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人斬り以蔵 (新潮文庫)
 
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人斬り以蔵 (新潮文庫) (文庫)

司馬 遼太郎 (著)
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5つ星のうち 5.0 司馬、初期頃の珠玉の短編集, 2006/4/2
By 丁三 (千葉県) - レビューをすべて見る
(TOP 100 REVIEWER)   
昭和36年から41年(司馬37歳〜43歳当時)にかけて小説誌に発表された8編を収録した短編集である。

時代背景は大坂の役が3点、幕末が5点。いずれも歴史上は脇役といってよい男たちの生き様を史伝風につづっている。作家として独立して間もないころの作品が多く、後に司馬の代表作となる長編のモチーフがそこここに見られて興味深い。

中でも大村益次郎を扱った「鬼謀の人」は、後の長編「花神」に結実した。「花神」ではシーボルト・イネとのロマンスも交えて小説として豊かな装飾が施されたが、本書「鬼謀の人」ではそうした装飾がほとんどなく、天才的軍略家であった大村益次郎の奇人・変人ぶりがより鮮烈に描かれている。

表題作「人斬り以蔵」の岡田以蔵は「竜馬がゆく」の文庫版第4巻にも登場する。岡田以蔵の自白のために、竜馬の親友で土佐勤皇党の領袖、武市半平太は切腹して果てる。「竜馬がゆく」では以蔵が武市を裏切った理由には触れなかったが、本作では以蔵と武市の複雑な愛憎感情を描写していて見事である。

以下に参考までに収録作品の発表年と主人公を記す。

・おお、大砲(1961.4)
〜幕末、家康以来の古式大砲を操って天誅組を撃退した中書新次郎。
・売ろう物語(1961.7)
〜大坂の役で豊臣方について真田幸村とともに戦った後藤又兵衛の「男」の売り方
・言い触らし団右衛門(1961.7)
 〜大阪の役で豊臣方について壮烈な戦死を飾った塙団右衛門の「男」の売り方。
・太夫殿坂(1962.4)
 〜幕末、新撰組に兄を暗殺された津山藩井沢斧八郎の仇討ち。淫靡な大坂の風俗。
・割って、城を(1963)
 〜大阪の役の頃、茶器の目利きであった古田織部正。
・鬼謀の人(1964.2)
 〜幕末、大村益次郎。
・人斬り以蔵(1964.4)
 〜幕末、岡田以蔵。
・美濃浪人(1966.10)
 〜幕末、井上馨の命を二度も救った適塾出身の所郁太郎の生涯。
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 思い出深い一冊。, 2005/6/3
私が中学生だった頃、
「いい加減、漫画ばっかり読んでる訳にはいかんだろう。」
と、初めて小説の文庫を買ったのがコレ。

歴史には凄く興味を持っていたし、
当時、『るろうに剣心』という漫画が流行っていたので、
とりあえず短編で読みやすそうなものを、と手にとってみたのですが、
面白いの何のって、買ってすぐに一冊読みきってしまいました。

以来私は色々な歴史小説を読むようになったのですが、
今思えば、最初がこの本で良かったですね。
『竜馬がゆく』は、面白いけど結構長いので、
私の様な文学少年もどきには向いてなかったろうし、
まして、『翔ぶが如く』等みたく堅苦しくない。
そこが、歴史小説ファンには物足りないのかもしれませんが、
あえて☆5個。
歴史小説だからって、敷居が高い必要はないですよね!

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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 過去と「ふれあえる」一冊, 2004/1/24
戦国期もの3作、幕末もの5作、計7作の短編集。
司馬先生の凄さは、幕末という時代をあらゆる視点から
見る事が出来るという点ではなかろうか、とこの一冊を読んで改めて思わざるを得ない。

表題にもなっている「人斬り以蔵」。
幕末における彼の唯一の存在理由は、人を斬る事だった。
稼業として殺人を繰り返す以蔵の生涯を描いた作品。

「人斬り」という言葉の持つ、暗く凄惨なイメージは彼の為にあり、また彼から生まれ出たものかもしれない。

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投稿日: 2004/7/30 投稿者: 日本一小さい歴史書店

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