというシステムが生まれる。三世紀末に皇帝となったディオクレティアヌス帝は、それまでの皇帝と違って、白ではなく華美なトーガや王冠をまとい統治者としての差異を見せるかたわら、自分と同じほどの権力を友人にあたえローマ西部の守備を任せ、そのあとでは東西ローマそれぞれの皇帝下にさらに副帝ともいえる人物を配置、ローマを四分割して防衛統治させるというシステムを編み出す。それまでは、ローマには皇帝が君臨し、国の防衛は皇帝と各地方の軍団が行なうということであったが、この時代、北の果てではリメス防衛壁の向こうから蛮族がたびたび襲来し街を襲い、東方ではササン朝ペルシアが二代前のローマ皇帝を拿捕するなどという非常事態が起こり、そのうえ南部の北アフリカでも砂漠の民の叛乱が起きており、皇帝が一人で防衛できるような状況ではなくなっていたのだ。しかし、通常であれば、こういう統治の仕方は国内での権力闘争を容易に誘発して下手すれば内乱になるのだが、こと国を守るという事においてはそういう事態にもいたらず領民にとってはひさかたぶりの安全が保障された。
 ただ、こうした統治においてはそれぞれのエリアで軍団兵を補充することに人員も税金もが高騰し、またそのための官僚機構が肥大化するという悪弊が生まれた。防衛はなったけれど、財政的なピンチが拡大するという状況にローマ帝国は追い込まれたのだ。官僚というものは自律組織であるがために、どうしても肥大化、権益確保型になり、横とのつながりをたち、無駄な経費を生んでしまう。その罠にローマもはまってしまったのだ。
 こうした事態はローマ帝国、パックスロマーナに対して、ローマ人ならびにローマ帝国以外の人々に「ローマ」への憧れ・夢をもてなくさせてしまい、それがまた悪循環を生んでいくことになるのだった。二十年ほどの間、皇帝就任から一度も本国ローマへと戻らず、防衛のために滞陣と移動を続け、国防のために権力を大幅に周囲に渡しても国をまず第一にと考えたディオクレティヌス帝だったが、そのことがまた逆に国としての魅力を減じてもいた。
 国政とはやはりなかかな難しいものである。
 よかれと思っても、それがその目的を達成するが為に、かえって別の面で反発やトラブル・問題の種として生まれてしまう。政治とは技術である、といったのはフランス人だったか、まさに理念や理想だけではなし得ない世界である。バリバリのリアリストで、法治主義者でなおかつ神に祈っても神頼みはしない人間主義のローマ人にしても、難しいものである。
 こうした世界の歴史・政治の歴史から今の政治家は今何を学んでいるのであろうか。
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0 of 1 people found the following review helpful:
5.0 out of 5 stars 歴史を創った戦闘, 2009/9/11
By ヒデボン - See all my reviews
(TOP 500 REVIEWER)   
 衰亡へ向かいつつあるこの帝国も無視できないが、本書では戦争(WAR)と戦闘(BATTLE)は同じではないとする考えから、著者の独断と偏見に基づいて書かれた古代における「歴史を創った戦闘」が面白い。ここでは、「サラミスの海戦」から「ミルヴィウス橋の戦闘」までが取り上げられている。といっても最後の「ミルヴィウス橋の戦闘」は、著者もいうように多くの歴史の教科書にはまず出てこない。しかしその後のローマ世界の運命を左右する極めて重要なコンスタンティヌスとマクセンティウスの戦いである。

 さらにコンスタンティヌスのキリスト教公認が書かれている「第三部」も面白い。世界史の教科書ではお馴染みの西暦325年のニケアの宗教会議、この会議ではキリスト教の教義の論点であるアリウス派とアタナシウス派の何れが正当かが論じられた。その結果、「神とキリストは"同位"ではない」とするアリウス派を異端とし、"三位一体説"をとるアタナシウス派を正当とした。著者はどちらかといえば、むしろ"アリウス派"に説得力を見出しているのも興味深いところ。普通に考えればそうなるが、そうならないから歴史は面白い。このニケア宗教会議の決定がその後のキリスト教の発展を見る結果になったのだ。そこまではブッダもムハンマドもご存知ない。
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