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おかしな男 渥美清 (新潮文庫)
 
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おかしな男 渥美清 (新潮文庫) (文庫)

小林 信彦 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

出会いは、1961年の夏。四角い顔に細い目のその男は、33歳。NHKのドラマで全国区の人気者になる寸前。僕は28歳で、小説を書き始めていた。“芸”への強い興味だけでつながっているような、奇妙な関係。底知れぬ凄みを示したかと思えば、なんともいえないおかしみも持っていた彼はやがて、“寅さん”となった―。虚構に殉じた男の若き日の素顔を丹念に浮かび上がらせる、実感的人物伝。


内容(「MARC」データベースより)

映画「男はつらいよ」の寅次郎が、衣裳を脱いだときに現れる素顔の渥美清と本名・田所康雄に戻った時に見せる意外な一面。若き日の渥美清と親しい交際のあった著者が自ら見聞したことだけをもとに愛情こめて綴る実感的喜劇人伝。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

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5つ星のうち 5.0 最良の観察者による渥美清のポルトレイ, 2005/10/7
かつて小林信彦は、「日本の喜劇人」などの著書において、渥美清のポルトレイを綴ってきた。それは渥美清=寅さんではない、一人の喜劇人としての姿だった。
連載当時から、一冊にまとまることを待望してきた。
渥美清は私生活を知られることを極端に嫌った、というのは生前から漏れ伝わってきたことであるが、小林信彦(当時の名前で言うならば中原弓彦)は、彼のアパートを訪れることを許された、数少ない人物である。小林信彦の希有な記憶力によって綴られる、登りつめようとする野心を秘めた、ぎらぎらとした渥美清のポルトレイは、寅さんというイメージをはぎ取り、一人の人間を的確に浮き上がらせる。
読み出すと止まらない。小林信彦の文章の魅力と、渥美清という人物の魔力に取り憑かれたようになってしまう。とにかく、面白い。必読の1冊。

小林信彦はこれまで、植木等、藤山寛美、伊東四朗(文庫「喜劇人に花束を」)そして横山やすしについての長文の評伝を書いている。
願わくば、萩本欽一についても書いてほしいのだが、それは、難しいかな?

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15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 寂しいならお読みなさい 心は二枚目 唯我独尊のプロ役者, 2002/5/8
By おっか3 (札幌市南区) - レビューをすべて見る
このレビューの引用元: おかしな男 渥美清 (単行本)
渥美清の本?興味なし。って去って行こうという、そこのあなた!御用とお急ぎでなければ、どうかお立ち寄り下さい。損はさせません。 渥美清というのは、ひとことで言えば頑なな人。んーそういえば、いつか有名人の血液型のページで見たな。この方が私と同じB型だって。まあ、それは置いときまして・・。 この本は「取材を一切しないこと」というポリシーで書かれたという。では、どうやって書いたのかというと著者の小林信彦というのは現在は作家ですが、昭和中期からの喜劇界に非常に近しいところに居たのですね。喜劇についての評論でご飯を食べていたのです。そして、スタジオである日すれ違って以来、渥美氏は「こいつ切れるな」と踏んだのです。 そんな訳で、二人は、ことある事に自分の現状や作品への評価を求めたり他の喜劇人との葛藤なども語り合った仲でした。その頃の会話などを詳細に備忘録に残してあったのですね。それをもとに綴られた本です。 他人を部屋に入れることの嫌いな渥美清が唯一、アパートで空が白むまで「生き方」や「演劇論」を戦わせたのがこの人だった。彼の備忘録にある渥美氏の姿はひり付くような痛い人間です。顔がまずい自覚はあるが天性の二枚目なのです。 渥美清と寅さんは世間では同一化してしまうくらいにピッタリとくっついている。しかし、こんなに虚像と実像に差がある人も珍しい。寅さんを演じ、寅さんを期待されながら、あくまでも「渥美清」本人あるいは「田所康雄」本人であることを堅持しようとした。 サインはしない。手は振らない。笑顔も贈らない。ろくに挨拶をしない。自分のためにはどんなに請われても他を切って行く。そういう男でありますから他の喜劇人には相当妬まれたり、嫌われたりいびられたりようです。 それを受けての彼の言葉は 「そういう視線を感じてますよ。灼きつくようなやつをね。俺が普通 の人間じゃないことを知らないんだ」 「普通じゃない?」「キチガイだからね。俺は」 たしかにある種のキチガイなのです。TVで忙しい頃でさえ、週に一度の休日には、ロードショー映画を三本見て芝居の夜の部を見ることにしていたそうです。これは別のところで読みましたが、井上ひさし出久根達郎と本の購入量で競い合っていたというのだから、インテリに憧れ、相当貪欲に「知識」を取り入れようともがいていたことも伺えます。役者人生に賭ける姿勢が生半可じゃないのです。みんな仲良くお手てつないでとは行かないのです。 晩年はご存知のように癌と格闘しながら寅さんを演じきりました。そして彼のポリシー通り、亡くなったことは誰にも知らせず荼毘に付されます。 それこそキチガイじみた一生懸命さが、嫌味でもあり魅力的でもある人物像でした。彼自身が自らに課した孤独が胸を打ちます。ある意味で自分に近いものを感じたのです。
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5つ星のうち 4.0 寅さんではなく役者渥美清という人物を実感できる本, 2006/9/23
私は、若い頃フランキー堺のファンであり、年中行事になっていた「男はつらいよ」の面白さはわからなかった人間である。しかし、渥美清が(役柄である「寅さん」とは異なり)大変な読書家であるという噂を耳にしてからは、渥美清という人間には常に興味を持ち続けていた。彼は実際にはどのような人物であったのか。例えば、読書に何を見いだし、いかに活用したのか。折りに触れて渥美清関係の文章を読んでいたものの、人物像としてしっくり来ず、謎は深まるばかりだった。

この本は、昭和36年から渥美清と接するようになった強記の著者が、折々の接触の際の渥美清とのやり取りを軸に、当時の業界状況や人物評、作品評なども付け加えて、役者渥美清というものを感じることができるようにしたものである。接触と言っても、業界が違うという分を守ったべたべたしない接触の仕方であるが、渥美清も著者も尋常ならざる洞察力の持ち主のようで、会話や著者の感性から感じ取れるものは大きい。私自身もこの本を読んで初めて渥美清の人物像を掴むことができた。
詳しくは本書を読んでいただきたいが、キーワード的に書けば、文学青年だった兄の喪失と片肺飛行、人間不信と洞察力で近寄りがたい男、強烈な自信と上昇志向と同時に危険な過去と奇妙な諦め、生き方の話、「こいつ、さしずめインテリだな」というインテリへの想いと大変な努力家、メンター的な森繁久彌の存在が挙げられる。

読書と生活の糧としてのルーティンワークという点でスピノザ的なものを想像したのは私の全くの勘違いだったが、今となっては珍しい芯のある男の話であった。
巻末の著者との対談で小沢昭一が言うように、これだけの迫力をもってねちっこく書かれて渥美清も幸せだろう。
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... 続きを読む
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