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コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
 
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コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫) (文庫)

塩野 七生 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた―。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

塩野 七生
1937年7月7日、東京生れ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。’68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。’82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。’83年、菊池寛賞。’93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。’99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労勲章を授与される。’07年、文化功労者に選ばれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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5つ星のうち 5.0 ランシマンより断然お勧め, 2004/5/5
 1453年にオスマントルコがビザンチン帝国の最後の息の根を止めた歴史上の大事件に焦点を絞った歴史小説です。

 みすず書房からランシマンが著した「コンスタンティノープル陥落す」という本がでており、こちらのほうが時間的にも長期間、空間的にも広域にこの事件を扱ってはいます。が、素人の最初の一冊としては断然塩野さんのほうが面白い。(ランシマン本は、護雅夫の訳に問題があると思いました。日本語としてのリズムが悪いので原作の魅力を削いでいるように感じます。なおランシマンは英国の歴史家。塩野さんの他の著作に名前がでてきますが、十字軍史の権威とのこと。)
 塩野本に魅せられて、この都市の陥落について何冊か読みましたが、これが一番読ませる本でした。

 ただ、主要登場人物のうち宰相ノタラスへの評価、というか観点についてはかなり素っ気無いので、他の著作でのノタラス評価も知った上で、この小説を読むとさらに味わいを深いものにできると思います。

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5つ星のうち 5.0 「東ローマ帝国」「オスマントルコ」を立体的に捉えることができるになる, 2005/5/16
塩野七生さんの作品は初めてでしたが、読みやすく、興味を煽る文体でした。3日ほどで読破してしまいました。
「東ローマ帝国」「オスマントルコ」に関する小説を読んだことがなかったため、このあたりの世界史を感情移入することができなかったためなかなか頭に入ってきませんでした。日本史や中国は、関連する小説や「三国志」などを読んでいるので、すーっと頭に入ってきて、観光でその土地を訪れたときの感慨がひとしおです。この作品を読んだことで、ヨーロッパを訪れたときにも同じような感慨に浸ることができるようになったと感じています。「東ローマ帝国」「オスマントルコ」を立体的に捉えることができるようになりました。また、欧州の人たちの心象風景にあるキリスト教的な世界観を垣間見るのにも役立っていくのではないかと考えています。他の、塩野作品を読んでいきたくなりました。
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12 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 七生節による「落城物語」, 2006/4/21
我が国でビザンツ帝国に対する関心が必ずしも高くないのは、一つには東方正教会に対する親しみが乏しいせいなのか(しかし明治後期に、ロシア正教信者の数はカトリックに次いでプロテスタントを凌駕していたのだ。悪しき意味での「パウロ主義」の勝利と言うべきか)。かつまたビザンチン美術への関心の相対的な低さゆえか(ヴェネチアを歩いていて石を放れば日本人に当たるが、そこから程遠くない、かのラヴェンナまで足を伸ばす者は数少ない)。
その意味でも、「イタリアおたく」の塩野七生がビザンツ帝国を題材に選んでくれたのは嬉しいし、類書が少ないだけに貴重である。裏表紙には「豊富な資料を駆使して」との惹句が読まれるが、博覧強記の塩野氏としてはこの程度の資料の読み込みはお手のものだったに違いなく、読みやすさと本の薄さもあって、労作というよりはむしろ、著者が自由に想像力の羽を伸ばした「小説」と呼ばれるべき作品に仕上がっている。
塩野氏にふさわしく、コンスタンティノープルの落城がビザンチン・ギリシア人の眼というよりは、ビザンツ帝国に加担するヴェネチア人の眼から多く語られているが、それはそれで「七生節」というものだろう。ビザンチンの精神文化に関する切り込みも弱いけれど、テーマの設定上、欠陥となるわけではあるまい。肝心な攻防戦はストラテジーの展開に、つまり落城物語の悲哀よりはクールな戦史が大半を占めていて、やや物足りなさを感じる向きもあろが、これも小著ゆえの限界と言うほかない。
注意すべきは、著者のローマ贔屓に無批判に加担して、敵(かたき)役のオスマン・トルコやジェノヴァに対して判官贔屓的な反感を集中させることだ(その可能性は充分にある)。冷徹なパワー・ポリティクスの眼と、ここではほとんど語られることのない「イスラームの眼」を養うことは、読者の責任に託されている。
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